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意見書・決議の詳細情報

意見書第10号 瀬田川洗堰の全閉操作の解消等に関する意見書

番号
意見書第10号
(平成17年)
議決年月日
平成17年7月8日
結果
可決

本文

意見書第10号

   瀬田川洗堰の全閉操作の解消等に関する意見書

 明治29年3月、淀川改良工事計画が決定された。この中で、瀬田川をしゅんせつして湖水位を低下させると同時に、洗堰を設けて水位を調節する方策が採用され、洪水時には下流の流量を軽減するために洗堰を全閉するという操作方針が打ち出された。
 この計画について、同年6月の臨時滋賀県会において国から説明があり、各議員が全閉操作の問題点を追及するなど、白熱した議論が闘わされたが、明治38年に計画どおり洗堰は設置された。
 大正6年に大洪水が起こり、下流が破堤する一方、琵琶湖辺の浸水被害が広がる中で洗堰が閉鎖され、堰の操作をめぐる上下流の対立は苛烈をきわめた。そもそも洪水時に人為的に堰を締め切ることは必然的に対立を生むものであり、大正6年の洪水はこの矛盾を露呈させることとなった。
 平成4年3月、琵琶湖総合開発事業の地域整備事業がいまだ終了していない中で下流への新規水供給を開始するに際し、この全閉操作は、宇治川の改修の促進など数々の約束と引きかえに、瀬田川洗堰操作規則に明文化され、現在に至っている。
 旧南郷洗堰の設置から100年を迎える今、この国の約束が果たされていない中で、全閉操作の問題点が改めて浮き彫りとなっている。先般、国は本県における既往最大洪水である明治29年洪水が再来すれば約18,000ヘクタール、約31,000世帯が浸水するという想定を公表した。全国各地で想定を超える洪水が頻発している昨今、この全閉操作は滋賀県民に不安と恐れをもたらすものであるが、そもそも一方が他方の犠牲になることを前提とする治水計画は条理に反しており、淀川水系全体の将来にとって支障となるものである。
 現在、淀川水系河川整備基本方針およびそれに基づく淀川水系河川整備計画が策定されようとしているが、この際、長年にわたって上下流対立を引き起こしてきた全閉操作を解消し、上下流にとって真に公平な、条理にかなった治水計画の実現に向けての糸口が見出されなければならない。
 よって、政府ならびに国会におかれては、これまでの経緯と全閉操作の問題点を十分に認識し、下記事項について特段の配慮をされるよう、強く要望する。
                 記
1.淀川水系河川整備基本方針に、瀬田川洗堰の全閉操作の解消を位置づけること。
2.淀川水系河川整備計画に、これまで履行されていない国の約束事項である宇治川等の改修、大津放水路、ダム建設はもちろんのこと、瀬田川洗堰の全閉操作の解消に資する事業を明確に位置づけ、それらの事業を推進すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成17年7月8日
                 滋賀県議会議長  冨士谷 英 正

(宛先) 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 財務大臣 国土交通大臣

会議録

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