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議会だより

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議会だより 音声版

第11号(平成12年9月定例会) 平成12年11月5日発行

9月定例会の概要

 補正予算を可決!

 滋賀県議会は、9月定例会を9月19日から10月4日までの16日間の会期で開きました。
 今回の定例会には、「平成12年度滋賀県一般会計補正予算(第2号)」をはじめとする知事提出議案36件と、議員提出議案1件の合計37議案が提出され、審査を行った結果、決算特別委員会を設置し、閉会中に審査されることとなった「平成11年度滋賀県一般会計および各特別会計歳入歳出決算の認定を求めることについて」ほか3件の決算認定議案を除いて、いずれも原案のとおり可決または同意しました。
 また、本会議における代表質問、一般質問および討論には、延べ25人の議員が登壇し、県政全般にわたって論議を行いました。
 さらに、各委員会においては、付託された各議案ならびに請願、陳情、その他所管事項について審査および調査を行いました。

9月定例会の主な質問と答弁の要旨(代表・一般質問から)

く ら し

○介護保険制度
問: 寝たきりなど自宅で生活を維持することが困難な高齢者については、今後とも施設介護が重要な役割を果たすものと考えるが、現在、空き待ちの状態とも言われており、速やかな施設整備が必要と考えるがどうか。
答: 介護保険施設の整備については、県において、高齢者の多様なニーズに合わせた施設の整備を図るため、平成16年度を目標とした「淡海ゴールドプラン2000」を策定したところです。まずは、この計画を着実に推進することが、介護保険の円滑な運営にとって最も重要であると考えており、計画を進めるに当たっては、介護保険施設のそれぞれの機能に応じた適正な利用が図られるよう配慮しながら、市町村の意向を十分反映した、計画的な整備を進めていきたいと考えています。

○男女共同参画社会
問: 県民全体として性別役割分担意識や因習をなくして暮らせるようにする手立てについて伺う。また、男女混合名簿の実施率を、最終的には100%を目標にすべきだが、目標達成年度を何年後に設定しているのか。さらに、県の審議会等への女性の登用について、30%達成の目標年次はどうするのか。
答: 性別役割分担意識解消の手立てについては、特に、幼少期からの男女共同参画意識に基づいた実践的態度を育むため、小・中・高校生用副読本を作成し、各学校での活用を進めています。また、男女混合名簿の導入については、「パートナーしが2010プラン」では平成22年度を最終目標としていますが、目標年度にこだわらず、できるだけ早く達成するよう努めていきたいと考えています。さらに政策等の立案や決定への女性の参画については、平成22年度までに審議会等への登用率を30%以上とする目標を掲げており、まずは、これが速やかに実現できるよう最大限の努力をしていきたいと考えています。

○少子化対策
問: 平成11年人口動態統計の合計特殊出生率は、全国平均1.34人、滋賀1.49人と過去最低を更新し、少子化に歯止めがかからない状況にあるが、この状況に対応していくため、淡海エンゼルプランの見直しとその強力な推進について伺う。また、保育体制の拡充や子育てに対する負担軽減と支援の充実についてはどうか。
答: プランの見直しについては、来年度が計画期間の中間年に当たることに加え、国において新エンゼルプランが策定されたことも踏まえ、後半における取組みに当たって、現場の実態を把握するとともに、提言などもいただき、さらに、本年度中に「滋賀の未来と少子化を考える県民会議」を設置し、幅広く意見を聞くことができるような運営を図り、検討を加えていきたいと考えています。また、保育対策については、引き続き重要な柱として取組みを考え、待機児童の解消や延長保育の拡大など、利用者の多様なニーズに対応した保育サービスの一層の推進が図られるよう支援に努めていきたいと考えています。

 【用語解説:「合計特殊出生率」とは、一人の女性が一生に平均して何人の子どもを産むかという推計のことをいい、人口を維持するのに必要な水準2.08を割ると人口は減少するとされています。】

産 業

○コメの生産調整
問: 例年出される転作面積のガイドラインは、いつ頃、どの程度の数字になるのか。また、在庫米処理のための青刈りやホールクロップサイレージに取り組んだ事例があったのか。この施策は本県農業に定着するのか。さらに、麦・大豆・飼料作物を本格生産するための方策については。
答: 13年度の生産調整については、9月末を目途に検討されているところで、早期提示を国へ強く要望しており、できるだけ早く市町村へお示しし、協力を賜りたいと考えています。飼料用とするための青刈りやホールクロップサイレージについては、9月になって新たに実施されることになったものであり、本県での事例はありませんでしたが、転作作物として着目しており、栽培実証を行い、定着するよう努めていきたいと考えています。また、本年度より「売れる麦・大豆づくり推進方策」を定め、県域や地域単位で推進対策会議を設置、指導に努めているところです。

