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滋賀県議会だより

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第22号(平成14年12月定例会)

 滋賀県議会は、12月定例会を12月2日から12月20日までの19日間の会期で開きました。
 今回の定例会には、「滋賀県職員等の給与に関する条例の一部を改正する条例案」をはじめとする知事提出議案26件と、家電リサイクルに関する意見書案など議員提出議案3件の合計29議案が上程され、審査を行った結果、いずれも原案のとおり可決しました。併せて、「平成13年度滋賀県一般会計および各特別会計歳入歳出決算」を認定しました。
 また、本会議における代表質問、一般質問および討論には、延べ31人の議員が登壇し、県政全般にわたって論議を展開しました。

知事提案説明から

財政構造改革と新年度予算編成

 本県の財政は、今後3年間で毎年度300億円程度の財源不足が見込まれ、厳しい状況にあることから、新たに策定した第2次財政構造改革指針のもと、今後3カ年の財政構造改革プログラムを策定し、財政の健全化に取り組むこととしています。

 平成15年度を初年度としてプログラムを実行に移していく際、事務事業の廃止や縮小、公共事業の進度の調整、負担区分の変更など、痛みを伴うものや県民の皆さんに我慢をお願いすることもあります。こうした取り組みにご理解とご協力をいただくには、自ら痛みを自分のものとすることが必要と考え、県職員の給与も削減します。

 厳しい財政環境の中、予算編成を通じ、限られた資源を必要な施策に重点的、効果的に投入し、緊急かつ重要な課題に積極的に対処していく、いわゆる「選択と集中」により、めりはりのついた取り組みを進め、魅力と活力ある滋賀県づくりに精一杯取り組む所存であります。

産 業

環境こだわり農業

問 湖国農政懇話会からの提言を受け、環境こだわり農業推進条例をどのような考え方のもとに制定しようとしているのか伺います。

答 これからの農業は、消費者が求める安全で安心できる農産物を安定的に供給していくことが何よりも求められています。一方、琵琶湖を抱える本県では、汚濁負荷を削減しながら営農活動を推進していくことが、もう一つの重要な課題となっています。
 こうした本県農業の課題に対応し、県民の皆さんの期待に応えていくには、琵琶湖を預かっている本県でこそ、土づくりなど、農業が有する自然循環機能を維持増進し、可能な限り農薬や化学肥料に頼らない持続的な農業を推進していくべきと考えます。そのためには全国に先駆けて、環境こだわり農業を推進するための条例を制定する必要があると考えているところです。

米政策改革大綱

問 12月3日に決定された米政策改革大綱についての所感を伺います。また、現時点で本県水田農業の振興についてどのように考えておられるのか伺います。

答 大綱では、わが国水田農業の抜本的な改革を図るものとして、農家の主体的な経営判断による需要に見合った売れる米づくり、地域の特色ある農業の展開、さらには水田農業の構造改革などが示されました。こうした米政策の転換は、社会情勢が大きく変わる中、やむを得ないものと思いますが、本県農業にとって厳しいものと受け止めています。
 また、消費者ニーズを起点とした「売れる米づくり」が喫緊の課題であり、土づくりを基本に早生品種の遅植え、直播栽培など品質向上対策を進め、近江米の市場評価の向上に取り組みたいと思っています。
 さらに、本県農業への影響と対応策について幅広く検討するため、学識経験者、生産者、流通、消費者等で構成する協議会を早期に立ち上げたいと考えています。


環 境

世界水フォーラム

問 第3回世界水フォーラムはどのように構成・運営されるのか、また、滋賀から世界に向かって何をどのように発信されるのか伺います。

答 本県として、今回のフォーラムでは「水といのち・ひと−共生に向けた流域管理への参画と協働」をテーマに、滋賀デイ(3月20・21日)に開かれる分科会と「びわ湖水フェア」(3月19〜21日)を中心に取り組みます。
 分科会では、世界の湖沼保全のための行動を呼びかける「世界湖沼ビジョン」などの分科会を本県が主催し、湖沼保全の取り組みや経験を発信するとともに、そこで得られた世界の幅広い情報と知恵を今後の取り組みの糧としたいと考えています。
 「びわ湖水フェア」では、琵琶湖をはじめ水との関わりの中で生まれてきた滋賀ならではの歴史・文化やマザーレイク21計画などへの取り組みについて、参加者や県民に理解を深めていただけるものにしたいと考えています。

