受理番号:請願第10号
福祉職員の賃金と職員配置基準の引き上げに関して、国への意見書の提出を求めることについて
県内の保育や福祉職場では慢性的な職員不足に陥っている。その原因は、滋賀県の実態調査等で明らかである。最大の問題は、低賃金や労働条件の改善が進まないことにあり、現在の職員不足の状況は、職員・利用者双方の人権を守れないほどに深刻である。実際に現場では、「1人が対応する利用者数が多く、目が行き届かない」、「午睡中の呼吸チェックができない」、「食事介助中に喉につまらせる」、「排泄介助やオムツ交換に時間がかかる」、「入浴介助者がいないので、お風呂に入れてあげられない」、「ワンオペ夜勤で転倒・転落がおきてしまう」など、利用者や子どもの安全の確保すら困難な状況が生まれている。
働く環境は、「休憩がとれない」、「有給休暇がとれない」、「不払残業や持ち帰り残業がある」など労働基準法が守られていない。
また、福祉職員の賃金水準は、国の調査でも全産業平均より月額7〜8万円も低く、命を預かり人権を守る仕事であるにもかかわらず、それに見合う専門職としての水準になっていない。
この状況を改善するためには、最低賃金を今すぐ1,500円以上に引き上げることと併せて、政府が報酬等の公的価格を引き上げて、福祉事業所に人件費を保障する必要がある。社会福祉は、憲法第25条に基づいた施策であり、国民の権利を保障するためには、国が責任を果たすべきである。
よって下記について、地方自治法第99条に基づいて、政府への意見書を提出いただくよう請願する。
記
1.地域・雇用形態・労働時間に関係なく、全ての福祉職員に時間単価1,500円以上、
フルタイムで年収300万円以上の賃金を保障する制度をつくっていただきたい。
2.利用者の処遇向上と、福祉職員の休憩・休暇・事務時間が保障できるように、職員配置基準を引き上げ、常勤職員を増やしていただきたい。