 【用語解説「ホールクロップサイレージ」とは、イネを、家畜牛向け飼料として茎葉実のすべてを、穂が出て実が熟するまでの間に収穫し、発酵・貯蔵したものをいいます。】

○新しい湖国農林水産プランの策定
問: 現在取り組まれている新しい農林水産プランの骨格を形成する基本的な考え方、新プランで考えている本県の中山間地域を取り巻く農山村対策、新プランが目指す本県の経営体像について伺う。
答: びわ湖をはじめとする自然と生産活動との共存、滋賀の特性を活かした農林水産業の創造、食と農がつなぐ生産者と消費者のきずな、生産者のための活気あふれるふるさとづくり、以上四つの基本理念の下に、魅力あるしがの農林水産業を目指しており、また、中山間地域等直接支払制度と併せ、中山間地域の活性化が図れるよう位置付け、地域の実態に応じ、家族経営や法人からなる農業経営体、集落を基本とした集落経営体、農協等が主体となる地域農業サポート事業体の3つが相互に補完、連携することにより安定的な担い手の構造を確立していきたいと考えています。

環 境

○栗東町硫化水素ガス発生問題

問: 県が去る8月29日に栗東町の産業廃棄物処分場で行った掘削調査の結果が、先日の硫化水素調査委員会で検討され、対応策が提言されたと聞くが、その内容と実態解明に向けた今後の県の取組み姿勢について伺う。
答: 先日の調査委員会では、掘削調査の結果、有機物の存在は確認できたが、特定までには至らなかったこと。また、今後の対策として、遊離性の酸化鉄を多く含む資材を層状に敷く等の提言がなされたところです。県としては、この提言を踏まえた上で、引き続き調査委員会の指導も得ながら、硫化水素対策を講じるとともに、高濃度の硫化水素が発生した場所についても、安全が確認され次第、早期に掘削調査を実施するなど、住民の皆さんの不安解消のため、実態の解明に取り組んでいきたいと考えています。

○渇水対策

問: この夏の渇水対策として、6年ぶりに琵琶湖・淀川水系において取水制限が実施されたが、県は中下流府県等に対して、どのような方針で臨んだのか。また県内における実施状況ならびに県民生活等への影響について伺う。
答: 本県としては、びわ湖の利用低水位であるマイナス1.5mにいたらしめないよう、関係者により最大限の努力が行われるべきであり、このことが、ひいては、上下流1400万人共通の利益になるとのスタンスに立って、適切な時期における取水制限を要望したところです。また、県内ではほぼ2日間の取水制限でしたが、幸い、上水道、工業用水、農業用水とも、実施によって給水に支障が出るというような県民生活、企業活動等への直接の影響はありませんでした。

教 育

○教科書問題
問: 現在使用されている歴史教科書の記述についての感想は。また、21世紀を明日にして正しい歴史教育を取り戻すことは、より心豊かな、ささやかであっても実りあるくらしを実現することにつながり、それが真の民主主義ではないか。
答: 歴史教科書の記述については、現在使用されている歴史教科書についても、学習指導要領にあったものかどうか、教科用図書検定調査審議会が専門的判断に基づき審査し、文部大臣が決定したもので、各社の教科書には、記述に差異はあるものの、いずれも学習指導要領にそって作成されたものと理解しています。また、子供達に豊かな人間性と社会性、国際社会に生きる日本人としての自覚を育成するには、我が国の郷土や伝統・文化に対する理解を深め、これらを愛する心を培うことであると思っています。

安 全

○日米共同訓練
問: 防衛施設庁は、今秋11月上旬から約2週間の予定で饗庭野演習場で、米陸軍との実働訓練を実施すると発表したが、県民の安全・安心を確保することが何よりも肝心だと思うがどうか。また、演習期間中、県民からの情報や苦情の受付窓口を置くなど、県はどんな役割を果たすのか。
答: これまでも県民の安全や地域住民の方々の日常生活に支障をきたすことのないよう、国に対し、地元町村の意向を十分踏まえたうえで、万全の配慮を要請してきたところであり、今回も防衛施設局に対し同様の要請をしています。さらに、実施期日等が明らかになった時点で、改めて要請していきたいと考えています。また、苦情等の受付については、防衛施設局の現地連絡事務所で対応されるようであり、県でも、関係機関へ連絡するなど適切に対処していきたいと考えています。

○水上安全対策
問: 湖上における船舶事故が多発しているが、県下6カ所の水上派出所の組織および体制を更に強化する必要性についてどのように考えているのか。また、兵庫県や大阪府では海岸法の適用、水上バイクの登録制などの対策を行っていると聞くが、本県での一層効果的な対策はどうか。
答: 水上警察の体制については、来年以降7、8月の2ヵ月間、6水上派出所を中心に関係警察署員や執行隊員からなる総勢30名程度の水上警察隊を設置することとしています。また、今後は他府県での取り組みも参考にしながら、より効果的な対策のあり方を検討するとともに、水上安全条例の活用や水上オートバイ安全講習の充実を図るなど、安全で快適なびわ湖の実現に取り組んでいきたいと考えています。