土壌汚染対策

問 土壌汚染対策について、本県の地理上・社会的条件の特性や琵琶湖保全の立場から、上乗せ等の条例や対策指針が必要と思いますが、見解を伺います。

答 土壌汚染対策法の制定を契機とし、本県における土壌・地下水汚染対策について関係機関による見直し検討を進めています。

 今後、専門家による検討会議を設け、ご意見をいただき、本県の実情に合わせた土壌・地下水汚染の防止へ向けた取り組み方針をまとめるとともに、国の動向も見極めながら、条例による対応の可能性も含めて検討を進めて行きたいと考えています。


くらし

ESCAPの成果

問 10月に開催されたESCAP※1主催の「アジア太平洋障害者の十年」最終年ハイレベル政府間会合の成果と、採択された「びわこミレニアム・フレームワーク」を今後の県の施策にどう生かしていくのか伺います。

答 本会合では300名を超える県民の皆さんに語学、手話、要約筆記、介護等のボランティアとして活躍いただき障害者福祉への理解を深めていただきました。また、障害者団体の方々にも関連行事の開催を中心に積極的な役割を担っていただき、本県の障害者福祉への取り組みを大いに県外に情報発信していただきました。
 今後は、情報通信技術を活用した情報バリアフリー※2の推進やアジア太平洋地域からの国際研修生の受け入れを新たに検討するなど、障害のある人々が地域社会の中で安心して、また自立して暮らせる社会の実現に向けた取り組みを進めたいと考えています。

※1 ESCAP(アジア太平洋経済社会委員会)とは、国連経済社会理事会の地域委員会の1つで、アジア太平洋地域の経済協力・社会開発のための協力機関のことです。今回の会合では、過去10年間の各国の障害者施策への取り組みを報告・評価するとともに、2003年からの10年間に各国政府や関係者が取り組むべき行動計画となる「びわこミレニアム・フレームワーク」が採択されました。

※2 情報バリアフリーとは、障害者が使いやすい機器の研究や普及とともに、就労や生活、福祉制度などの情報提供により、インターネットやメールを使い情報を入手しやすくすることです。

福祉医療制度

問 少子化対策の一環として、現在は3歳未満としている乳幼児福祉医療費助成制度の対象年齢を拡大すべきと考えるが、いかがでしょうか。

答 対象年齢の拡大については、医療保険制度改革の及ぼす影響を十分見極めながら、福祉医療費助成制度全体のあり方を見直す中で検討することが必要です。少子化対策の総合的、効果的な推進を図る観点から、一定の自己負担の導入も視野に入れつつ、実施主体である市町村の意見を聞きながら対象年齢を引き上げる方向で検討したいと考えています。


安 全

安全なまちづくり

問 滋賀県安全なまちづくり条例要綱案の県民政策コメントが実施されていますが、この条例制定の意義をどのように考えているか。また、警察、県民、事業者がどのような役割を担っていくべきと考えているのか伺います。

答 県としては、安全なまちづくりに積極的に取り組む強い意志を明らかにするとともに、事業者や県民・滞在者に安全なまちづくりの意義と自らの役割を深く認識していただき、それぞれが主体的に取り組んでいただくための基盤としての条例を制定しようとするものです。
 警察においては、捜査、検挙の適正な執行や地域と連携した積極的な防犯活動などを、これまで以上に一層強力に展開していく必要があると考えています。また、県民や滞在者の皆さんには、それぞれが安全に対する意識を高めていただき、地域における安全なまちづくりの活動に積極的にご参加いただくこと、さらに事業者の方々には、犯罪の防止に配慮した製品の製造・普及などの適切な措置を講じていただくことを考えています。


