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議会だより

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議会だより 音声版

第7号(平成11年9月定例会) 平成11年11月7日発行

9月定例会の概要

〜緊急雇用対策予算を可決!〜

 滋賀県議会は、9月定例会を9月20日から10月7日までの18日間の会期で開きました。
 今回の定例会には、緊急雇用対策を含む「平成11年度滋賀県一般会計補正予算(第1号)」をはじめとする知事提出議案19件と、議員提出議案4件の合計23議案が上程され、審査を行った結果、決算特別委員会を設置し、閉会中に審査されることとなった「平成10年度一般会計および各特別会計歳入歳出決算の認定を求めることについて」ほか3件の決算認定議案および「政治家個人の資金管理団体への企業・団体献金の2000年からの禁止を求める意見書案」を除いて、いずれも原案のとおり可決しました。
 また、本会議における代表質問、一般質問、および討論には、延べ33人の議員が登壇し、県政全般にわたって論議を展開しました。
 さらに、各委員会においては、付託された各議案ならびに請願、陳情、その他所管事項について審査および調査を行いました。

9月定例会の主な質問と答弁の要旨(代表・一般質問から)

びわこ空港
Q 空港候補地選定以来、11年が経過しようとしているが未だ地元関係集落全体の同意が得られていない現状である。この難局を打開するためには、地元に対する方針の変更も考える時期が到来していると思うが、県は現在の地元状況をどのように認識し、今後、どのような姿勢で取り組んでいくのか。
A 一貫して話し合いによる解決を基本に地元折衝を進めてきましたが、ほとんどの集落から理解が得られているものの、あと2集落で理解が得られていない状況にあり、「既に空港反対を集落の意思として決定しており、改めて話し合う必要はない」あるいは「話し合いの結果、凍結または白紙撤回もあり得るとの行政側の姿勢に基づく話し合いでなければ、話し合う必要はない」との意向が示されている現状からして、徹底した話し合いを尽くしたというところまでには至っていないと認識しています。今後は、これまでの行政姿勢を一歩進め、地元両町とも一体になり、行政と集落とが空港の整備や地域づくりについて対等の立場で徹底して話し合い、原点に立って双方が真摯な議論を尽くしたうえで、その結論はお互いに尊重するという姿勢のもと、今後の折衝を進めていきたいと考えています。

くらし
●バリアーフリー
Q 高齢者や障害者が安心して社会参加ができる環境整備は最重要の課題であるが、鉄道駅舎のエレベーターやエスカレーター等の設置について、県はどのように考えているのか。また、自転車や歩行が高齢者の重要な移動手段となっているが、自転車・歩行者専用道路の段差をフラットな構造にできないものか。
A 現在、県下の鉄道駅舎のエスカレーター、エレベーター等の整備が不十分な状況にあることを踏まえ、県としては、関係市町との協議が整い次第、鉄道事業者との整備協議を順次進めていきたいと考えています。
 また、自転車・歩行者専用道については、新設に際しては、歩道面と車道面が同一の高さであるフラット型を基本に整備を進めており、既設のものは今後、できる限り解消に努めたいと考えています。

●少子化対策
Q 少子化時代が到来し、女性の合計特殊出生率の低下が問題視されているが、問題解決の重要な決め手は、男女共同参画社会の実現にある。
 今議会に国の「少子化対策臨時特例交付金」に関連する補正予算が上程されているが、少子化対策についての今後の取り組みを問う。
A 国の交付金は、少子化対策のいわば呼び水として、地方公共団体の効果的な創意工夫ある幅広い取り組みに対し交付されるもので、保育所の整備に要する事業や子育て環境づくりのための事業が各市町村で計画されており、地域の実情に応じた少子化対策が一層促進されるものと期待しています。
 県では、「少子化問題を考える集い」などの開催や、積極的な啓発に取り組み、社会全体で子育て支援していくという県民意識が高まるよう努めていきたいと考えています。

●緊急雇用対策
Q 国の緊急雇用対策として、地方公共団体における臨時応急の雇用・就業機会の創出を図る目的で緊急地域雇用特別交付金事業が補正予算に盛り込まれたが、県内の雇用失業情勢を踏まえ、県では、この事業に対し、どのように取り組んでいくのか。
A 9月補正予算に計上した事業は、雇用創出効果、緊急性、後年度負担にも留意し、滋賀県らしさも意識しながら取りまとめたもので、ISO14001の取得支援、介護保険サービス利用者支援システムの開発、観光全国キャンペーンに向けたPR事業など、環境、健康・福祉、観光といった本県が重点として取り組んでいる産業分野を取り上げており、3千人程度の雇用創出を目指したいと考えています。
 また、今回、中高年離職者や学卒未就職者の雇用につなげていくことを念頭に事業選定を進めてきたところであり、実施にあたっては、受託業者にこうした主旨を十分説明するとともに、各ハローワークにも、必要の差し迫った緊要度の高い人に配慮するよう指導したいと考えています。

