意見書第11号 (平成11年) 介護保険見直しに反対する意見書
意見書第11号
介護保険見直しに反対する意見書
政府は、来年4月から実施される介護保険制度について、保険料徴収を半年間行わず、その後1年間は半額を徴収し、財源は国が負担すること、さらに家族介護に慰労金等を支給することなどの見直し方針を決定した。
政府見直し案は、介護保険制度の根幹を大きく歪めるものである。保険料徴収の凍結は負担と給付の関係を曖昧にし、相互連帯という制度の趣旨をないがしろにするばかりでなく、その財源を赤字国債に頼ることで将来世代に多大な負担を付けまわすことになる。
また、慰労金の支給に至っては、介護基盤の整備に水を差し、介護にあたる家族、特に女性をかえって介護に縛りつけることになりかねないものである。
介護保険制度は、市町村の努力によって初めて実現できる制度であり、政府の見直し案は、介護保険制度の準備を着実に進めている市町村の努力を無駄にし、地方分権の流れをも阻害するものであるため反対である。
今、求められているのは、介護保険制度の円滑な準備を進めている市町村の現場の声を聞き、介護保険制度の趣旨に沿った基盤整備と円滑な準備の推進に全力を上げることである。
よって政府におかれては、介護保険法の趣旨を踏まえて、法律制度のとおり来年4月1日から介護保険制度を実施されるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条第2項の規定により意見書を提出する。
平成11年12月17日
滋賀県議会議長 滝 一 郎
(宛先) 内閣総理大臣 厚生大臣