意見書第6号
クロイツフェルト・ヤコブ病薬害問題の早期解決を求める意見書
厚生省の緊急調査研究班などの調査結果では、現在わが国で、硬膜移植が原因でクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)に罹患した患者が60例に及んでいることが判明している。これは、ヒトの死体から採取した脳硬膜がCJDに汚染されていたために起こった薬害であり、多くは発病後1、2年以内に死亡するなど患者と家族が受ける苦痛は甚大なものがある。アメリカでは1987年にFDA(アメリカ食品医薬品局)が硬膜移植によるCJD感染の危険性を警告しているにもかかわらず、わが国ではこの警告が無視され、薬害CJDの拡大を招いたことは、まことに遺憾である。
薬害を防止し、CJDなどの薬害被害者の救済を図ることは、県民の等しく願うところである。とりわけ現に深刻な被害に苦しむ薬害CJD患者とその家族を速やかに救済することは、人道上も強く要請されるものである。
よって政府におかれては、一刻も早く自らの責任で薬害CJD患者とその家族の救済を図るよう下記事項について強く要望する。
記
1.これ以上薬害で国民が苦しむことのないよう薬害の根絶対策を講じられること。
2.乾燥ヒト硬膜を移植されCJDで苦しむ患者と患者家族の早期救済を行うこと。
3.CJD薬害訴訟の審理を促進させ早期に解決されること。
以上、地方自治法第99条第2項の規定により意見書を提出する。
平成10年10月8日
滋賀県議会議長 山 嵜 得三朗
(宛先)内閣総理大臣 法務大臣 厚生大臣