昭和23年に施行された旧優生保護法(以下「旧法」という。)では、遺伝性疾患や精神疾患を理由に本人の同意がなくても不妊手術を行うことが認められていた。旧法は、平成8年に優生思想に基づく部分が障害者差別に該当するとして、母体保護法に改正されたが、厚生労働省の統計資料等によると、昭和24年から平成8年までの間に、旧法に基づく不妊手術は約25,000件、このうち本人の同意なしに施された不妊手術は約16,500件とされている。
旧法に基づき本人の意思に反して不妊手術が施されたとすれば、人権上問題がある。我が国と同様の不妊手術を行っていたドイツやスウェーデンでは、既に被害者に対する補償等の措置が講じられている。現在、政府は旧法に基づく不妊手術に関する実態調査を行っているが、被害者の高齢化を考慮すると、一刻も早い対応が求められる。
よって、国会および政府におかれては、旧法による不妊手術の被害者を救済するため、早急に的確な措置を講じられるよう強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成30年8月9日
滋賀県議会議長 川 島 隆 二
(宛先)衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、厚生労働大臣