介護保険制度
●介護サービスと人材の確保
Q この10月から各市町村において要介護認定業務が一斉にスタートする。市町村の見込みでは、ほとんどの介護サービスが希望者に追いつかない状況であるとの調査結果があるが、今後どのように指導していくのか。
 また、ケアプランの作成に欠かすことのできない介護支援専門員の確保状況について尋ねる。
A 今後、市町村において検討されるサービス見込み量の供給確保などについては、保険料との関わりも視野に入れながら圏域内での調整を進め、住民の期待に応えられる計画づくりの支援、ホームヘルパーの養成確保、民間事業者の参入促進などを推進することにより、介護サービス基盤整備に努めていきたいと考えています。
 介護支援専門員の確保については、7月に実施した試験で全ての市町村で合格者が得られたところであり、市町村に対し、居宅介護支援事業所の指定状況や介護支援専門員の人材情報を提供し、積極的な支援を行っているところです。また、必要に応じ、介護支援専門員の事業活動の広域的な対応についても調整を図っていきたいと考えています。

●介護保険事業支援計画の策定と対象外者への対応
Q 県は、介護保険制度の円滑な実施に向けて、市町村の抱えている問題をしっかりと受け止め、県の介護保険事業支援計画づくりをどのように進めるのか。
 また、介護認定の対象外となられた高齢者への対応や県単独事業の取り扱いについてどう考えているのか。
A 県の介護保険事業支援計画は、市町村での計画をもとに施設整備をはじめとする各種サービスの見込み量や、人材の確保、資質の向上を図るための取り組みを定めることとなっており、策定にあたっては、市町村との調整を図りながら、関係団体等の意見もいただいて進めていきたいと考えています。
 また、現在、高齢者対策の一環として実施している県の単独事業の取り扱いや、いわゆる認定の対象とならない高齢者に対する対応については、一定の支援も必要なものがあると考えており、今後、国の予算の動向も見極めながら、遅くとも年内には、県の方針を明らかにしたいと考えています。

環 境
●廃棄物対策
Q ゴミの処分先行型から資源化を目指す「資源循環型」社会へのシステム転換は、当議会でも活発に議論されているが、飲料容器のデポジット制度を滋賀県独自に取り組めないか。
 また、県では、「環境総合計画」において、2010年のゴミ排出量を2分の1とすることを目標にしているが、この計画の実効性と施策の方向について尋ねる。
A デポジット制度については、一部の県立高校や市町村施設等において既に導入されており、かなりの回収率を挙げている例もあると聞いており、こうした例を踏まえ、他の県有施設での実施についてさらに検討していきたいと考えています。
 廃棄物減量化の基本的な方向性は、産業や暮らしの体質を環境配慮型に転換すること、発生した廃棄物について再利用・リサイクルを徹底すること、資源循環の流れをつくる新しい処理システムの整備を推進すること等の方策を進めていくこととしております。
 また、一般廃棄物の2分の1の減量化の目標の達成については、今後、廃棄物適正管理協議会等で、この目標達成に向けた有効な方策のあり方について検討を行い、この計画が実効性のあるものと出来るよう市町村との連携のもとに積極的に取り組む考えであります。

●琵琶湖の総合保全
Q 我が県では、伝統的に水政問題イコール県政であり、琵琶湖を切り離しての県政は考えられないが、琵琶湖の保全についてどう考えているのか。
 また、先に6省庁がまとめた「琵琶湖の総合的な保全のための計画調査報告書」の中で、「内湖機能等の再生」が、具体的施策として盛り込まれているが、その取り組みについて尋ねる。
A 琵琶湖の保全については、本県のみならず、国家的なプロジェクトとして取り組むべきものであり、こうした取り組みを通じて、湖沼保全のモデルを造り、国内外の湖沼の保全に貢献したいと考えています。
 また、内湖の再生には、国の理解と協力が不可欠であり、まずは、国に対して湖辺域の環境保全のためのマスタープラン策定や、各種事業実施を要望し、県においても、様々な調査検討を重ねながら、その実現に向けて取り組んでいきたいと考えています。

