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知事提案説明(平成14年 7月定例会)

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平成14年7月県議会定例会知事提案説明要旨

平成14年7月県議会定例会知事提案説明要旨

 本日、議員各位のご参集をいただき、7月県議会定例会を開会するに当たりまして、提出いたしました諸案件のご説明に先立ち、二期目就任に当たりましての私の決意と、所信の一端を申し述べたいと存じます。

 私は、このたびの知事選挙におきまして、多くの県民の皆さんのご支持をいただき、引き続き滋賀県知事の職を担わせていただくことになりました。まことに光栄に存じますとともに、改めて、その責任の重さをひしひしと感じ、身の引き締まる思いであります。

 選挙期間中を通じまして、県議会議員各位をはじめ、多くの県民の皆さんからお寄せいただきました温かいご支援に、心から感謝申し上げますとともに、県民の皆さんの様々な期待や夢をしっかり受けとめまして、これからの4年間、微力ではありますが、全身全霊で、滋賀県勢の発展に尽くしてまいる覚悟であります。

 特に、県議会議員の皆さんとは、互いにその使命と役割を果たしながら、連携を密にし、力を合わせて、135万滋賀県民の真の幸せと滋賀県のさらなる発展のために、県政運営に当たってまいる考えであります。何とぞ、格別のご理解とご協力を切に賜りますよう、お願い申し上げます。

 また、同日執行されました県議会議員補欠選挙で、新しく議員となられました中沢啓子(なかざわけいこ)議員には、ご当選誠におめでとうございます。いよいよのご活躍を心からご期待申し上げます。

 さて、この17日間の選挙期間中、私は毎日選挙事務所を移動させながら、県内各地をくまなく歩かせていただきました。また、多くの県民の皆さんにお出会いさせていただきました。特に、毎日数カ所で開催いたしましたミニ集会では、様々なテーマで県民の皆さんからの生のご意見をいただきました。県政に対する率直な疑問やご意見、さらには厳しい叱咤やご注文など、温かい励ましの言葉とともに、いろいろといただいたところでございます。その中で、私が就任以来一貫して申し上げてまいりました、県民主役の県政、生活者が原点の県政、ということを再認識し、初心に立ち返って努力しなければならないと、あらためて思った次第であります。

 そして、これまでの4年間の取り組みの経験と成果を生かしながら、あらためて県民の皆さんとの「協働」を基本に据え、この滋賀県をさらに魅力と活力にあふれる素晴らしい県にしていこうと、県民の皆さんに呼びかけてまいったところであります。

 いま、時代は大きく転換しています。わが国の社会は、世界的な変革のうねりの中で、激しく変化し、産業、経済、政治、行政など、社会の仕組のあらゆる分野で、根本的な改革が求められております。

 長引く不況の影響で、雇用への不安が広がり、また、犯罪が増加するなど、治安の悪化も生活に不安を与えております。私たちを取り巻く状況は、これまでにもなく厳しいものとなっております。

 こんな時だからこそ、私たち一人ひとりが全力をあげて、将来への展望を切り開いていかなければなりません。地方分権が進み、地域間競争の時代の真っ只中で、この滋賀県を私たち自身の手で、より魅力と活力に満ちた県にしていかなければならないのであります。

 幸い、この滋賀県には、実に素晴らしい素材がそろっております。琵琶湖をはじめとする豊かな自然をはじめ、数々の歴史や文化、絶妙な位置と交通の便利さ、そして次々と新設される大学の集積、さらに県内各地のそれぞれの地域で、地域づくりに取り組んでおられる県民の皆さんの熱い思いとエネルギーであります。

 こうした恵まれた素材を生かし、今後さらに磨きをかけて、自然と人が共に輝く滋賀県、だれもが生涯を通して幸せに暮らせる元気な滋賀県をめざしまして、県民のみなさんと一緒に取り組んでまいりたいと存じます。

 一党一派に偏せず、また、利権や腐敗のない信頼される県政。情報を公開し、県民の皆さんへの説明責任を果たして、生活者原点で進める県政。世界を、そして未来をも見据えて改革を進める県政。女性をはじめすべての人の人権が尊重される県政、ということを基本姿勢といたしまして、次の五つの柱に沿って、県政のさらなる発展に全力で取り組んでまいる覚悟であります。

