意見書第10号 (平成06年) 農業合意に伴う国内対策の確立に関する意見書
意見書第10号
農業合意に伴う国内対策の確立に関する意見書
ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意の実施は、近江米や近江牛などを生産してきた本県農業の営みや淡海文化を育くんできた農村の暮らしに影響が及んでくるものと懸念されている。
政府においては、その責任において、早急に農業者の不安をぬぐい去るとともに、これを期に、安んじて営農にいそしむことができるよう、農業生産基盤の整備の推進、効率的かつ安定的な農業経営の育成、農産物の生産から流通・消費にわたる振興、さらには、農山村地域の活性化対策など広範な政策を講じることが急がれている。
とりわけ本県においては、農業の根幹をなし消費者から高い評価を受けている近江米の一層の振興を図るため、国民の主食である米については、国内自給を確保し需給と価格の安定を図ることが求められている。
よって政府におかれては、農業者が誇りを持って農業に携わり、自信を持って次世代に農業を引き継いでいけるよう、万全の国内対策を講じ、農業者の体質強化を図るとともに国民に米を安定的に供給する新たな米管理システムを構築されるよう強く要望する。
さらに、農業合意が及ばす影響について広く国民の理解を深め、国民の総意の基に21世紀の食糧、農業、農村の展望を切り拓く「新たな基本法」の制定に向け取り組まれるよう要望する。
以上、地方自治法第99条第2項の規定により意見書を提出する。
平成6年10月13日
滋賀県議会議長 田 中 雄
(宛先) 内閣総理大臣 大蔵大臣 農林水産大臣 経済企画庁長官 国土庁長官