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滋賀県議会だより

議会だよりをpdfファイルでご覧いただけます。

創刊号(平成10年6月定例会・7月臨時会)

 県民の皆様には、日頃から県政の推進ならびに県議会の運営に格別のご理解ご協力を賜り、心からお礼申し上げます。
 さて、県議会では、より身近な、より開かれた議会を目指して議会の広報を見直し、このたび、皆様に議会活動の概況をお知らせする広報紙「滋賀県議会だより」を発行することにいたしました。
 現在、21世紀を間近に控え、国内外とも大きな転換期を迎えており、とりわけ、地方自治においては、いよいよ地方分権の推進が本格化してまいります。これからは、地方のことは地方自らが考え、責任をもって実行する時代であり、私ども県議会といたしましても、県政のチェック機能を果たすだけでなく、自ら積極的に政策を提案していく必要があると考えております。そのためには、今、議会では何を論議し、また、課題になっているかを、県民の皆様に知っていただき、皆様のお声を施策に反映していくことがなにより重要であると思っております。
 私ども県議会議員一同、県民の皆様の大きな期待に応えるため、これからも、全力で県政に取り組んでまいりますので、一層のご支援、ご協力をお願い申し上げます。

滋賀県議会議長   山 嵜 得 三 朗

 滋賀県議会は、6月定例会を6月5日から16日までの12日間の会期で開きました。
 今回の定例会には、国の総合経済対策に関連する平成10年度滋賀県一般会計補正予算をはじめとする知事提出議案14件と議員提出議案2件の合計16議案が上程され、慎重な審査を行った結果、いずれの議案も原案のとおり可決または承認しました。
 また、本会議における代表質問、一般質問および討論には延べ18人の議員が登壇し、県政全般にわたって論議を展開しました。
 さらに、各委員会においては、付託された各議案ならびに請願、陳情その他所管事項について審査を行いました。

総合経済対策
●基本方針
Q 国においては、総額16兆6,500億円の総合経済対策を策定したが、これに対応して、県は総合経済対策をどのように実施して行くのか、基本方針を問う。
A 本県の状況に即した景気回復につながる対策をタイミングを逃さず取り組むため、総合経済対策本部を設置し、公共事業の積極的な推進や中小企業に対する資金面からの支援を行うとともに、雇用調整助成金など国の各種助成措置の活用により雇用の安定を図っていきたいと考えています。
 さらに、中長期的な視野にたって、21世紀に向けた社会資本整備の推進など、県として有効かつ適切な対策の展開に努めていきます。
●貸し渋り対策
Q 県が実施した中小企業への「民間金融機関の貸し出し姿勢」に対するアンケート調査等によると、県内の金融機関の貸し渋りの状況が深刻であるが、中小企業対策、特に金融対策にどのように取り組むのか。
A 中小企業の厳しい実情を踏まえて、今後の中小企業者の資金需要に適切に応えられるよう、県制度融資の貸付枠の拡大を図る必要があると考えています。
 また、信用保証協会の一層の経営基盤の強化を図り、積極的な信用保証がされるよう信用補完制度の充実に努めるとともに、より積極的な融資が実施されるよう金融機関をはじめ関係機関に強く要請していきたいと思います。
●雇用対策
Q 国の調査によると、4月の完全失業者数は290万人、完全失業率は4.1%に達しており、県内においても需要の低迷で企業の景況観が一段と冷え込み、有効求人倍率も過去最低に落ちこむなど極めて厳しい状況にあるが、最近の本県の雇用状況と今後の雇用対策について問う。
A 県下の雇用・労働状況は、4月の有効求人倍率が0.54倍と過去最低となり、全産業の所定外労働時間の前年同月比も昨年12月から4か月連続でマイナスとなるなど、雇用情勢は深刻さを増しています。
 県では、こうした状況を厳しく受け止め、県内の従業員20名以上の企業に対して雇用拡大についての要請を行ったところであり、今後は、関係機関と緊密に連携しながら、個別の企業に対して直接訪問するなど、一人でも多くの求人確保につながるよう努めていきます。

