意見書第13号 (平成28年) 介護保険制度における軽度者への福祉用具貸与および住宅改修の継続を求める意見書
平成27年6月30日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2015」(骨太方針)において、次期介護保険制度改革に向けて、軽度者に対する福祉用具貸与等の給付の見直しを検討することが盛り込まれ、財政制度等審議会の財政制度分科会においては、軽度者に対する福祉用具貸与および住宅改修について、原則として自己負担する制度への切替えが提案されている。
しかしながら、現行の介護保険制度による福祉用具貸与および住宅改修は、高齢者自身の自立意欲を高め、介護者の負担軽減を図るという極めて重要な役割を果たしている。
福祉用具貸与や住宅改修の利用が原則として自己負担となった場合には、特に低所得世帯等の介護保険制度からの切捨てとなり、それ以外の世帯においても、手すり、歩行器等の利用が減り、転倒、骨折などによる介護度の重度化を招くことで訪問介護等の人的サービスの利用が増大し、高齢者の自立を阻害するだけでなく、保険給付の適正化という目的に反して、かえって保険給付の増大を招くことにもなりかねない。
よって、国会および政府におかれては、次期介護保険制度改革における福祉用具貸与および住宅改修について、高齢者が自立した日常生活を営むという介護保険の理念に立ち返り、要介護者の生活を支える観点から検討し、現行どおり介護保険の給付対象として継続することを強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成28年6月22日
滋賀県議会議長 野 田 藤 雄
(宛先)衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