●大気保全
Q 昨年9月県議会において、アイドリングストップ条例を制定、併せて今後、地球環境の総合的な保全にかかる条例制定に向け取り組むこととする付帯決議を行ったところであり、この決議に基づき、県では、大気汚染に関する条例のあり方について、滋賀県環境審議会に諮問し、今般、答申が取りまとめられたと聞いているが、答申を受けて、どのような枠組みの条例を制定しようと考えているのか。
A 条例の枠組みについては、地球温暖化防止対策、オゾン層保護対策、有害大気汚染物質対策およびばい煙などの規制を柱にアイドリングストップ条例を取り込んだ条例としたいと考えています。
 今後は、答申を踏まえたうえで、県議会や県民、事業者の皆さんに広く意見を求め、条例の骨子を早急に取りまとめ、来年2月県議会に条例案を提案したいと考えています。

教 育
●学習障害児の教育
Q 学習障害児に対する教育の在り方は、大きな教育課題であるが、県として、どのように取り組んできたのか。また、今後の取り組みは。
A 県下でも学習障害児と思われる子どもがおられることから、教員研修の実施や言語障害と重複している児童に対しては「言葉の教室」において、ほかの学校から通えるいわゆる通級方式などによる指導を行ってきたところであります。
 今後は、事例研究を取り上げるなど、今まで以上に指導力を養うとともに、保護者と学校の連携を深め、相談窓口の設置や相談システム作りについて、できるだけ早く整備していきたいと考えています。

●学級崩壊
Q 「学級崩壊」といわれる現象は、多種多様に絡み合って発生する要因の一つ一つを根気よく取り除くための対策をすすめることが大切であると考えるが、本県の実態とその取り組みについて尋ねる。
A 本県においても、学級崩壊の前兆とも思われる問題行動が起こっており、予断を許さない状況にあります。そのため、魅力ある学級づくり、指導体制の確立、校内組織の活用が大切だと考えており、生徒指導教員の加配、教員の意識改革、特別研修の実施など最大限の努力をしているところです。

産 業
●食料・農業・農村基本法と県農政
Q 「食料・農業・農村基本法」が施行されたが、本県農業振興にどのような影響をもたらすのか。
 また、食料自給率向上にどう対応しようとするのか。
A 国において、今年度中に、「食料・農業・農村基本計画」を策定されると聞いており、その内容を十分見極めていくとともに、本県農業の今後の指針となる新しい農林水産プランを平成12年度を目途に策定し、基本法の理念を踏まえ、本県農業の振興を図っていきたいと考えています。
 また、食糧自給率については、今後とも優良農地を将来にわたって確保していくなかで、近江米の生産をはじめとして、適地適作を基本に、生産活動を維持拡大していくことこそが、生産面から食料自給率を向上させる最も重要なことであると考えています。

行 政
●市町村合併
Q 地方分権一括法が成立し、いよいよ地方自治体の力量が問われることとなるが、これからの時代に県は市町村合併問題に関して、主体性を十分に発揮するべきではないか。
A 市町村合併は、市町村や県民の皆さんが、自主的、主体的に進めるのが基本であり、その際、的確な判断がなされるように積極的な情報の提供や議論の場をつくること等が県の担うべき役割と考えていますので、将来のまちを考える滋賀県懇話会や近く発足します県内6地域での地域懇話会での議論を踏まえ、市町村合併についての基本的な考え方と具体的パターンを取りまとめ、遅くとも平成12年中には、提示したいと考えています。

●公有財産の有効活用
Q 新たな財源確保策として、未使用の県有地の売却に乗り出されることになったが、年度内に売却できる見通しがあるのか。また、貸付や売却が可能な「普通財産」について、その資産額を確定するとともに、今後の利用、活用方策をを問う。
A 未利用地の年度内売却の見通しですが、既に数カ所につき、成約が見込まれそうだとの報告を受けており、一定の成果を得るものと思っております。
 また、普通財産の資産額の確定については、評価、あるいは各種資料からの推計、あるいは取得額や投資額からの推計などいろいろな方法を考えあわせながら考えていきたい。
 さらに、普通財産の利用、活用策については、利用度の低い、特に支障のないものは、貸付を行っているところで、今後とも相談に応じていきたいと考えています。

議会トピックス

●緊急雇用対策の概要

 今期定例会において、緊急雇用創出事業3億4,740万円を含む補正予算が可決成立しました。
 この事業は、国の緊急雇用対策の一環として交付される緊急地域雇用特別交付金(20億5,100万円)により創設する基金をもとに、県および市町村が、今年度から平成13年度まで雇用機会、就業機会の創出を図る臨時応急の事業を実施しようとするもので、3年間で計3千人の雇用を目標にしています。
 今年度実施される事業には、教員に対しコンピューター教育の指導方法の助言や技術面での支援等を行う情報教育アドバイザーの配置や介護保険サービス利用者からの情報を収集し、情報交換するシステム開発など、雇用創出効果があり、緊急に実施する必要性のある21事業が盛り込まれています。
 県内の有効求人倍率が過去最低の水準で推移する厳しい雇用情勢のなか、早期の景気回復と新たな雇用創出が期待されます。

