意見書第21号
被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(案)に
関する意見書
平成24年6月21日に「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」が成立した。
この法律は、原子力事故の被災者への幅広い支援策として、被災者の支援対象地域における居住、他の地域への移動および移動前の地域への帰還を選択する権利の尊重、特に胎児を含む子供への健康被害の未然防止、放射線の影響を調査する健康診断、原子力事故の放射線による被爆に係る医療費減免などが盛り込まれ、それらを国の責務において推進することを定めた画期的なもので、将来に不安を抱く被災者にとって希望の灯となった。
しかし、法律の基本理念にのっとり、国が定めることとされている基本方針は、法律の成立から1年以上経った本年8月30日に案が出されたが、支援対象地を、避難指示区域等を除く福島県中通りおよび浜通りの市町村にとどめていること、避難に関する新規施策がないこと、放射線被爆の影響に係る血液検査などの健康診断の言及がないなど、その内容には問題点があり、法律の理念や規定を生かしたものとは言えない。
本県にも原子力事故から避難してきた者が、様々な困難を抱えて生活しており、その支援対策は一刻も早く実施されなければならない。
よって、政府におかれては、「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(案)」に関し、被災者の意見、パブリックコメントおよび法律に規定する理念等を反映されるよう強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成25年10月11日
滋賀県議会議長 宇 賀 武
(宛先)内閣総理大臣