受理番号:請願第5号
高等教育無償化の実現を求める意見書の提出を求めることについて
[請願趣旨]
現在、日本は世界でも異常な高学費であるのに加えて、奨学金は貸与=借金が中心、その半数が有利子となっている(若者が背負う奨学金の貸与総残高は約10兆円に上る)。そのために非常に厳しい生活を強いられ、アルバイトを幾つも掛け持ちし十分な休息や研究の時間が取れない、食費を削り学費やその他の生活費に充てているといった学生が珍しくない。物価高騰の影響も一層大きく、食糧支援を利用する学生も多くいる。入学後体重が10キロ以上減少したなど、学業に支障をきたすだけでなく健康上にも深刻な問題を引き起こしている。また、奨学金の返済で月2〜3万円近くもの支出が何十年も続くという実情に、当事者は生活に余裕が持てず困窮し、現在奨学金を借りている学生にも大きな不安と閉塞感を与えている。このような現状から進路を変更したり、大学進学そのものを諦めざるを得なくなっていることも大きな問題である。
近年、国立大学の学費が引き上げられている中、教育格差と経済格差の相関を指摘する専門家は格差をさらに広げると学費値上げに警鐘を鳴らしている。
また、入学金は高学費の一因として大きな負担となっているにもかかわらず合理的な理由がない。世界でも例のない制度であり直ちに廃止すべきである。(韓国では、徴収の正当性等から問題があるとして近年廃止となった)
教育は全ての人に平等に与えられるべき権利である。そして社会の発展の基礎であるという理論に立ち、北欧をはじめ多くの国で学費の無償化、給付型奨学金、その中で学生の生活費も保障することを基本とした政策が取られている。OECD(経済協力開発機構)加盟国である日本の高等教育への公的財政支出は最低水準で、学費値上げを進めてきた政治の責任は重大である。
以上のことから県議会として国会に対し、下記の内容を要請する意見書の提出を求める。
記
1.国の助成で、ただちに国公私立全ての授業料(大学・短大・専門学校)を無償化すること
2.大学・短大・専門学校の入学金制度を廃止すること
3.生活費の保障を含めた本格的な給付型奨学金をつくること
4.国が拠出して、貸与奨学金の返済を免除すること