くらし
●新たな道路整備5箇年計画の推進
Q 平成10年度をスタートとする「新たな道路整備5箇年計画」を策定したが、県民生活に密接に関わる道路網整備のあり方について、基本的にどのように考えているのか。
A 県の長期構想である「新・湖国ストーリー2010」に位置付けられている環びわこ放射状ネットワークの形成を基本方針とし、広域交通基盤と一体となった県土の幹線道路網や地域間道路網の整備を促進するとともに、地域づくりを支援するために不可欠な地域の生活道路整備についても、バス路線や通学路等きめ細かく整備を行っていきます。
●介護保険制度
Q 介護保険事業支援計画の策定にかかる基本的な考え方はどうか、また、計画づくりに向けて住民ニーズをどう的確に把握していくのか。
 さらに、市町村での効率的な事務体制やサービスの提供面での広域的な取り組みについての現状と今後の方針、および、市町村から住民への情報提供の方法について尋ねる。
A 要援護老人が住み慣れた地域や家庭で必要なサービスを受け、生活を続けられるためには、在宅サービスの量の確保とともに、利用者の意向に沿ったサービスの提供体制の充実がさらに求められていると認識しています。
 そこで、市町村での事業計画の策定にあたっては、保険者である市町村が地域として特色のある計画を自ら作成することができるよう、サービスの利用意向等を個別に把握する悉皆調査を指導したいと考えています。
 また、広域的な取り組みについては、要介護認定のモデル事業を広域で実施するなど、介護保険運営に関して調査、研究いただいているところです。
 住民への情報提供については、より身近な幅広い啓発機会の活用など、地域の実情に応じた方法で適切な情報の提供が今後とも積極的に行われるよう指導に努めていきます。
●女性の働きやすさ
Q 国が5月に発表した「新国民生活指標」では、滋賀県は総合で24位であるのに「女性の働きやすさ」に関しては42位と予期せぬ成績であった。
 県は、これをどのように受け止め、今後どのように活かしていくつもりなのか。
 また、どうしたら女性が働きやすい滋賀になると考えているのか尋ねる。
A 今回の「女性の働きやすさ」についての指標は、地域社会の実情や特性の違いがある中での一つの見方であり、必ずしも女性が働きにくい環境にあるとはに言い難いですが、県としては、こうした指標も参考にして、「(仮称)パートナーしが2010プラン」を策定していきたいと考えています。
 また、滋賀の女性に働きやすいと実感していただき、女性も男性も「仕事」と「家庭生活」の両立が可能になるよう、各種施策の推進を図っていきます。

環  境
●環境ホルモン
Q 生物の内分泌系を制御するホルモンと類似の働きをする「内分泌かく乱物質」、いわゆる「環境ホルモン」が生態系におよぼす影響について、現在、県はどの程度把握しているのか、また、将来の生命維持に関わる問題として今後どのように取り組むのか、県の基本姿勢と具体的な取り組みについて問う。
 また、ダイオキシン類に対する焼却炉や処分場等周辺住民の不安を取り除くため、安全指導を強化するとともに、汚染を徹底的に防ぐ総合的な対策が必要と考えるがどうか。
A 環境ホルモンの問題は、環境中の状況や人体への影響など、未だ解明されていないことから、国の「内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討会」での検討を見守りながら、これまでの環境汚染物質等の調査を継続するとともに、県独自の土壌汚染調査を行うなど、情報収集等に一層努めていきます。
 焼却施設については、設置者が行うダイオキシン濃度測定の徹底や独自調査の実施により、施設の信頼性や安全性の確保に努めるとともに、運転管理の徹底が図られるよう指導を強化し、また、県が関与する最終処分場の安全確保についても監視に万全を期していきます。
 総合的な対策については、県民や事業者の協力を得て、ごみの排出量を減量化し、資源循環型の社会システムにしていく必要があると考えています。
●地球温暖化防止対策地域推進計画
Q 議員提案によるアイドリング条例案が継続審議となっているが、これに先立つ、地球温暖化防止対策地域推進計画の策定作業の完了目処はいつごろになるのか。
 また、ノー・マイカー・デーなど、省エネルギー・省資源対策となる具体的な実践を県が率先して県民に示すことが大切であると考えるがどうか。
A 地球温暖化防止対策地域推進計画については、現在、この夏を目処に地球温暖化防止のための削減目標とする数値の取りまとめを急いでおり、新しい循環型経済社会の実現の可能性についての県民参加の議論を踏まえて策定したいと考えています。
 地球温暖化防止のための率先実行については、ノー・マイカー・デーは県職員が率先して取り組みを行う必要があると考えており、その実績を基に市町村等へも協力をお願いしていきたいと思います。

