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請願第3号 避難計画や安全性の確保ができないまま、豊かな水源・琵琶湖と滋賀県民の生命をないがしろにして高浜原発3号機が再稼働したことに抗議し、稼働停止を求める旨の意見書の提出を求めることについて

受理番号

請願第3号 

受理年月日

平成28年2月23日

付託委員会

付託委員会
総務・企業常任委員会

本会議議決結果

議決結果
不採択

紹介議員

海東英和
杉本敏隆
節木三千代

内容

 関西電力は、1月29日、高浜原発3号機を再稼働させた。高浜原発をめぐっては昨年12月末、再稼働を差し止めた4月の仮処分決定を、福井地裁が取り消したばかりである。それからわずか1カ月後の再稼働である。国の、原子力災害に対する指針は被ばくを前提としている。安定ヨウ素剤の配布・服用方法の具体化は進まず、要援護者などの逃げ遅れる人々についてどうするのか、避難において基本である避難先の具体的なマッチングもできていないなど、避難計画は不十分なままである。
 福島原発事故から5年がたつが、収束も原因解明もなされていない。メルトダウンした核燃料の状況は全くつかめず、再臨界の恐れもある。高浜原発も重大事故の可能性は否定できない。万が一事故が起これば、広範囲に、そして長時間影響が及ぶことは明らかである。滋賀県による高浜原発に隣接する美浜または大飯原発の重大事故時のシミュレーションに基づく放射性物質の琵琶湖への影響予測(最終報告)の県検討会議(2014年1月21日)では、飲料水の摂取制限基準の超過水域が最大で北湖で30%、南湖で40%にも達し、10日から7日間以上続くことが明らかになっている。さらに、その飲料水対策が全くなく「各家庭のペットボトル」「自己責任」で結論付けられ、また山林を含む陸地に降下した放射性物質が河川、農地や琵琶湖に流れ込むことによる農作物の汚染や生体濃縮の危険性については検討されてもいない。琵琶湖は海とは違い、周りが山で囲まれていて、滋賀県内に降る雨や雪の水は全て琵琶湖に流れ込み、流出は琵琶湖疎水を除けば瀬田川に限られるため、汚染されれば放射性物質は拡散して薄まるどころかたまっていく一方である。漁業は大打撃をこうむるばかりか二度と出来なくなる可能性もある。事故時には、こうした琵琶湖の深刻な汚染が起きるにも関わらず、何ら対策がとられていない段階での再稼働は、滋賀県民、ひいては近畿1,450万人の命を事故時に死の淵に追いやるものといっても過言ではない。
 よって滋賀県議会として、国に対し、避難計画や安全性の確保ができないまま、豊かな水源・琵琶湖と滋賀県民の生命をないがしろにして高浜原発3号機が再稼働したことに抗議し、稼働停止を求める旨の意見書を提出することを請願する。

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