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意見書・決議の詳細情報

意見書第6号 今夏のオリンピック・パラリンピック開催の中止を求める意見書(案)

番号
意見書第6号
(令和03年)
議決年月日
令和3年7月16日
結果
否決

本文

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大はとどまらず、感染拡大が落ち着く保証はなく、むしろ変異株の出現や置き換わりにより、警戒の必要性は強まっている。ワクチンの接種が始まったものの、集団免疫を作り出すには秋から冬までにかけて一定の時間が必要であり、感染力の強いデルタ株なども広がっていることから、ワクチンのみで全ての感染を防げるものではない。
 新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身会長も「オリンピックを開催すれば、今より感染リスクが高くなるのはどう考えても普通だ。開催するというならリスクを最小限にすることが必要だが、ゼロにはできない」と発言している。リスクをゼロにできないということは、オリンピック・パラリンピックの開催で、新たな感染拡大の波が起こる危険があるといえる。
 また、「無観客が望ましい」との専門家有志の提言も顧みず、1競技会場の観客数の上限を1万人とすることが決まったことから、1日最大20万人の観客数が見込まれている。選手および関係者で10万人を超す人が入国すると想定され、ボランティアを含めると観客数が延べ約310万人規模の試算が出されるなど、大規模な人の流れが予想されている。
 東京近隣の各知事は、病床のひっ迫状態から、五輪関係者のための病床を確保・占有することはできないと表明しており、医療従事者からも、オリンピック・パラリンピックへの看護師等の派遣はできない、心身ともに限界である、との悲鳴が上がっている。また、今夏のオリンピック・パラリンピックの開催中止を求める署名が40万人を超えた。各報道機関の世論調査でも、中止や延期を求める声が8割を超えているものもある。
 開催中に感染拡大が起これば、開催関係者や国民の命を確実に守れる保障は現状ではなく、その影響は全国に及びかねない。
 世界的にも、ワクチンの接種が進む国がある一方、接種が進まない国との格差が大きく、参加する選手がフェアに競技できる状況ではない。
 これまでのアスリートの皆さんの並々ならぬ努力には敬意を表するところであるが、だからこそ、オリンピック憲章の精神に基づく、フェアで世界中の人々が祝福できる大会であるべきである。現在の日本の新型コロナウイルス感染症の状況は危機的であり、国民の命も日々失われていることから、まずは国民の命を守ることが求められる。
 よって、政府におかれては、新型コロナウイルス感染症対策に万全を期すため、今夏のオリンピック・パラリンピックの開催を中止されるよう、強く求める。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

   令和3年7月16日
                       滋賀県議会議長 富 田 博 明

(宛先)内閣総理大臣、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当大臣

会議録

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