産  業
●新たな農業基本法の制定と集落営農
Q 現在、国の食料・農業・農村基本問題調査会において、農業基本法にかわる新たな基本法の制定を含む農政全般の改革について検討がされているが、同調査会がとりまとめた中間報告において、農業経営の法人化の推進をはじめ多彩な組織の育成がはかられるべきとされている。そこで、本県農業の最大の特色とも言える集落営農を推進する県の施策との整合性について問う。
A 集落営農ビジョン促進対策事業は、地域農業の担い手を育成するとともに、うるおいに満ちた活力ある村づくりを目指して推進してきたところであり、この観点から、本県の進める方向と中間報告とは整合しているものと認識しています。
 また、安定兼業農家が主体の本県農業においては、集落営農がより適した方法であると考えられ、引き続き集落営農組織の強化を図りながら、効率的かつ安定的な組織経営体へ発展的につながるよう努めていきたいと思います。
●環境にやさしい農政
Q 今後とも、滋賀らしい環境にやさしい農政を進めてもらいたいと願っているが、県の考えを問う。
A 滋賀らしい環境にやさしい農政の推進については、近江盆地特有の豊かな自然の中で稲作を中心に農業が営まれていることから、環境を重視した取り組みがなお一層必要と思っています。
 また、自然と一体になった農業は、環境と最も関わりの深い産業として、食料の生産の場だけではなく、水資源のかん養や景観の維持など、環境を保全する公益的な役割も担っていますので、自然との共生を目指す本県にとっては、農業はかけがえのない産業として健全に維持発展させていかなければならないと考えています。

教  育
●新しい教育のあり方
Q 県は、平成10年度教育行政重点施策の基本目標に、「新時代に生きる創造性と行動力のある人づくり」を設定されているが、今日の問題の多い教育の現状にあって、人間本来の価値観の確立と人間性・社会性を重視する教育のあり方を模索すべきでないかと考えるが、今後の教育の創造、人づくりにどう取り組んでいこうとしているのか問う。
A 今後の教育の創造については、家庭、地域社会、学校がそれぞれの役割を果たし、お互いに支え合いながら、子どもたち一人ひとりに感動する心や「いのち・人権」を大切にする心を持たせていくとともに、倫理観や規範意識が身に付く地道な教育実践を積み重ねて、我が国の伝統的な価値を継承し、国際社会において信頼される日本人を育成する教育の推進に努めていきます。
 また、滋賀や日本を心の故郷とする人づくりについては、子どもたちが滋賀の自然と歴史に触れる豊かな人間教育としての体験的活動を一層充実したいと考えています。
●青少年の健全育成
Q 青少年の健全育成に関して、環境浄化活動や非行防止対策の今後の進め方と具体的な施策の推進、あるいは、ひとづくりの基盤をなす家庭の教育機能を高めるための取り組みについて尋ねる。
A 住民運動に対する積極的な支援をはじめ、環境浄化や事件等の未然防止など、青少年を守る取り組みを積極的に推進していきたいと思っています。
 家庭教育については、家庭教育支援事業を推進するとともに、今後は、地域全体で子育てを進めていく支援体制の整備にも努めていきたいと考えています。

