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知事提案説明(平成13年 9月定例会)

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平成13年9月議会定例会 知事提案説明から

平成13年9月議会定例会 知事提案説明から

 本日、議員各位のご参集をいただき、9月県議会定例会を開会し、提出いたしました諸案件のご審議を願うにあたりまして、その概要をご説明いたしますとともに、当面する諸問題について所信の一端を申し述べたいと存じます。

 まず最初に、ただいま決議のありましたアメリカのニューヨークおよびワシントン郊外等における同時多発テロ事件に関してでありますが、まさに多数の死傷者が出ました。このような卑劣な行為は、断じて許すことができないものであり、私たちは強い憤りを感じるとともに、この不慮の事故で犠牲となられた方々やご家族に対しまして、ここに改めまして滋賀県民を代表し心から哀悼の意を表するものであります。私は、事件の翌日、本県と姉妹提携を行っておりますミシガン州知事に対しまして、こうした気持ちをお伝えし、お見舞いを申し上げたところであります。
 幸いにも、本県関係者には直接被害に遭われた方はないと聞いておりますが、現地では、今なお、多数の行方不明の方々がおられるということであります。一日も早い発見と、アメリカ国民が深い悲しみと痛手から立ち直られることを願うとともに、今回の事件が人類の平和に、今後是非、生かされるものとなるよう切に祈るものであります。

 続きまして、去る7月23日にご逝去されました故小西哲衆議院議員に対しまして、135万県民ならびに執行部を代表いたしまして、謹んで哀悼の意を表したいと思います。
 小西先生におかれましては、平成12年6月の衆議院議員総選挙において初当選され、まさにこれからという時に志なかばでご逝去されました。さぞ、ご無念なことであったであろうと存じます。また、私どもも琵琶湖の総合保全をはじめとする本県の諸課題に若さと行動力を持ってお力添えをいただけるものとご期待申し上げておりましただけに、まことに残念でなりません。ここに改めて、心からご冥福をお祈り申し上げます。

 さて、本議会に提案いたしました案件のうち、補正予算につきましては、来る10月28日に執行される衆議院議員補欠選挙に要する経費のほか、現時点において見込みうる国庫補助事業への対応や、緊急に処理を要するものについて、必要な予算措置を講じることとしたものであります。
 主な事業について申し上げますと、一般会計では、早崎内湖周辺等におけるビオトープネットワークの検討調査に要する経費、介護保険制度における介護者の緊急時に対応するための経費に対する助成、本県におけるSOHO事業者を育成・支援するための県立文化産業交流会館におけるSOHOビジネスオフィスを整備するための経費、また、現在、各部局に分かれている青少年や子どもに関する相談機関を統合・強化し、相談者があらゆる問題を気軽に相談できる青少年・子ども電話総合相談室を設置するための経費等について所要の額を計上いたしました。
 また、現下の雇用情勢に鑑み、現在、国において検討されております雇用対策に先立ち、中高年齢者を対象とした就職促進事業に要する経費や緊急雇用創出事業の追加実施に要する経費を計上いたしました。なお、雇用対策につきましては、目下、商工観光労働部はもとより庁内各部局に対し、県として考えられる可能な対策について早急に検討するよう指示しているところであります。また、昨日は雇用の確保と安定を図るための効果的な対応策等を協議するため、国の関係行政機関をはじめ、労働者と使用者の代表者、有識者等の関係者にお集まりいただき、「景気雇用対策会議」を開催したところであります。
 また、特別会計では流域下水道事業について処理場やポンプ場の整備費を、企業会計では工業用水道事業についてポンプ場の整備費等を計上いたしております。なお、病院事業におきましては重要な資産の取得について、その内容を計上いたしております。
 この結果、一般会計の補正予算額は33億8,045万7千円、流域下水道事業特別会計は13億9,330万9千円、工業用水道事業会計は1億9,323万5千円となっております。