その他 常任委員会の活動/決算特別委員会の設置/会派構成の異動

○常任委員会の活動

 県の事業は、広範多岐にわたっており、県議会が審議し、決定する事項も膨大なものになっています。このため、本会議に提案された議案などを分担して、専門的、能率的に審査する機関として、常任委員会等が設けられています。
 本県には、総務企業、企画県民土木、琵琶湖環境農政水産、健康福祉商工労働、文教警察の5つの常任委員会があり、県議会の開会中にあっては、予算や条例等の議案の審議、請願の審査などを行っています。
 また、閉会中に継続して調査を要する事項については、委員会を開いて、所管する部局から現状や問題点の報告を受けるとともに、現地調査等を行い、より良い県行政が展開されるよう調査研究活動を行っています。

●総務企業常任委員会
 本委員会は、総務部、出納局、企業庁、選挙管理委員会、人事委員会および監査委員が所管する事項について審査や調査を行っています。
 今期定例会では、平成11年度一般会計補正予算等5議案および請願1件の審査を行いました。
 また、これまでの活動は、「(仮称)平和祈念館の基本構想」などについて調査を行ったほか、県立大学の産学共同研究センターをはじめ、改修が進むびわこ競艇場や、まちづくり事業により完成した近江町の施設を現地調査し、関係者から状況報告を受けました。

●企画県民土木常任委員会
 本委員会は、企画県民部、土木部および収用委員会の所管する事項について審査や調査を行っています。
 今期定例会では、国道303号道路改築(改良)工事契約変更議案等5議案および請願2件の審査を行いました。
 また、これまでの活動は「県民の社会貢献活動促進のための基本的な考え方」などについて調査を行ったほか、今年9月に八日市管内で実施された「平成11年度滋賀県地震災害総合訓練」や土木部所管の施設や公共事業整備現場などの調査を行い、関係者から状況報告を受けました。

●琵琶湖環境農政水産常任委員会
 本委員会は、琵琶湖環境部および農政水産部の所管する事項について審査や調査を行っています。
 今期定例会では、平成11年度流域下水道事業特別会計補正予算等4議案の審査を行いました。
 また、これまでの活動は「地球環境保全および大気保全対策のあり方について(答申)」の概要や滋賀県農業共済組合等地域再編整備計画などについて調査したほか、8月には、環境こだわり県として県下3地区に設置している「省農薬省化学肥料」、「無農薬」、「有機栽培」の実証田を八日市で現地調査しました。

●健康福祉商工労働常任委員会
 本委員会は、健康福祉部、商工労働部および地方労働委員会の所管する事項について審査や調査を行っています。
 今期定例会では、滋賀県立長寿社会福祉センターの設置および管理に関する条例等の一部を改正する条例案等4議案の審査を行いました。
 また、これまでの活動は来年から始まる介護保険制度に関する諸課題、昨今の厳しい雇用情勢に対する取り組み、新産業支援対策などについて調査を行ったほか、健康福祉部、商工労働部所管の施設の現地調査を実施し、関係者から説明を受けました。

●文教警察常任委員会
 本委員会は、教育委員会および警察本部の所管する事項について審査や調査を行っています。
 今期定例会では、少子化対策ならびに緊急雇用対策を中心とする平成11年度一般会計補正予算の審査を行いました。
 また、これまでの活動は、高卒者の就職対策や交通事故防止対策などについて調査を行ったほか8月に文化財保護や湖上安全対策について湖北・湖西地域の状況を現地調査し、関係者から説明を受けたのをはじめ、ALT(外国語指導助手)の皆さんと英語教育のあり方について意見交換を行いました。


○決算特別委員会の設置

 9月30日の本会議において、平成10年度一般会計および各特別会計歳入歳出決算等の決算認定議案を集中的に審査するために、「決算特別委員会」が設置されました。決算審査は、9月定例会後の閉会中に行われました。
 委員に選任された議員は、次のとおりです。

委員長   黒田 昭信
副委員長  中川 末治
委 員   佐野 高典、中嶋 武嗣 芥川 正次、清水 克実、青木 愛子、西沢 久夫、高井 八良、桐山ヒサコ、中島  敏、小川 暢保、杼木 捨蔵、冨士谷英正、稲田喜代司


○会派構成の異動

 9月1日付けで、無所属の酒井研一議員が、自由民主党滋賀県議会議員会へ所属異動されました。

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