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知事提案説明(平成18年12月定例会)

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平成18年12月県議会定例会 知事提案説明

平成18年12月県議会定例会 知事提案説明

 本日、ここに議員の皆さんのご参集をいただき、12月県議会定例会を開会し、提出をいたしました諸案件のご審議を願うに当たりまして、その概要をご説明いたしますとともに、当面する諸問題について所信を述べさせていただきます。

 その前に、去る10月15日、稲葉稔元知事がご逝去されました。思いもよらぬ訃報に、大変驚き、今なお残念な気持ちで胸が一杯でございます。
 私自身も琵琶湖研究所の研究員となって以来、稲葉元知事からは様々な面で御指導をいただき、何度か親しくお話しもさせていただきました。温厚なお人柄の中にも、責任感が強く、ふるさと滋賀と美しい琵琶湖を心から愛するお気持ちが溢れた方でございました。

 稲葉元知事は、昭和61年7月から平成10年7月まで3期12年にわたり県政を担われました。とりわけ琵琶湖の総合保全を初めとする環境問題への先駆的な取組と世界への発信など、琵琶湖を中心とした環境行政の面で大きな功績を残されました。
 また、県立大学の開設や立命館大学の誘致、びわ湖ホールや琵琶湖博物館の設置など、教育の充実や文化芸術の振興にも積極的に取り組まれ、この分野での本県の基礎を築かれました。

 稲葉元知事の多大なご業績と、県政に対するご貢献に対し、138万県民を代表して、改めて深く敬意と感謝の意を表しますとともに、心から御冥福をお祈り申し上げます。

 さて、いよいよ来年度予算の編成時期になってまいりました。
 来年度予算は、私が知事に就任させていただいて初めて編成する当初予算となります。滋賀が持つ魅力と資源を十分活用しながら、未来につながる予算となるよう、精一杯取り組んでまいりたいと考えております。

 そこで、まず、予算編成の背景となります経済情勢についてでありますが、我が国経済の動向は、政府の月例経済報告によりますと、平成14年2月から始まった景気拡大期間が、この11月には、戦後最長の「いざなぎ景気」を超えたとされております。しかしながら、経済成長率の水準は、「いざなぎ景気」ほど高くはなく、賃金水準も伸びないなど、生活者の実感としては、決して好況感は高くないという状況でございます。
 先行きにつきましては、国内民間需要に支えられた景気回復が続くと見込まれる一方で、原油価格の動向が内外経済に与える影響等には留意する必要があるとされております。

 一方、本県経済におきましては、個人消費はおおむね横ばいといった状況でありますが、生産動向や住宅投資が高い水準で推移し、これらを背景として雇用情勢は確実に回復しておりまして、全体として「県内景気は、回復傾向が続いている」ものと認識しております。
 しかしながら、こうした状況は業種や企業規模によりバラツキが見られ、特に中小企業は、大手に比べると依然厳しい状況に置かれていることに留意する必要があるものと考えております。

 こうした経済情勢のもとでの予算編成でありますが、国においては、平成19年度予算について、いわゆる「骨太の方針2006」で示された今後5年間の新たな改革に向けた出発点になる重要な予算であると位置づけ、これまでの財政健全化の努力を継続し、引き続き、歳出全般の徹底した見直しを行い、歳出の抑制と予算配分の重点化・効率化を目指すとされております。

 また、地方財政につきましても、「骨太の方針」に沿って、国の歳出の徹底した見直しと歩調を合わせつつ、地方自治体の自助努力を促し、人件費や地方単独事業等の徹底した見直しを行うことなどにより、地方財政計画の歳出規模を抑制することとされています。

 こうした中で、本県の来年度予算編成についてでありますが、県債残高の増加に伴う公債費の増加や多額の退職手当が見込まれる一方で、財源調整的な機能を持つ財政調整基金と県債管理基金を合わせ残高見込みが100億円を切るなど、依然として厳しい財政環境の下での予算編成になるものと認識いたしております。

