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決議第5号 新生美術館の整備に関する決議

番号
決議第5号
(平成29年)
議決年月日
平成29年3月21日
結果
可決

本文

 新生美術館は、「神と仏の美」、「近代・現代美術」、「アール・ブリュット」を柱に、滋賀ならではの美の魅力を発信する「美の滋賀」の拠点として平成31年度の開館を目指して整備が進められている。
 しかしながら、設計の過程において、新館の面積が平成25年12月に策定された基本計画で想定された面積から4割近く削減される一方で、単位面積あたりの整備費は想定より大幅に上昇した。
 これに対して、県は、文化財を収蔵・展示するにもかかわらず、ガス消火設備を予定していなかったことから整備費が高くなったとするなど基本計画の杜撰さが明らかになった。設計自体も、当初、トップライトやハイサイドライトにより自然光を採り入れるとしていた展示室を最終的には人工照明とするなど度重なる変更を余儀なくされた。
 さらに、県議会が再三、求めているものの、未だに館長の選任をはじめ人員体制が示されないばかりか、来館者目標30万人を達成する来館者増の具体的な対策や運営方針を提示せずに平成29年度において美術館本体工事が強行される事態に陥っている。
 今もなお、1つの美術館で3つの異なった分野を見せることについて疑問の声がある中で、展示に関する具体的な計画が示されていないことも問題と言わざるを得ない。このため、新生美術館に専門的見地から助言している県顧問を県議会に参考人として招致したが、出席がかなわなかったことは大変遺憾である。また、本年3月14日には、琵琶湖文化館等に文化財を寄託してきた文化財所有者の不安感を払拭してほしいとして、滋賀県文化財保護連盟から新生美術館計画の充実について要望書が知事に提出されている。
 よって、県当局においては、迷走を続けたこれまでの取組を真摯に受け止め、文化財をはじめ収蔵作品を適切に保管・展示し、100年後も県民の誇りとなる美術館を実現するべく今後の整備に当たって、滋賀県議会基本条例第16条の規定により、下記の措置を講じるよう強く求める。

                       記

1 館長や経験を有する文化財担当の学芸員の増員等の人員体制や運営方針を早急に示すこと。
2 公開承認施設として継続されるしっかりとした根拠を明らかにすること。
3 美術館本体工事47億円をはじめ、これまで県議会に示した関連費用を含めた整備費用の総額約69億円の遵守に努めること。
4 現在の近代美術館の約2倍となることを踏まえて、年間5億6,000万円と見込まれている維持管理経費等を縮減すること。
5 費用対効果の面から課題がある情報交流棟については、レストラン等の採算性や情報交流室の必要性について説明責任を果たすこと。
6 来館者の利便性を高める方策をさらに追求すること。

 以上、決議する。

  平成29年3月21日

                                 滋 賀 県 議 会

会議録

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