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知事提案説明(平成19年12月定例会)

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平成19年12月県議会定例会 知事提案説明

平成19年12月県議会定例会 知事提案説明

 本日、議員の皆様のご参集をいただき、12月県議会定例会を開会し、提出をいたしました諸案件のご審議を願うに当たりまして、その概要をご説明いたしますとともに、当面する諸問題について所信を述べさせていただきます。

 まず始めに、滋賀県基本構想案について申し上げます。

 本県では、平成15年に現行の滋賀県中期計画を策定し、「自然と人間がともに輝くモデル創造立県」を目指して、成果を重視した戦略的・重点的な県政運営に取り組んでまいりました。

 しかしながら、最近では、急速に進む少子高齢化や依然として改善しない琵琶湖環境問題、温暖化などの地球規模での環境問題、さらには成熟社会への移行に伴う人々の価値観の多様化などにより、開発を基調とした量的な拡大を目指し、モノの豊かさを追い求めてきた社会の制度や仕組みでは対応しきれない新たな課題や問題が増加してきております。
 また、県の財政状況は引き続き極めて厳しく、より健全な財政運営への転換が急がれるとともに、国と地方、県と市町の役割分担や連携のあり方を大きく変える、さらなる地方分権が進められるなど、時代は今、大きな転換点にあります。
 こうした社会経済情勢に的確に対応し、長期的な視点から将来を展望して効果的に施策を展開していくためにも、新たに基本構想を策定することとしたものであります。

 本構想では、長期的な視点から、ちょうど一世代ほど後になる平成42年(2030年)頃の滋賀県の目指すべき将来の姿を描きつつ、その実現に向けて、平成22年度(2010年度)までに行うべき政策や施策の方向を示しております。
 子や孫の世代にも満足と希望のある社会を引き継いでいくため、基本理念を「未来を拓く共生社会へ」とし、自ら高い志を持ち主体的に行動する「自律性」を高め、県とともに様々な主体の方々が自らの役割を自覚し「協働」していくことを目指すこととしております。

 基本理念や将来の姿の実現に向けては、滋賀県が長い歴史の中で育ててきた「人」、「自然」、「地と知」の3つの力に注目し、「人の力を活かす」、「自然の力を活かす」、「地と知の力を活かす」の3つの戦略を展開していきます。

 「人の力を活かす」では、地域での人々のつながりを深め、人の力が活きる、活かせる社会を実現することを目指します。
 二つ目の「自然の力を活かす」では、持続可能な社会づくりを進めるとともに、琵琶湖を始め周辺の田んぼや森などの豊かな自然を次世代に継承できる、人と自然との新たな関係を築くことを目指しています。
 三つ目の「地と知の力を活かす」では、近畿圏、中部圏、北陸圏の結節点として地理的な優位性をもち、文化的土壌も豊富で、多彩な学部を持つ大学や民間研究所が多数立地する知の集積を活かして、滋賀ブランドを育て産業力を高めることとし、あわせて歴史資源、文化・芸術が息づく美しい魅力あるまちづくりを進めることを目指しております。
 さらに、戦略で進める施策に加えて、将来の姿を実現するために着実に展開していく施策を総合的に示しております。

 こうした考え方をもとに、県民の皆さんと協働しながら、幅広く社会的な土壌をつくり、そこに種をまき、芽が生まれ、育ち、実るという、内発的な成長を目指して滋賀に誇りと品格を醸し出す新しい滋賀の姿を築いてまいりたいと考えております。

 この「基本構想」の根ざす哲学は、「かだマニフェスト」で県民の皆さんとお約束をした滋賀が本来持っている「勿体」の力と価値を未来に活かす次世代育成型の思想と一致するものであります。

 次に、平成20年度当初予算の編成について申し上げます。

 いよいよ来年度予算の編成の時期になってまいりました。
 まず、予算編成の背景となります経済情勢についてでありますが、我が国の経済の動向は、政府の11月の月例経済報告によりますと、「景気は、このところ一部に弱さがみられるものの、回復している」との判断がなされております。
 先行きにつきましては、企業部門の好調さが持続し、これが家計部門へ波及し国内民間需要に支えられた景気回復が続くと見込まれる一方で、アメリカのサブプライム住宅ローン問題を背景とする金融資本市場の変動や原油価格の動向が内外経済に与える影響等には留意する必要があるとされております。