 加えまして、今まさに、国において、三位一体の改革に続く、歳出・歳入一体改革が進められていく中で、地方財政計画の歳出規模の抑制を通じて地方交付税の削減といったことも議論の俎上に上るなど、地方財政全般を巡る情勢は、予断を許さないものと考えており、年末に向けての動向を注視してまいりたいと存じます。

 このような財政状況を踏まえた上で、私は、来年度の予算編成に当たり、“もったいない”を活かす滋賀県政、を基本方針に据えまして、県民本位の立場に立って、厳選した投資を行いながら、魅力ある地域づくりに取り組んでまいりたいと考えています。

 予算編成の前提となる収支を試算いたしますと、平成19年度においては、約560億円に上る財源不足が見込まれますことから、現行の「財政危機回避のための改革プログラム」に沿って、その最終年度の取り組みを着実に実行し、全庁挙げてこの財源不足を縮減するため、引き続き緊縮型を基調に編成し、収支の均衡を図ることといたします。また、これと合わせて、将来の世代に大きな負担を及ぼすことのないよう、県債残高を極力増やさないように取り組んでまいりたいと考えております。

 一方で、私が提示したマニフェストの内容につきましては、実現方策等を十分検討の上で県の施策とし、“もったいない”を活かす「次世代育成型」の県政に優先的に取り組むとともに、「滋賀県中期計画」の「10の戦略」等の重点的な推進を図ってまいります。

 県民の皆さんの税金を預かるわれわれ職員一人ひとりが、厳しい財政状況や、県の果たすべき役割、本県の将来のあるべき姿などをしっかりと見定めながら、地方自治法に謳われている「最少の経費で最大の効果」を挙げることができるよう、精一杯取り組んでまいります。

 次に、東海道新幹線新駅問題について、現状と今後の見通しについて申し上げます。

 7月の知事選において、県民の皆さんの意思が示されたように、建設コストが高く、必要性の低い新駅について、県民の税金を投入することのないよう、凍結の方針を掲げ、新駅問題の解決に向けて取り組んでいるところでございます。解決に当たっては、これまで東海道新幹線(仮称)南びわ湖駅設置促進協議会の正副会長会議など、関係の皆さんと対話を重ねてまいりました。

 去る10月28日および31日の2回にわたり正副会長会議が開催され、議論をしていく間の時間的猶予を得るため、また、県民の負担を少しでも少なくするため、10月末の支払いを止めることで工事が少しでも進まないようにと考え、関係者合意のもとに支払いを留保することとしたものでございます。

 その後、JR東海から、10月期工事費の支払いの猶予について提案があり、現在、県、栗東市および関係市間で協議中でございます。

 また、10月の正副会長会議では、それぞれの立場の方々が虚心坦懐に「凍結を含む幅広い議論を進める場」であることを再確認した上で、今後精力的に会合を重ね、遅くとも来年3月末までには結論を出すことも合意されました。
 遅くとも3月末までとなっていますのは、最終的に議会の議決をいただく3月を念頭においてのことですが、予算案の提出等の手続きを考えますと、できるだけ早く一定の方向を出す必要があると考えております。
 こうしたことから、すでに公表しておりますが、県は新幹線新駅の需要予測および経済波及効果の再検証を実施し、正副会長会議にもすでに判断材料の1つとして提示したところでございます。

 さらに、先月、11月28日に開催された正副会長会議におきましては、凍結や推進に係る法的責任、経済的損失、財政的負担等について課題があることを認識するとともに、今後さらに具体的、精力的に検討、議論していくことを確認したところでございます。

 この中で、新駅を凍結した場合に生じることが予想されます経済的損失と県の責任の範囲についての考え方や、額の試算を説明させていただいたところです。
 この試算は、新駅設置事業のこれまでの経過を踏まえ、新駅の基本協定が締結された平成14年度以降の支出経費を県の責任の範囲の基本としながら、それ以前の新駅事業や栗東市が施行される区画整理事業への県の関わり方についてさらに精査する必要がありますことから、約10億円から数十億円という幅を持たせた形で、損害賠償額の試算ではなく、現時点で想定される県の責任範囲としてお示ししたものであります。