 次に、ふるさと滋賀の風景を守り育てる条例の一部を改正する条例案について申し上げます。
 本県では、昭和59年に「ふるさと滋賀の風景を守り育てる条例」、いわゆる「風景条例」を制定し、県土の景観対策に取り組んでまいりました。
 しかし、近年、湖岸に近いところでも都市化が進み徐々に琵琶湖周辺の風景が変貌し、ふるさとの良さが失われつつあります。今後の大規模な建築物等が琵琶湖固有の景観に与える影響が懸念されているところであります。
 このため湖岸の景観保全方策について検討してまいりましたが、このたび風景条例の一部を改正し、景観影響調査を制度化することにいたしました。
 そこで、その概要についてでありますが、風景条例に基づき琵琶湖景観形成地域に指定している区域のうち、都市計画において用途地域が設定されている区域と従来から届出が不要な自然公園や風致地区等の区域を除いた区域の中で、高さ13m以上または4階建て以上の建築物や工作物を建築しようとする場合に、景観影響調査を実施し、条例に基づく届出書を提出するに際して景観影響調査書の添付を義務づけようとするものであります。
 提出された景観影響調査書は公告縦覧いたしまして、県民のみなさんのご意見を伺い、これを景観審議会に報告するとともに市町村からも意見を聴き、これらの意見を参考に、県は指導助言をしようとするものであります。
 なお、今回の改正に当たりまして、景観影響調査制度を導入し、美しい琵琶湖の風景を未来に伝え残そうとする強い決意と心構えを表すため、条例の前文に「未来からのあずかりものである」という表現を追加するとともに、景観影響調査の対象とはならない用途地域が設定されている、いわゆる市街地にありましても、琵琶湖と調和した都市景観の形成が重要であることから、「うるおいのある水と緑や歴史的景観と調和のとれた魅力ある都市景観をつくる」という一文を挿入し、合わせて地域の街づくりを担う市町村に対し、県が実施する景観形成施策の推進に対して協力要請ができるよう条項を設けることとしたところであります。

 次に、滋賀県ごみの散乱防止に関する条例の一部を改正する条例案についてであります。
 本県では、滋賀県ごみの散乱防止に関する条例を平成4年に制定し、散在性ごみを無くすために、7月1日の琵琶湖の日を中心とした環境美化活動や12月1日の環境美化の日を基準日とする県下一斉の清掃活動を実施していただいていますほか、平成11年度からは新たに5月30日を中心に県下各地で重点地区を定め、地域住民の皆さんや、事業所、各種団体のご参加を得ながら「ごみゼロ大作戦」を展開するとともに、県下各市町村に散乱ごみの清掃や啓発の活動を行うクリーンパトロール隊の設置に支援を行ってきたところであります。
 また、昨年度からは「淡海エコフォスター制度」を新たに設け、各種団体や企業の自主的な清掃活動を支援するとともに、環境美化の機運の醸成を図ってきているところであります。
 加えて、今年度からは「ポイ捨てごみのない湖国滋賀」の実現を目指すとともに、本県を訪れる人を温かく迎えるために、春のゴールデンウィークの前に県内の主な観光地周辺において、地域の関係団体、観光ボランティア、住民の皆さん等のご参加を得て「観光地クリーン作戦」を実施してきたところであります。
 このように、多くの県民の皆さんのご理解を得て行ってきた各種美化活動や啓発にも拘わらず、未だに一部の場所では目に余るごみの散乱や投げ捨て行為を見かける状況にあります。
 そのため、県民の皆さんの美化活動を一層実りあるものにするとともに、ごみのポイ捨て行為が「反社会的行為」であるとの認識を県民および本県を訪れる全ての人々に持っていただくため、湖国・滋賀県ではごみが捨てられないとする環境を創り出し、本条例をさらに実効あるものとするためには罰則規定の導入もやむを得ないのではないかとして環境審議会に諮問を行い、去る6月には、「現条例に罰則規定を導入して条例の趣旨を徹底させることが適当である」という旨の答申をいただくとともに、県民政策コメント制度を活用し、広く県民の皆さんのご意見をお伺いしてきたところであります。
 主な改正点といたしましては、ごみの定義を行い、ごみ投棄の禁止を規定し、その違反者には回収等の命令を発するとともに、命令違反者には罰則を課すことを規定いたしました。
 また、散在性ごみに対する認識を深めていただくため、美観を著しく損ねた者には清掃活動への参加を指導することや、条例の実効性を担保する具体的措置として「環境美化監視員」を置き、市町村との連携のもとにごみの散乱防止活動を進めていこうとする規定を新たに盛り込んだものであります。