 一方、本県経済におきましては、生産動向や消費動向はおおむね横ばいといった状況ですが、雇用情勢は着実に回復しており、全体として国同様に「回復傾向が続いている」ものと認識しております。
 しかしながら、こうした状況は業種や企業規模によりバラツキが見られ、特に中小企業は、大手に比べると依然厳しい状況に置かれていることに留意する必要があります。また、原油価格の高騰が県内企業に与える影響についても引き続き注視していく必要があります。

 こうした経済情勢のもとでの予算編成でありますが、国においては、平成20年度予算について、いわゆる「骨太の方針2006」で示された歳出改革を軌道に乗せる上で極めて重要な予算であり、これまでの財政健全化の努力を今後とも継続し、引き続き、歳出全般にわたる徹底した見直しを行い、歳出の抑制と予算配分の重点化・効率化を目指すとされております。

 一方、地方財政につきましても、「骨太の方針」に沿って、国の歳出の徹底した見直しに歩調を合わせつつ、地方自治体の自助努力を促し、人件費や地方単独事業費の徹底した見直しを行うこととなるなど、地方財政計画の歳出規模を引き続き抑制するとされております。

 こうした中で、本県の来年度予算編成を行うことになります。
 気になる税収見通しにつきましては、このところの原油価格の高騰、株価や為替の動向およびサブプライムローン問題が顕在化してきたアメリカ経済の動向なども考えますと、残念ながら県税全体が大幅に増加する基調にはないと判断せざるを得ません。
 また、地方交付税につきましても、国の歳出・歳入一体改革が進められていく中で、地方財政計画の歳出規模の抑制を通じて減少傾向が続くものと予想され、年末に向けての地方財政対策等の動向に一層注視する必要があります。

 先に行った財政収支試算では、現在と同様の行財政運営を継続すれば、来年度に約400億円の財源不足額を生じることが明らかになり、この危機的な財政状況を直視し、財源不足の減額に取り組むことが緊急の課題であると考えております。

 このため、財政の健全性・弾力性を保持し、自治体として安定的で持続的な行財政基盤を早期に確立することができるよう、平成20年度から概ね3年間を計画期間とする「新たな財政構造改革プログラム」の策定作業に取り組んでいるところであります。
 それゆえ、初年度にあたる平成20年度当初予算については、この取り組みを踏まえ、より一層「歳入に見合った歳出」に徹した予算編成を行い、
新たな財政構造改革の確実なスタートを切らなければならないと考えております。

 しかしながら、このような極めて厳しい財政環境の中にありましても、先ほど申し上げました「基本構想」の実現に向け、構想に掲げる3つの戦略を中心とした施策を構築するとともに、「県民の生命とくらしを守る」ためには、何を残し、何をやめるか、また何に新しく取り組むのか、という厳しい選択をしながら、滋賀の未来を支える「次世代育成型」の予算編成に取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、東海道新幹線新駅問題について申し上げます。

 新幹線新駅問題につきましては、関係の皆様との対話を通して、合意による解決を図るという基本姿勢のもと、これまで「東海道新幹線(仮称)南びわ湖駅設置促進協議会」の正・副会長会議を10回にわたり開催し、本年10月末の履行の諾否の期限まで、「凍結を含む幅広い議論」を精力的に重ねてまいりました。

 最終的に、協定類の内容どおりの履行の合意には至りませんでしたが、正・副会長会議のご了解を得て、去る10月28日に開催されました促進協議会総会において、合意に至らなかった結果と今後の諸課題に対する県の基本的な方針について報告させていただきました。こうした経過により、本年4月24日に締結した「覚書」に基づき、本年10月末をもって基本協定や工事協定などの協定類は終了することとなります。

 また、11月2日には、栗東市長さんとともにJR東海の松本社長さんにお出会いし、地元として協定類の履行の合意に至らなかったことを報告するとともに、ご迷惑をおかけしたことをお詫びしました。松本社長さんからは、「地元がまとまらなかったということから、やむを得ない」「県との関係は、協定類の終了によりきちっと整理し、今後は普通の関係でお付き合いをしたい」といった趣旨のご発言をいただいております。