 現行の約240億円を必要とする新駅設置計画を推進するには、県の財政状況や栗東市の資金計画に加え、需要予測・経済波及効果が当初見込みに対し大幅に減少したことなど様々な課題がございます。こうした課題がクリアされない限り、県政をあずかる知事としては、これほど多額の県民の税金を入れる訳にはいかないと考えております。

 今後の正副会長会議において、そうした課題を十分議論するとともに、県議会とも協議を重ね、凍結に向けて合意が得られるよう努力してまいる所存でございます。

 今、県政に求められる少子化対策や県債残高の縮減など、優先度の高い緊急の課題に税金をふりむけることが、この7月の知事選挙で示された県民の皆さんの願いであり、その原点に立ち戻り、新幹線問題に対処していく覚悟でございます。

 次に、子育て支援のための環境づくりについて申し上げます。

 今日、少子化の進行や教育・保育ニーズの多様化に伴い、必ずしもこれまでの幼稚園や保育所などの取組だけでは対応できない状況が顕在化してきております。
 このため、去る10月1日に「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」が施行され、幼稚園や保育所などのうち、就学前の子どもに幼児教育と保育を提供する機能と、あわせて地域における子育て支援を行う機能の両方を備える施設について、知事が「認定こども園」として認定する仕組みを設けることとされたところです。

 この認定こども園は、親の就労の有無に関わらず施設利用が可能になることや、幼保一体化により、適切な規模の子ども集団を保ち、子どもの育ちの場を確保できること、さらには、地域における子育て支援事業によって子育て家庭に対する支援が一層充実するなど、より保護者や地域のニーズに合った子育て支援制度とすることができ、今まで以上に子どもをしっかりと産み育てられる社会的な環境づくりにつながるものと期待しております。

 認定こども園の認定基準は、保育所または幼稚園の制度における職員配置や施設設備などを基本にした国の基準を参考に県の条例で定めることになっております。
 今議会で提案いたしております条例案では、地方裁量型の認定こども園につきましては、食育を重視する考え方などから、満3歳以上の子どもについても、食事の提供は自園調理で行わなければならないこととしたほか、保護者等の苦情や様々な意見を受け付け、対処する体制を整備することなど、本県独自の規定を盛り込んだ認定基準とさせていただきました。

 この基準の制定によりまして、認定こども園の設置が促進され、適切な運営を通じて、保護者や地域の皆さんの多様な教育・保育ニーズに応える次世代育成型の社会につながるよう、市町と連携を図りながら取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、県から市町への権限移譲について申し上げます。

 分権型社会におきましては、地方自治の充実という観点から、住民の自主性を尊重し、地域の課題に適切に対処できるよう、現場主義に基づいた参加と提案の地方自治の方式を生み出していくことが重要であると考えております。
 そのため、地域の課題解決に当たっては、住民の意思を最も反映させやすい市町が優先的に行い、市町でできないことを県で、さらに県でも行うことが適当でないことを国が行うという「近接および補完の原則」を踏まえて、できるだけ現場に近いところで対処していくことが必要となってまいります。

 本県では、本格的な地方分権がスタートした平成12年より、県から市町への権限移譲を順次進めてまいりました。現在、37法令442項目の知事許認可事務を市町において担っていただいております。
 一方、市町村合併の進展に伴いまして、市町の行政能力の一層の向上が期待されるとともに、基礎自治体である市町優先のもとに一層地方分権を進める必要があることから、県と市町が対等協力関係のもとに、「滋賀県・市町パートナーシップのあり方検討協議会」を共同設置し、県から市町への権限移譲について協議を重ねてまいりました。