プロジェクト

○びわこ空港
問: 蒲生町長から綺田区の環境アセスメントに対する報告を受けて、県として「総合的な判断をする」としているが、総合的判断とは、何をどのように判断しようとしているのか。また、どのような時期にするのか。
答: 「総合的判断」については、現在、綺田区において改めて議論を重ねていただいている最中でありますので、その結果を想定した答えは差し控えさせていただきますが、本県の将来を考えた場合、空港は是非とも整備しなければならない広域高速交通基盤であり、空港を取り巻く諸事情などを総合的に勘案し、県議会とも十分協議しながら適切に判断していきたいと考えています。なお、判断の時期については、できるだけ早くしたいと考えています。

行 政

○情報公開制度
問: 今議会に情報公開条例案が提案されたところだが、県として、どのような認識でもって運用していこうとしているのか。また、条例案の目的において、「県民との協働による県政の発展に寄与すること」とあるが、あえて協働という言葉を加えた意味について真意を伺う。
答: 新しい条例の運用にあたっては、保有している情報は県民の皆さんの共有財産であるということを基本とし、説明責任を十分果たすとともに、多様な方法による情報の提供施策の充実にも努めていきたいと考えています。また、目的規定については、これまでの「県民の県政参加の促進」等の考え方を一歩進め、情報公開の一層の推進を目指すため、協働という考え方を取り入れたものです。

○市町村合併
問: 本県では、年内に市町村合併推進要綱を策定しようとしているが、どのような基本姿勢で臨むのか。また、推進要綱に盛り込まれる合併パターンの提案にあたっての基本的な考え方を伺う。
答: 要綱策定にあたっては、市町村関係者等が地域の将来について議論し、選択、判断していただくため、合併パターンを示し、地域の将来像やそれに至る課題を盛り込むなど様々な情報を提供していきたいと考えています。また、合併パターン案の提案にあたっては、市町村の行財政基盤の充実が図られ、自立した地方自治体となるとともに県全体として均衡ある発展を期待できるパターンとすること等を基本に、市町村長など関係者の考えの反映にも努めていきたいと考えています。

○県の財政運営
問: 財政構造改革の指針に基づき、平成10年度から12年度までの集中改革期間に取り組んできた結果および成果、ならびに当面の財政運営について伺う。
答: 集中改革期間の取組み結果および成果については、歳出総額、県債の新規発行額が当初予算ベースで3年連続マイナスとなり、地方債依存度も平成11年度以降2年連続して一桁台となるなど、概ね財政構造改革の指針に沿った取り組みができ、一定の成果が得られたものと考えています。また、当面の運営については、本県財政は今後も引き続き厳しい状況が続くものと認識しており、本県固有の課題や県民ニーズを十分踏まえた上で、この度取りまとめた「当面の財政運営方針」に基づき、財政の健全化・弾力化の回復に努めていきたいと考えています。

○公共事業の見直し
問: 公共事業は、見直すべきは見直し、進めるべきものは早期の完成を目指すのが、基本と考えるが、本県で進めている諸事業について、どのような考え方で今後対応していくのか。また、見直しや中断、凍結すべき事業については、どのような基準で判断しているのか。
答: 今後の公共事業の進め方については、引き続き事業の重点化、コスト縮減対策等に取組み、より一層、効率的、効果的な事業執行に努めていきたいと考えており、事業効果の早期発現の視点から、可能な限り完成の目標年度を明らかにし、計画的な事業執行を図り、早期の完成目指して取組んでいきたいと考えています。また、平成10年度から公共事業の再評価を実施しており、その要件としては「事業採択後5年間を経過した時点で未着工」や「事業採択後10年間を経過した時点で継続中」の事業、「社会経済情勢の急激な変化等により再評価の必要性を生じた事業」等を対象に、「事業の進捗状況」「社会経済情勢等の変化」「費用対効果分析」「コスト縮減」等の視点毎に、事業種類別に定めた細目要領に基づき検討し、これらを総合的に勘案して事業の継続や中止等を判断しています。