 一つ目は、不況や失業に挑む「たくましい経済県」づくりであります。長引く不況の影響で、雇用の不安が大変深刻になっておりますので、まず、雇用の確保に全力を挙げて取り組んでまいります。そして、産学官さらには金融機関との連携を強化し、環境や健康福祉、観光、それにバイオやITといった分野で、新しい産業の育成と雇用の創出に努め、中小企業の振興を図ってまいります。また、「環境こだわり農業」をはじめ、滋賀の特色あふれる農林漁業の推進に取り組んでまいります。そしてこの滋賀が、新しいビジネスモデルが続々と生まれる、活力あふれる県となることをめざしてまいりたいと考えます。

 二つ目は、次の世代に責任を持つ「環境こだわり県」づくりであります。かけがえのない「マザーレイク」琵琶湖を、美しい姿で未来へ贈るために、国や下流にも協力を求めながら、その保全・回復に取り組んでまいります。また、廃棄物を半分に減らすことを目標に、リサイクルなどを進め、循環型社会の構築をめざしてまいります。さらには、新エネルギーの開発と利用促進にも努め、「水」「ごみ」「エネルギー」の3点を重点に、次の世代に責任を持つ意味で、環境政策に力を入れて取り組んでまいります。

 三つ目は、誰もが安心できる「くらし安心県」づくりであります。高齢者が健康で生き生きと暮らせる社会、障害のある方が十分活躍できる社会の実現をめざし、また、子育て支援の充実など子どもを生み育てることに夢を持てる社会づくりを進めてまいります。こうした取り組みにより、日本の、いやアジアでの、福祉モデル県となることを目指したいと思います。さらには、急激に悪化する治安に対処し、犯罪や交通事故、また災害のない安全・安心なまちづくりを推進してまいります。

 四つ目は、子どもの瞳輝く「教育熱心県」づくり、であります。次の時代を担う子ども達は、わたしたちの「たから」であります。健やかに、たくましく育てるために、社会全体で熱心に取り組んでいかなければなりません。このため、少人数学級や特色ある学校づくりに取り組み、学校教育の充実を図ってまいります。また、家庭や地域、学校が連携して「しが5つの教科書づくり」など、体験学習の機会の充実にも取り組んでまいります。

 最後に、個性きらめく「自治と文化の創造県」づくりであります。女性が存分に個性や能力を発揮でき、NPOやボランティアが生き生きと活躍する地域づくりを進めまして、新しい自治と文化をこの湖国から発信してまいります。また、現下の厳しい財政状況の中で、これらの様々な行政課題に的確に対処していくためには、その裏付けとなる県財政の健全化が不可欠であります。このため、地域経営という視点に立ちまして、速やかに行財政改革を断行し、自立できる行財政体質を早期に確立して、財政の健全化を図ってまいります。

 こうした取り組みに、失敗をおそれず、果敢に挑戦してまいりたいと存じております。厳しい時代でありますが、むしろこのピンチをチャンスに変えるという気概を持って、みんなが夢や希望を語れる滋賀県、誰もが誇りと愛着を持ち、「私は滋賀県人!」と互いに胸を張れる滋賀県を、県民の皆さんと、追い求めてまいります。

 言うまでもなく、私は日本人であります。悠久の歴史と伝統の文化を持ち、四季それぞれに彩られる美しい自然に囲まれたこの国に生まれたことを、大変誇りに思います。そしてまた、地球人でもあります。200近くにも及ぶ、言葉も文化も異なる世界中の国々の皆さんとともに、かけがえのない地球を守っていく一員であります。しかしそれと同時に、「滋賀県人」であるということも明確に意識していきたいと考えます。

 琵琶湖を中心とするこの湖国に住む人々が、一体感を持って、心からこの地に住んで良かったと言えるように、皆さんとともに、精一杯努力してまいりたいと存じます。

 以上、所信の一端を申し上げました。もとより、これらを実現していくためには、県議会議員の皆さん、そして県民の皆さんの温かいご支援が何よりも不可欠でございます。何とぞ格別のご協力を賜りますよう、改めてお願い申し上げる次第でございます。

