意見書第12号
森林整備および治山事業の促進に関する意見書
森林は多様な機能を有しており、国民生活の基盤をなす重要な役割を果たしているが、森林・林業をめぐる諸情勢の変化により森林の管理が困難となっていることから、人工林資源の適切な整備と利用、公益的機能の高度発揮等が重要な課題となっている。
さらに、近年の地震、火山噴火等に起因する甚大な山地災害の発生や水需要の増大等による渇水被害の頻発、環境問題への関心の高まりなどから治山事業の重要性が増大している。
本県では、近畿1400万人の生活や産業活動を支える水源としてのびわ湖が存在し、その恵沢を将来に引き継ぐための総合的な保全対策の推進が火急の命題となっている。しかしながら、びわ湖の水資源や流域住民の生活環境の維持向上に大きな役割を持つ森林の整備状況は依然として低い水準にある。こうしたことから、森林資源の質的高度化や多様な森林の整備・利用を進めるとともに、基幹林道をはじめ林内路網の形成、治山施設の整備、水源地域の総合整備を推進していくことは、行政の重要な使命であると考える。
よって政府におかれては、平成9年度を初年度とする「森林整備事業計画」および「第九次治山事業五箇年計画」を策定し、積極的な投資規模を
確保するとともに、国民すべてが求める森林整備事業や住みよい国土の保全を図る治山事業を強力に推進されるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条第2項の規定により意見書を提出する。
平成8年10月4日
滋賀県議会議長 石田 幸 雄
(宛先)内閣総理大臣 大蔵大臣 自治大臣 農林水産大臣 国土庁長官