 私が公約として掲げてきた新駅の「凍結」が実現することとなり、選挙により県民の皆さんの思いを託された知事として、一つの責任を果たせたのではないかと考えております。

 協定類の終了により、本年度の工事費負担金見込額21億5千万円をはじめ、平成24年度までに支出を必要としていた多額の負担金を削減できることとなり、現在の極めて厳しい本県財政に寄与したものと考えております。
 一方、新駅の「凍結」に伴いまして、「栗東新都心土地区画整理事業への対応」や「県南部地域の振興」など、今後解決すべき課題が残されております。

 土地区画整理事業に関しましては、既に栗東市と事務レベルでの協議の場を設け、今後の対応策について具体的に検討を始めているところでございます。
 去る11月17日には、地元の自治会長さんや地権者の代表の方々を訪問し、新駅にかかる協定類が終了したことを報告するとともに、地元にご迷惑をおかけしたことをお詫びし、今後の対応等についてご意見をいただきました。

 今後とも、地元自治会や地権者の皆さんのご意見を十分お聴きし、地元の不安や要望に適切に対応するため、栗東市と誠意をもって協議を重ねながら、できるだけ早期に最善の方策が講じられるよう力を注いでまいりたいと考えております。

 また、県南部地域の振興につきましては、今後、栗東市、関係市等と協議し、「(仮称)南部地域振興会議」を設置するなど、具体的な振興策等について関係の皆様とともに検討してまいりたいと考えております。

 県としましては、こうした諸課題の解決に向けまして、今後とも精一杯取り組む所存でありますので、議員の皆様のご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 次に、造林公社の問題について申し上げます。

 社団法人滋賀県造林公社ならびに財団法人びわ湖造林公社においては、去る11月8日に臨時理事会を開催し、経営の抜本改革を図るため特定調停申立ての決議がなされ、11月12日ならびに15日にそれぞれ大阪地方裁判所に申立てを行い、受理されたところでございます。

 滋賀県造林公社は平成17年1月に大阪府をはじめとする下流府県などと「経営改善検討会議」を立ち上げ、農林漁業金融公庫への償還を見合わせる中で、抜本改革のための経営改善計画策定に向け協議・検討を重ねてまいりました。また、びわ湖造林公社においても歩調を合わせ、検討をしてまいりました。

 経営改善計画の策定にあたって、両公社が資産査定を行いましたところ、平成18年度末で滋賀県造林公社が最大で278億円、びわ湖造林公社が最大で535億円という、大幅な債務超過となる見通しが判明しました。また、10月31日には公庫から両公社に対して、全額繰上償還請求の手続を進める旨の通告がありました。これを受けて両公社としては、独自の努力では現在の厳しい経営環境を克服することはもはや困難であるとの判断に至り、特定調停の申立を決断されたものであります。

 そのような中、県といたしましては、既に11月8日には公庫から両公社に対して全額繰上償還請求の通知が出されており、特定調停の結果によっては、県に対して巨額の損失補償の実行を求められることが強く懸念されます。
 また、11月8日の請求の翌日から年14.5%にも上る遅延損害金が発生しておりまして、公社に対して一刻も早く特定調停の成立が図られるよう指導してまいりました。

 特定調停の手続に入ったと申しましても、解決に向けての第一歩を踏み出したところであり、両公社においては、関係者のご理解を得るため、これまで以上の努力が求められます。

 さらに、両公社の再建に際して土地所有者の皆さんとの関係がもう一つの大きな柱であります。両公社合わせて2,500人を超える土地所有者の皆さんと、公社が6割に対して土地所有者が4割という割合で分収林契約をしておりますが、この分収割合を見直していただくために、今後、十分なご説明をさせていただきご理解を得る必要があります。このことから、両公社には「分収契約室」を設置し、誠意をもってできるだけ速やかに、かつ組織的に見通しを立てて取り組んでいくよう指導いたしました。

 県といたしましては、今後、非常に厳しい決断を迫られるものと覚悟いたしておりますが、孫子にツケ回しをしないという県民の皆さんとのマニフェストでのお約束の実現に向けて努力いたします。

