意見書第8号 (令和06年) 若者・子育て世代への経済的支援の強化を求める意見書
我が国の若年人口は、2030年代には急激に減少することが見込まれており、それまでに少子化の傾向を反転できなければ、人口減少を止めることはできず、持続的な経済成長の達成も困難となる。我が国の持てる力を総動員し、少子化対策と経済成長の実現に不退転の決意で取り組む必要がある。
子育て世代が子供を持たない理由としては、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」という経済的理由が最も高くなっており、特に第3子以降を持ちたいという希望の実現の大きな阻害要因となっている。 国は、令和5年12月に、こども基本法に基づくこども大綱およびこども未来戦略を決定し、子育てに係る経済的支援の強化や若い世代の所得向上に向けた取組等を含めたこども・子育て政策の強化を行うとしている。我が国が直面する最大の危機である少子化を食い止めるためには、これらの施策を早急かつ着実に実施していくとともに、さらなる施策の充実を図ることが重要である。
よって、国会および政府におかれては、若者・子育て世代が将来に希望を持ち、安心して子育てができる社会を実現するため、下記事項に取り組まれるよう強く求める。
記
1 若年層を重視した賃上げ、最低賃金の引上げなど、若年層の結婚につながる経済環境づくりを着実に推進すること。
2 国・地方自治体・企業等が連携し、給付型奨学金等の拡充をはじめ、非正規雇用から正規雇用への転換や新たな女性雇用の創出など、不安定な所得・雇用環境を改善し、若者が経済的基盤を確保できるようにすること。
3 就学前児童を養育する世代への経済的支援として、幼児教育・保育の無償化の拡充を図り、安心して子育てができる環境づくりをより一層推進すること。
4 公立小中学生への学校給食費を含む就学援助や高校生等への就学支援金の拡充、高等教育における多子世帯等への修学支援制度の拡充など、勉学意欲のある若者が支援を受けられるよう、教育費の負担軽減策をより一層充実させること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和6年7月12日
滋賀県議会議長 有 村 國 俊
(宛先)衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、文部科学大臣、経済産業大臣、内閣府特命担当大臣(こども政策・少子化対策)