文 化

遺跡の保存と活用

問 信楽町の鍛冶屋敷遺跡で大規模な鋳銅工房の遺構が発見されたが、紫香楽宮に関連する遺跡群を県は今後どのように保存し、活用されるのか伺います。

答 紫香楽宮に関連する遺跡群は、わが国の古代の歴史を解明していくうえで一級の遺跡群ととらえており、現在、地元信楽町ともども、地権者のご理解を得て、国の史跡指定を目指しているところです。その後の活用については、今後策定されます基本構想を踏まえ、財政事情も勘案し、また、国の制度等を最大限に活用しながら、信楽町とよく相談をして取り組んで参ります。
 また、観光面からも古代ロマンをよぶ遺跡のまち信楽として、この遺跡群を活用されようとする町の取り組みを積極的に支援して参りたいと考えています。


行 政

財政構造改革

問 今後3年間(平成15〜17年度)の財政構造改革プログラムを策定し、さらなる財政構造改革に取り組むこととされているが、このプログラムにおける歳入確保や歳出削減の考え方について伺います。

答 歳入確保については、新たな税源の確保をはじめ、使用料・手数料の見直し、未利用県有資産の売却、収入未済額の縮減など、5項目にわたる取り組みを進めるとともに、新しい産業の育成など、経済の活性化に向けた取り組みを進め、長期的に県税収入の回復に努めることとしています。
 歳出削減については、人件費の抑制や経常的な内部事務費の見直しを進めるとともに、社会資本整備などの投資的経費は、全体的にその進度を調整することや、重点化、コスト縮減、PFIの導入などによって、一般財源ベースで3割程度の調整を行い、その他の事務事業や補助金等、県の裁量的な経費は、県の役割や受益者負担のあり方などを見直し、概ね15%程度の削減を行っていきたいと考えています。

新年度予算編成

問 財政の深刻な危機と行政の大きな転換期を迎えた今日、平成15年度当初予算編成に対し、どのような考えで取り組もうとされているのか伺います。

答 新年度予算については、財政構造改革プログラムの初年度として、国や県税収入の動向を見極めつつ、更なる歳出の精査など、財政健全化に向けて抜本的に取り組んでいく必要があると考えています。
 一方、こうした厳しい財政環境の中にあっても、本県の持続的な発展に不可欠と判断される施策や、県民福祉の向上のため真に必要とされる施策などには的確に対応しなければならないことから、「新たな活力創生」を基本テーマに、▽産業の活性化、▽自然共生・資源循環型社会の実現、▽人材・NPOの育成、▽安全・安心な社会の実現、などを県政の重点課題として、戦略的に取り組んでいきたいと考えています。
 また、県民の皆さんにわかりやすく事業内容をお知らせするため、新年度予算の編成過程をできるだけ公開していきたいと考えています。

市町村合併

問 「今後の基礎的自治体のあり方について」と題した地方制度調査会西尾副会長の提出資料(西尾私案※3)を踏まえ、県はどのように市町村合併に取り組もうとされているのか伺います。

答 県としては、自主的な合併議論を支援するという、これまでからの基本方針を今後とも堅持していく考えには変わりはなく、強制や押し付けの意図はありません。重要なことは、自らの地域について、いかに将来の発展や住民サービスの維持・向上を図っていくかということを考え、住民参加のもとで、自主的、主体的に議論を深めることです。現在、県内各地域においては、市町村関係者や議会の皆さんが、分権時代における自治のあり方について、住民の皆さんとともに真剣な議論を展開いただいており、県としては、引き続き必要な助言や支援に努めたいと考えています。

※3 西尾私案とは、首相の諮問機関である地方制度調査会の西尾副会長がまとめた市町村合併に関する私案のことです。その中で、2005年3月の合併特例法失効後も一定期間さらに合併を推進し、その後、一定の人口未満の町村は、@特例的制度を設けて権限を縮小、A他の自治体に編入、などの考え方が示されています。

職員の退職手当

問 今後の退職手当額の見込みと早期希望退職制度による人件費削減の効果について伺います。

答 今後の退職手当額の見込みを現在の制度で試算すると、平成18年度までは約90億円から約120億円の間で推移しますが、その後徐々に増加し、平成29年度にピークの約200億円になると見込まれます。
 早期希望退職制度の効果については、前回、平成11、12年度に45〜54歳を対象として実施した状況では、2年間で113人の退職者(平均50歳)があり、その退職者と新規採用者との差額分の1人当たり年間約500万円、全体で年間約6億円の削減となっています。今回は40〜55歳と年齢を拡大しているので、前回をやや上回る削減となるものと考えています。

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