 次に、湖国21世紀記念事業についてであります。
 湖国21世紀記念事業もいよいよ終盤にさしかかってきたところでありますが、去る7月21日から8月19日までの31日間、「なぎさエコらいふ21」が、大津市大津港前となぎさ公園一帯で開催されました。
 連日30度を超える近年にない猛暑の中ではありましたが、30万人を超える方々に、ご参加をいただきました。
 大津港前の「エコパーク」では、「くらし発見ビレッジ」として、身近な暮らしの中から環境に与える大きな負荷をご来場の方々に考えていただき、「21世紀くらし創造館」では、企業やNPOが描くこれからの暮らしを、それぞれの視点から、興味深く、また親しみやすく訴えていただきました。また、サンシャインビーチ周辺では、大津市21世紀記念事業実行委員会が、「ムダがゼロ、地球温暖化効果ガスがゼロ、汗を流さない人がゼロ」をめざす「ゼロパーク」として、多彩な催しを、連日午後9時まで展開されました。
 ご来場の皆さんからは、「一つ一つの心がけを大切に、いつまでも地球が元気でいられますように」といった、これからの環境問題を解決する原点となったことや「びわ湖の水を守ってくれてありがとう。滋賀県の人へ」というメッセージなど、自然を守り環境を大切にし、そしてそれらに感謝する多くの方々からの感想を寄せていただいたところであります。
 今後についてでありますが、まず、10月6日から28日までは、「エコ旅フェスタ」を米原町で開催いたします。「2001近江のこだわり食の彩典」や「まいはら鉄道フェスティバル」と併催しながら、自然、歴史文化豊かな湖東・湖北地域を舞台に、一人でも多くの人々に新しい旅のあり方を発信してまいりたいと考えております。
 また、いよいよ11月11日から16日にかけて開催いたします第9回世界湖沼会議には、9月14日現在で海外74ヵ国・地域からの参加が見込まれておりますとともに過去最大の868件の発表が予定されておりますし、また、11月14日から17日まで開催を予定しております「びわ湖国際環境ビジネスメッセ」には海外11ヵ国・地域の33社を含む268社の出展が見込まれております。さらに、最終日の11月18日に予定しております「びわ湖男女駅伝大会」には、当初100チームの参加を予定しておりましたが、募集開始後、東京や福岡など県内外から、早々に115チームの参加申し込みをいただき、既に募集の打ち切りをさせていただきました。各種事業とも本番に向けて県民の皆さんはもとより県外、海外の皆さんの熱い思いに応えるべく着々と準備が進められているところであります。