 次に、この際、琵琶湖のレジャー利用の適正化について申し上げます。

 琵琶湖につきましては、マザーレイク21計画に基づきまして、21世紀における湖沼保全のモデルとして、水質の保全や自然環境の保全等の幅広い取り組みを進め、健全な姿で次の世代に継承することに努めてまいりました。しかしながら、琵琶湖におけるレジャー利用の形態や、利用者の価値観の多様化に伴いまして、以前には考えられなかったレジャー利用に伴う様々な問題が起こってきております。琵琶湖の持つ様々な価値にも影響を与えております。このため、琵琶湖のレジャー利用の適正化について、水質保全など自然環境の保全と、県民の生活環境をレジャー活動に伴う影響から守るための新たなルールづくりとして、新しく条例を制定したいと考えているところであります。

 現在、「滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例要綱案」につきまして、県民政策コメント制度に基づき、県民の皆さんからのご意見や情報の募集を行っているところでありますが、この条例要綱案には、プレジャーボートの騒音から県民の生活環境を守るため、集落に隣接する水域での航行規制を行うことや、プレジャーボートの排出ガスによる水質への影響を低減するために、従来型の2サイクルエンジンの使用を禁止することなどを盛り込んでおります。

 また、琵琶湖の生態系の保全と水産資源の保全のために、ブルーギルなどの外来魚を釣った場合のリリースも、禁止しようとするものであります。

 これら以外にも、レジャー活動に使用する用具などについて、環境配慮型の使用を推進するなどにより、レジャー活動面においての琵琶湖の自然環境と、その周辺地域の生活環境を保全していこう、と考えているものであります。

 これまでに、県民政策コメント制度によりまして、1万2千件を超える大変多くの皆様からのご意見や情報を寄せていただいているところであります。今後もいただきましたご意見や情報を踏まえて、県の考え方をさらに整理し、今後、9月議会で新たな条例案を提案させていただくべく、検討を重ねてまいりたく考えます。

 以下、今議会に提出しております案件の概要についてご説明を申し上げます。

 まず、議第89号から92号までは、条例案件であります。

 議第89号は、地方税法の一部改正に伴い、株式の譲渡所得に対する個人県民税について、申告分離課税と源泉分離課税との選択制であったものが、申告分離課税へと1本化されることから、県民税の申告に関しまして特例を設けるなど、所要の改正をしようとするものであります。

 議第90号は、低開発地域工業開発地区における課税免除措置について、「滋賀県西北部」にかかる課税免除措置の適用期限を、現行の平成14年9月14日から、平成15年10月20日まで延長するため、所要の改正をしようとするものであります。

 議第91号は、中学校における教育と高等学校における教育を一貫して実施するため、平成15年4月1日に、県立河瀬高等学校、守山高等学校および水口東高等学校に併設して、新たに県立中学校を設置することとし、県立中学校の名称および位置を定めるとともに、入学者選抜手数料の額を定めるなど、所要の改正を行おうとするものであります。

 議第92号は、警察法施行令の改正により、警察官に貸与する装備品の品目に関して、所要の改正を行おうとするものであります。

 次に、その他の案件でありますが、議第93号から95号までは、病院事業会計など公営企業3会計の平成13年度決算について、認定を求めようとするものであります。

 議第96号および97号は、契約の締結について、議第98号は、県営住宅の明渡しおよび滞納家賃等の請求訴訟の提起について、また、議第99号は、有害物等搬出禁止仮処分命令申立事件に関し和解することについて、それぞれ議決を求めようとするものであります。

 議第100号は、専決処分について承認を求めようとするもので、土地収用法等の改正に伴い、滋賀県使用料および手数料条例等について、所要の改正措置を講じたものであります。

 次に、人事案件でありますが、議第101号は、滋賀県公安委員会委員に吉田 修(よしだおさむ)氏を任命することについて、議第102号から106号までは、滋賀の環境自治を推進する委員会委員に、今本喜久子(いまもときくこ)氏、奥村正策(おくむらしょうさく)氏、中川幸雄(なかがわゆきお)氏、山田 淳(やまだきよし)氏および若杉貞子(わかすぎさだこ)氏を委嘱することについて、それぞれ同意を求めようとするものであります。

 以上、何とぞよろしくご審議を賜りますよう、お願い申し上げます。
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