議会トピックス

●滋賀県情報公開条例案を可決

 今期定例会において、「滋賀県情報公開条例」が可決成立しました。
 この条例は、本格的な地方分権の時代を迎え、現行の滋賀県公文書の公開等に関する条例を、より時代に即した制度とするため、国の情報公開法の制定も踏えて、全部改正されたものです。
 その概要は、条例制定の理念を前文に置くとともに、目的規定に知る権利の尊重と県の説明責任を明記。
 また、実施機関に公安委員会・警察本部長を加え、請求の対象とする公文書の範囲を拡げるなど、公開請求制度の一層の充実を図ることとしています。
 さらに、情報公開の不服申し立て事案を調査審議する審査会委員に県民からの公募委員を加えることとしたほか、政策形成に県民の意見を反映するパブリック・コメントの機会を保障することを盛り込むなど、総合的な情報公開の推進を図ることとしています。
 当該条例の実施機関であります本県議会でも、さらに開かれた議会を目指して、今後とも情報公開に取り組んでまいります。

その他 決算特別委員会を設置/常任委員会の活動

○決算特別委員会を設置

 9月28日の本会議において、平成11年度一般会計および各特別会計歳入歳出決算等の決算認定議案を集中的に審査するために、「決算特別委員会」が設置されました。
 決算審査は、9月定例会後の閉会中に行われました。
 委員に選任された議員は、次のとおりです。

委 員 長  滝 一郎
副委員長  三浦 治雄
委  員  三宅 忠義 上田 彰 家森 茂樹 徳永 久志 田島 一成 出原 逸三 藤崎ヨシヲ 浦田 一郎 沢田 享子 吉田 清一 赤堀 義次 宇野 治 脇坂 武

○常任委員会の活動

 県の事業は、広範多岐にわたっており、県議会が審議し、決定する事項も膨大なものになっています。このため、本会議に提案された議案などを分担して、専門的、能率的に審査する機関として、常任委員会等が設けられています。
 本県には、総務企業、企画県民土木、琵琶湖環境農政水産、健康福祉商工労働、文教警察の5つの常任委員会があり、県議会の開会中にあっては、予算や条例等の議案の審議、請願の審査などを行っています。
 また、閉会中に継続して審査を要する事項については、委員会を開いて、所管する部局から現状や問題点の報告を受けるとともに、現地調査等を行い、より良い県行政が展開されるよう調査研究活動を行っています。

●総務企業常任委員会
 本委員会は、総務部、出納局、企業庁、選挙管理委員会、人事委員会および監査委員が所管する事項について審査や調査を行っています。
 今期定例会では、平成12年度一般会計補正予算等7議案および請願1件の審査を行いました。
 また、これまでの活動は、「司学館高等学校に係る補助金返還」問題や平和祈念館(仮称)マスタープランなどについて調査を行ったほか、県立大学、ミシガン州立大学連合日本センターおよび企業庁所管の施設を現地調査し、関係者から状況報告を受けました。

●企画県民土木常任委員会
 本委員会は、企画県民部、土木部および収用委員会の所管する事項について審査や調査を行っています。
 今期定例会では、景気対策や琵琶湖の渇水対策を中心とする平成12年度一般会計補正予算等7議案の審査を行いました。
 また、これまでの活動は湖国21世紀記念事業や原子力防災懇話会提言(案)などについて調査を行ったほか、びわ湖ホールをはじめ、大津管内で実施された「平成12年度滋賀県地震防災総合訓練」や土木部所管の公共事業整備現場などの調査を行い、関係者から状況報告を受けました。

●琵琶湖環境農政水産常任委員会
 本委員会は、琵琶湖環境部および農政水産部の所管する事項について審査や調査を行っています。
 今期定例会では、平成12年度滋賀県一般会計補正予算等7議案の審査を行いました。
 また、これまでの活動は「生きもの総合調査の結果の概要について」や「県内の酪農について」などを調査したほか、5月には、朽木いきものふれあいの里、8月には集落営農に取り組み、また、生産された米をパウダー状にしてパンを作り、直売している八日市市の糠塚町生産組合を昨年に引き続き現地調査し、説明を受けました。

●健康福祉商工労働常任委員会
 本委員会は、健康福祉部、商工労働部および地方労働委員会の所管する事項について審査や調査を行っています。
 今期定例会では、滋賀県大規模小売店舗立地審議会条例等6議案の審査を行いました。
 また、これまでの活動は、本年4月からスタートした介護保険制度に関する諸問題や障害者支援対策、長引く不況の中での雇用対策や新産業支援対策などについて調査を行ったほか、高齢者や障害者の福祉関連施設、がんばっている商店街、元気ある企業等の現地調査を実施し、関係者から説明を受けました。

●文教警察常任委員会
 本委員会は、教育委員会および警察本部の所管する事項について審査や調査を行っています。
 今期定例会では、文化財の保存と活用や防犯対策を中心とする平成12年度一般会計補正予算及び請願1件の審査を行いました。 また、これまでの活動は、高卒者の就職対策や交通事故防止対策などについて調査を行ったほか6月に教員の研修を総合的に実施している県総合教育センターをはじめ、県指定文化財の本願寺八幡別院や琵琶湖の水上安全対策について現地調査を実施し、関係者から説明を受けました。

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