プロジェクト
●びわこ空港
Q 4月に運輸省事務次官の「びわこ空港を含む地方空港は白紙撤回もありうる」との発言があった。これまで県は、滋賀が将来に渡って持続的に発展していくためには、空港が不可欠であるということで、びわこ空港の実現に向けて不退転の決意で取り組んでこられたが、現在、どう考えているのか。
A 昨今の公共事業を巡る見直しの気運の高まりなど、地方空港の整備を取り巻く情勢が厳しくなってきていることも事実であるが、滋賀県が他の地域との競争力を維持し、持続的な発展を続けていく上で、多様な交通基盤を持つということが重要であり、びわこ空港は21世紀を支える子や孫のために必要な交通基盤として、是非とも今のうちから整備しておかなければならないと確信しています。
Q 運輸省は、空港等の公共事業の再評価システムを導入し、未着工の計画は、全面的に見直すと言っている。事務次官発言は、こういう背景から出たものであるが、びわこ空港が許可される可能性はますます小さくなっている。県は、これに幕を引くべきではないか。 
A 確かに、先の運輸事務次官の記者会見に関する報道にもあったように、昨今の公共事業を巡る見直しの気運の高まりや、限られた財源の中で国際空港や拠点空港の整備が急がれているなど、地方空港の整備を取り巻く情勢が厳しくなってきていることも事実でありますが、びわこ空港が県にとって必要性がある以上、その実現に向けて努力を怠ってはならないと考えています。
●首都機能移転
Q 県東南部地域を含む「三重・畿央地域」が首都機能移転の調査対象地域の一つに選定されたが、先に実施された関係地方公共団体ヒヤリングでの対応や県民意識調査の結果を踏まえ、近隣府県との連携、広報活動等についての現在の県の考え方と今後の方針について問う。
A 「三重・畿央地域」に属する本県は、歴史的に蓄積された経験と琵琶湖をはじめとする豊かな自然条件、日本を縦横につなぐ結節点にあることなど、他の地域にはない優位性を備えており、将来の日本の中心都市の機能を十分担いうる潜在的な可能性を秘めた地域であると認識しており、広域的な連携の中で首都機能の一翼を担うクラスター方式を提唱しています。
 多くの県民の方々が関心を持っていただいていることや環境と調和した新首都への思いなど、県民の皆さんの期待を真摯に受け止め、今後とも広報啓発活動等を通じながら議論を深めていくとともに、地元市町や関係府県と連携した取り組みを進めていきたいと考えています。

●「議場コンサート 淡海’98」を開催
 滋賀県議会では、県民の皆さんから親しまれ、少しでも身近な存在に感じていただけるような「開かれた議会」を目指して、様々な取り組みを進めています。
 この取り組みの一環として、去る6月5日、6月定例会の開会日に、県議会はじまって以来初の試みとして、本会議が開催される議場でミニコンサートを開催しました。
 このコンサートでは、「びわ湖ホール」の声楽アンサンブルのメンバーによって、滝廉太郎作曲の「花」をはじめとする6曲が演奏され、アンコールでは「琵琶湖周航の歌」が披露されました。
 抽選で選ばれた120名を超える観客の皆さんは、しばしの間熱唱に聴き入り、演奏終了後には演奏者に盛大な拍手が送られました。

●県議会議員補欠選挙により2名が当選
 去る7月12日(日)、欠員となっていた栗太郡、大津市の各選挙区において、滋賀県議会議員補欠選挙が行われ、栗太郡選挙区からは坂下幸雄議員(自由民主党県民会議)、大津市選挙区からは上田彰議員(自由民主党県民会議)が初当選されました。

 滋賀県議会は、7月30日(木)、7月臨時会を1日間の会期で開きました。
 臨時会には、知事提出議案2件が上程され、國松新知事より提案説明が行われたのち、審査の結果、いずれも可決または同意しました。このほか、県議会議員補欠選挙当選議員の議席の指定、所属委員会の委員の補欠選任等を行いました。

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