 一方公社営林は、琵琶湖の環境と淀川下流域の水資源を確実に維持するために、また地球温暖化対策における森林の貢献という重要な役割を担ってきておりまして、今後とも公社営林の保全に努め、健全な姿で次世代に引き継ぐことが私たちに与えられた使命でございます。
 この問題が、滋賀県のみならず、関係者の皆様にとっても、最善の方向で解決できるよう、全力で臨む覚悟でございますので、議員の皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 それでは、今議会に提出いたしております案件の概要について、ご説明いたします。

 まず、議第139号は補正予算でありまして、指定管理者と新たに協定を締結するに当たり債務負担行為を追加しようとするものでございます。

 次に、条例案件でございますが、議第140号は、地方公務員法の一部改正に伴いまして、新たに職員の自己啓発等休業制度が導入されましたことから、条例を制定しようとするものでございます。
 議第141号は、学校教育法等の一部改正に伴いまして、関係条例の整理を行おうとするものでございます。
 議第142号は、「さらなる権限移譲基本計画」に基づきまして、各市町の状況に応じて知事の権限に属する事務を移譲することに伴い、必要な改正を行おうとするものであり、議第143号は、地方公務員の育児休業等に関する法律の一部改正により、育児短時間勤務制度が創設されたことなどに伴いまして、関係条例の改正を行おうとするものでございます。
 議第144号は地方税法施行令の一部改正に伴い、必要な改正を行おうとするものでございますし、議第145号は、平成20年9月末をもって滋賀会館大ホールの供用を廃止するため、必要な改正を行おうとするものでございます。
 議第146号は、上水道供給事業において、料金改定を行うため、必要な改正を行おうとするものでございますし、議第147号は、「県立八幡養護学校」を知的障害と肢体不自由に対応する学校として、野洲市に移転し、「野洲養護学校」として名称変更するため、必要な改正を行おうとするものでございます。
 議第148号および149号は、「県立比良山岳センター」および「県立伊吹運動場」について、利用料金制度を導入するため、それぞれ必要な改正を行おうとするものでございます。

 次に、その他の案件でございますが、議第150号、151号および152号は契約の締結について、議第153号は行政代執行費用等に係る損害賠償請求訴訟の提起について、議第154号から議第159号までは、指定管理者の指定について、議第160号は平成20年度に発売する宝くじの総額について、議第161号は滋賀県基本構想の策定について、議第162号は滋賀県中期計画の廃止について、それぞれ議決を求めようとするものでございます。

 以上、何とぞよろしくご審議いただきますよう、お願い申し上げます。

平成19年12月県議会定例会 知事提案説明(その2)

平成19年12月県議会定例会 知事提案説明(その2)

 ただいま、提出いたしました議案につきまして、ご説明申し上げます。

 いずれも給与改定に係る条例案件でありまして、議第163号は、私の現在の任期に係る退職手当について、支給しないこととするため、新たに条例を制定しようとするものでございます。

 議第164号は、平成20年度から平成22年度までの3年間、本県独自に給与を削減しようとするものでございまして、教育長などの特別職について、給料の12%を削減することとし、また、一般職員については、平成18年度からの新給与体系による給料の水準引き下げに伴う経過措置の範囲内で削減を行うものでございまして、部長級、次長級の職員について給料の6%を、課長級の職員については4%を、参事級の職員ならびに県立学校、小中学校の校長については2.5%を、その他の職員については1.5%をそれぞれ削減し、削減後の給料月額を地域手当、期末・勤勉手当等の諸手当の算定に反映するものなどでございます。

 議第165号は、現在、私と副知事の給与について、その一部を減額する措置を実施しているところでありますが、その措置に加え、期末手当の一部を減額するため、必要な改正を行おうとするものでございます。

 議第166号から169号は、去る10月15日に県人事委員会から職員の給与改定について勧告を受けましたので、必要な改正を行おうとするものでございます。
 議第166号および169号は、一般職員の給料の引き上げ等について、
議第167号および168号は、一般職の特定任期付職員および任期付研究員の期末手当の引き上げ等について、それぞれ必要な改正を行おうとするものでございます。

 以上、何とぞよろしくご審議いただきますよう、お願い申し上げます。
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