平成24年の年金制度の改正において、年金を受給できない、いわゆる無年金者等への対策として年金の受給資格期間を現在の25年から10年に短縮すること、低所得の年金受給者対策として年金生活者支援給付金等を支給することが定められ、その実施は消費税率10%への引上げ時とされた。
日本における年金の受給資格期間は、アメリカおよびイギリスでは10年、ドイツでは5年としていること、フランスおよびスウェーデンでは受給資格期間が設けられていないことなどと比較すると明らかに長く、厚生労働省の推計によると、受給資格期間を25年から10年に短縮することで、新たに約64万人が受給資格を得る可能性があるとされている。
政府は、平成29年4月から予定していた消費税率10%への引上げを平成31年10月まで延期することを決定するとともに、年金の受給資格期間の短縮を本年8月に閣議決定された「未来への投資を実現する経済対策」において、平成29年度中に実施すると決定したところである。
よって、政府におかれては、必要な財源の確保を含め、安心できる社会保障の実現に向けて、早急に下記の措置を講じられるよう強く求める。
記
1 無年金者対策は喫緊の課題であることから、年金の受給資格期間を25年から10年に短縮する措置については、平成29年度中に確実に実施できるよう必要な体制の整備を行うこと。
2 低所得の年金受給者に対する年金生活者支援給付金等の支給については、必要な財源を確保した上で、出来る限り早期の実施を目指すこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成28年10月13日
滋賀県議会議長 野 田 藤 雄
(宛先)内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