意見書第17号 (令和01年) 1年単位の変形労働時間制導入の中止を求める意見書(案)
本年12月4日、学校における働き方改革として公立学校に「1年単位の変形労働時間制」を導入する教職員給与特別措置法の改正法が成立した。1年単位の変形労働時間制とは1年間を繁忙期と閑散期とに分け、繁忙期の勤務時間を延長し、閑散期の勤務時間を短縮することによって、年間で平均した週当たりの労働時間が40時間を超えないようにする制度である。しかし1日11時間17分の勤務を行っている学校の現状を考えれば、時間外勤務の実態を覆い隠すだけで長時間過密労働の解消にはつながらない。
労働基準法は1年単位の変形労働時間制導入の条件の一つに労使協定の締結を規定している。ところが改正法ではこれほど問題がある制度を労使の協定ではなく、地方自治体の条例等によって実施させることとしている。
教育職員の長時間過密労働を解消するには、少人数学級の実現や教職員定数の抜本的改善によって人を増やし、一人当たりの業務量を縮小することが不可欠である。
よって、国会および政府におかれては、子供たちの充実した教育環境や教育職員の命と健康を守るため、公立学校に対する1年単位の変形労働時間制の導入を中止されるよう強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和元年12月20日
滋賀県議会議長 生 田 邦 夫
(宛先)衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、文部科学大臣