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請願第2号 訪問介護費の引き下げを撤回し、介護報酬引き上げの再改定を早急に行うことを求める意見書の提出について

受理番号

請願第2号 

受理年月日

令和6年6月25日

付託委員会

付託委員会
厚生・産業・企業常任委員会

本会議議決結果

議決日
令和6年7月12日
議決結果
不採択

紹介議員

中山和行
節木三千代

内容

【請願の趣旨および理由】
2024年4月より改定報酬がスタートし、全体で1.59%のプラス改定となった。しかし、必要とされる処遇改善の水準、物価高騰への対応に照らして、極めて不十分な引き上げ幅にとどまっており、とりわけ訪問介護の基本報酬が引き下げられたことに対しては、「訪問介護事業所がなくなれば住み慣れた家で暮らしていけない」、「親を介護施設に入れざるを得ない」と、3年に1度の介護報酬の改定で、訪問介護の基本報酬が4月から引き下げられたことに怒り、不安の声が広がっている。身体介護、生活援助など訪問介護は、とりわけ独居の方をはじめ要介護者や家族の在宅での生活を支える上で欠かせないサービスである。このままでは在宅介護が続けられず「介護崩壊」を招きかねない。
介護報酬は介護保険から介護事業所に支払われるが、今回の引き下げで訪問介護事業所、とりわけ小規模・零細事業所が経営難に陥り、在宅介護の基盤が壊滅的になる恐れがある。既に23年の訪問介護事業所の倒産は67件と過去最多を更新し、ほとんどが地域に密着した小規模・零細事業所である。
厚生労働省は引き下げの理由として、訪問介護の利益率が他の介護サービスより高いことを挙げているが、これはヘルパーが効率的に訪問できる高齢者の集合住宅併設型や都市部の大手事業所が利益率の「平均値」を引き上げているものであり、実態からかけ離れている。
訪問介護はとくに人手不足が深刻である。長年にわたる訪問介護の基本報酬が引き下げられた結果、ヘルパーの給与は常勤でも全産業平均を月額約6万円も下回る。ヘルパーの有効求人倍率は22年度で15.5倍と異常な高水準である。
政府は訪問介護の基本報酬を引き下げても、介護職員の処遇改善加算でカバーできるとしているが、既に加算を受けている事業所は基本報酬引き下げで減収となり、その他の加算も算定要件が厳しいものが多く、基本報酬引き下げ分をカバーできない事業所が出ると予想される。今回の介護報酬改定では介護職員の処遇改善のため報酬を0.98%引き上げるとしている。これにより厚生労働省は職員のベースアップを24年度に月約7,500円、25年度に月約6,000円と見込んでいる。しかし財源の根拠が不明確でベースアップが確実に実行される根拠はない。このままでは介護人材の確保はますます困難になるだけである。
ついては、訪問介護費の引き下げを撤回し、介護報酬引き上げの再改定を早急に行うことを求める意見書の提出をするよう請願する。

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