 さて、先月、私は中国を訪問してまいりました。
 近畿2府7県の共同事業として実施されております近畿青年洋上大学の学長として、本県の青年80名を含む近畿の青年429名と洋上研修に参加し、さらに首都北京市を訪れるとともに、この機会に、友好省であります湖南省や上海市を訪問してまいりました。
 近畿青年洋上大学は、洋上での研修や中国青年との交流等を通じて学び体験したことを社会生活に生かし、地域社会や国際社会の担い手となる人材育成を目的とするものであります。
 学生達にとってこの洋上大学は、新たな友人と巡り会い、自分を見つめ直すとともに、多様な考え方や生き方があることを知るよい機会になったことと思います。
 私も、環境問題など21世紀の課題やこれからの私たちのライフスタイルについてお話をさせていただくとともに、多くの若者と直接語り合い、楽しく交流を深めるなかで、はつらつと活動する若者から大いに刺激を受けたところであります。
 北京市人民政府を表敬訪問した後、青年達とは別れて、中国政府の環境大臣とお出会いし、環境問題について意見を交換してまいりました。特に本県が行っております湖沼の環境保全政策に大きな関心を寄せていただき、11月に開催いたします世界湖沼会議に向けて、中国国内の湖を有する省に会議へ参加するよう呼びかけていただくこととなった次第であります。
 また、湖南省では、新しく省長となられる張雲川省長代理と会談し、昭和58年の友好提携締結以来、18年間に及ぶ両県省の交流の成果について双方が確認し合い、今後の交流の充実などについて意見交換を行ってまいりました。
 その中で、湖南省は本県が有する環境保全のノウハウに大きな評価と期待を寄せておられました。世界湖沼会議、同議員セッションや国際環境ビジネスメッセに関係者を参加・出展させるとともに、省長代理自身あるいは副省長も参加いただくという約束をいただきました。
 その後、平成10年度に友好提携15周年記念事業として本県が建設援助いたしました小中学校の一つであります張家界市の山間僻地にあります陳家坪湘滋友好学校を訪問いたしました。夏休み中にも関わらず、全校児童を始め、保護者や大勢の地域住民の皆さんの熱烈な歓迎を受け、当地の子供の教育水準の向上に本県の学校建設への協力が大きな成果を上げていることを目の当たりにしてまいりました。
 今回の中国訪問は、私にとりまして、実に14年ぶりということもあり、まず、何よりも各都市の発展ぶりには目を見張るものがありました。そして、現代の日本社会が失いかけているハングリー精神やバイタリティーなど、もう一度取り戻すべきものも多くあり、一衣帯水の隣国として、18年に及ぶ交流の重みと一層の交流の必要性を改めて認識する旅となったところであります。

 以下、条例案件およびその他の案件の概要についてご説明いたします。
 まず、条例案件でありますが、議第116号は、地方税法の一部改正に伴い、長期所有上場株式等の譲渡にかかる個人県民税の所得の控除措置を新たに設けることとする等の改正をしようとするものであります。
 議第117号は、高齢者の居住の安定確保に関する法律の施行等に伴い、新たに高齢者円滑入居賃貸住宅登録の申請に対する審査事務手数料を定める等の改正をしようとするものであり、議第118号は、工業技術総合センター等の開放機器の整備に伴い、設備使用料の改正をしようとするものであります。
 議第119号は、公職選挙法施行令の一部改正に伴い、滋賀県議会議員および滋賀県知事の選挙における公費負担の限度額を改正しようとするものであり、議第120号は、理容師法の一部改正に伴い、条例中に引用している法律の条項の整備を行おうとするものであり、議第121号、123号、124号および126号は、商法の一部改正により、法人の分割制度が創設されたこと等に伴い、所要の改正をしようとするものであります。
 議第122号は、先に申し上げましたように、琵琶湖景観形成地域内における大規模建築物等の新築等について、景観影響調査の実施を義務づけるため、ふるさと滋賀の風景を守り育てる条例の一部を改正しようとするものであります。
 議第125号は、先に申し上げましたように、ごみの投棄を禁止し、回収等の原状回復命令の違反者には罰則を科すこととする等のため、滋賀県ごみの散乱防止に関する条例の一部を改正しようとするものであります。

 次に、その他の案件でございますが、
 議第127号から130号までは、一般会計および各特別会計、ならびに、病院事業会計など公営企業3会計の平成12年度決算について、認定を求めようとするものであります。
 議第131号は契約の締結について、議第132号は契約の変更について、議第133号は財産の取得について、議第134号は権利放棄について、それぞれ議決を求めようとするものであります。
 議第135号から137号までは、県が行う建設事業等に要する経費について関係市町村が負担すべき金額を定めることについて、議決を求めようとするものであります。
 なお、補正予算のうち、議第111号については、選挙執行経費として緊急に対応する必要がありますことから、速やかな議決をお願い申し上げるものであります。

 以上、提案説明をさせていただきましたが、何とぞよろしくご審議を賜りますようお願い申し上げます。
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