意見書第12号
米の市場開放と関税化阻止に関する意見書
ウルグアイ・ラウンドは、今月15日の最終合意を迎え緊迫した状況となっている。
日本は、今日まで自由貿易の最大の恩恵を受け、現在の繁栄を築いてきたのであり、将来においても我が国の発展と国民生活の向上のために自由貿易体制を堅持する立場から、ウルグアイ・ラウンド交渉をぜひとも精工させるとともに、新たなMTO(多角的貿易機構)の中で今日まで幾度となく脅かされてきた貿易紛争時の一方的対抗措置から、日本の米を初め工業製品などを守らねばならない。
また、米国の我が国に対する米の市場開放圧力は頂点に達しているが、米は国民の基礎的食糧であり、とりわけ本県においては古くより近江米の名声を博し、淡海の文化を形づくってきた。もし「例外なき関税化」による米の市場開放が行われるならば、日本農業はもとより地域救済、さらには国民生活にはかり知れない打撃を与えることになる。
よって政府におかれては、国内自給体制の堅持を決めた3度の国会決議の趣旨を踏まえ、ウルグアイ・ラウンド農業交渉に当たられるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条第2項の規定により意見書を提出する。
平成5年12月10日
滋賀県議会議長 田 中 雄
(宛先) 内閣総理大臣 外務大臣 農林水産大臣 経済企画庁長官