2017年7月に国連で採択された核兵器禁止条約( 以下「条約」という。) は、2020年10月に批准した国が発効要件である50か国に達したため、2021年1月に発効し、世界の平和を願う人々に大きな希望を与えた。
条約では、締約国は、核兵器の使用がもたらす破滅的な人道上の結果を深く憂慮すること、核兵器の使用は武力紛争に適用される国際法、特に国際人道法の原則と規定に反していることを考慮すること、ならびに核兵器使用の被害者および核実験の被害者にもたらされた容認しがたい苦難と損害に留意することとされている。
また、条約は、締約国に対して核兵器の開発、実験、生産、製造、保有、貯蔵、使用または使用の威嚇など、核兵器に関するあらゆる活動を禁止しており、抜け道を許さないものとなっている。
さらに、条約は、核保有国の条約への参加の道を規定するなど、核兵器の全面的な廃絶への枠組みを示している。加えて、核兵器の使用や実験による被害者への援助を行う責任も明記されている。
政府は、核兵器の保有国と非保有国の分断が深まるなどとして、条約には署名しないとしているが、我が国は唯一の戦争被爆国であり、核兵器の廃絶に向けて真摯に努力すべきである。
よって、国会および政府におかれては、条約の署名・批准を行われるよう強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和3年3月19日
滋賀県議会議長 細 江 正 人
(宛先)衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、外務大臣