 この結果、本年2月には、平成22年度までに、74事務901項目の事務を移譲しようとする「さらなる権限移譲基本計画」を策定するとともに、この計画に沿って、平成19年4月から、新たに38事務248項目の事務を移譲することについて協議が整いましたことから、今議会に権限移譲の条例案を提案させていただくことといたしました。

 現在、市町においては行政改革に積極的に取り組まれるとともに、専門化、多様化する住民サービスへの対応にも日々ご努力いただいている中で、今般、県から市町への権限移譲についてまとめることができましたのは、本県市町の地方分権への高い意識の表れであり、自らがまちづくりを行うという自治に対する強い思いから来るものと敬意を表するものでございます。

 県としましては、権限移譲に伴って住民サービスの向上や行政の効率化に向けて、市町が自らの責任と権限において事務を適正に担っていただけるよう、今後とも、必要な支援、助言等に一層努めてまいりたいと考えております。

 それでは、今議会に提出しております案件の概要について、ご説明いたします。

 まず、条例案件でございますが、議第152号は、先ほど申し上げましたように、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律に規定いたします認定こども園の認定基準等について、必要な事項を定めるため、条例を制定しようとするものでございます。
 議第153号は、「さらなる権限移譲基本計画」に基づきまして、各市町の状況に応じて知事の権限に属する事務を移譲することに伴い、条例の全部を改正しようとするものでございます。
 議第154号は、障害のある児童生徒等一人ひとりの教育的ニーズに応じた教育的支援を行うため、学校教育法等の一部を改正する法律が制定されましたことから、関係条例の整理を行おうとするものでございます。
 議第155号は、高等学校の全日制課程における社会人聴講生聴講料および工業標準化法に基づき登録を受けた試験方法によります定量分析手数料を追加するため、必要な改正を行おうとするものでございます。
 議第156号は、工業技術総合センターの試験研究機器を企業等に開放するため、必要な改正を行おうとするものでございます。
 議第157号は、国民健康保険法の一部改正に伴いまして、国民健康保険調整交付金の算定に際して勘案する保険給付の種類が改正されましたことから、必要な改正を行おうとするものでございます。
 議第158号は、比叡山自然教室および鈴鹿自然教室を廃止するため、必要な改正を行おうとするものでございます。
 議第159号は、議第153号同様、「さらなる権限移譲基本計画」に基づきまして、教育委員会の権限に属する事務を移譲することに伴い、必要な改正を行おうとするものでございます。

 次に、その他の案件でございますが、議第160号および161号は契約の締結について、議第162号は財産の譲渡について、議第163号および164号は財産の処分について、議第165号は損害賠償の額を定めることについて、議第166号は県道の路線の認定について、議第167号は県道の路線の廃止について、議第168号は平成18年度に発売する宝くじの発売総額の変更について、議第169号は平成19年度に発売する宝くじの総額について、それぞれ議決を求めようとするものでございます。

 以上、何とぞよろしくご審議いただきますよう、お願い申し上げます。

平成18年12月県議会定例会 知事提案説明(12月6日追加)

平成18年12月県議会定例会 知事提案説明(12月6日追加)

 ただいま提出いたしました議案につきまして、ご説明申し上げます。

 議第170号は、職員の退職手当制度につきまして、在職期間中の貢献度をより的確に反映できる制度とするため、退職前の職責を反映した調整額の創設や中期勤続者の支給率の改定等の改正を行おうとするものでございます。

 以上、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。

平成18年12月県議会定例会 知事提案説明(12月21日追加)

平成18年12月県議会定例会 知事提案説明(12月21日追加)

 ただいま提出いたしました議案につきまして、ご説明申し上げます。

 議第171号から173号までは、いずれも滋賀県収用委員会委員の任命に関するものでございまして、田村ひさ子さん、中川幸雄さんおよび吉岡征一さんを任命することについて、議第174号は、滋賀県収用委員会予備委員に、中 睦さんを任命することについて、それぞれ同意を得ようとするものでございます。

 以上、何とぞよろしくお願い申し上げます。
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