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知事提案説明(平成23年 2月定例会)

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平成23年2月県議会定例会 知事提案説明(その1)

平成23年2月県議会定例会 知事提案説明(その1)

 本日、2月県議会定例会を開会し、提出いたしました諸案件のご審議を願うにあたりまして、新年度に向けた県政の運営方針について申し上げますとともに、議第1号から55号に係る議案の概要についてご説明申し上げます。

 先月から、NHKの大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」の放映が始まりました。私も毎週、放映を心待ちにしております。

 ドラマで描かれる小谷城からの琵琶湖の眺め。5層7重の天守を頂く安土城の偉容。これらの風景に接し、あらためて滋賀の自然と歴史の奥深さをありがたく思っております。

 このように、本県は、古来から、交通の要衝にあって、いわば「文化のたまり場」とも言える多様性にあふれた歴史文化に彩られてまいりました。

 縄文時代から続く琵琶湖漁業や二千年以上の歴史を持つ「米づくりの文化」、古代から中世にかけての延暦寺や竹生島などに代表される「神と仏の文化」、いずれも、水の文化が原点にあります。

 これらの多様な文化は、その都度消えてしまったのではなく、無形の蓄積となり、今日の本県の文化を重層的なものとして形づくっているものと考えております。

 琵琶湖とそれを取り巻く盆地、そして周辺の山々を舞台として、それぞれの時代の暮らしや経済活動を切り拓きながら、次の新しい時代の文化を積み重ねていく、前の時代を否定せず、せめぎ合い、闘いながらも、新しい文化を積み上げていく、こうした営みが脈々とこの近江に築かれてまいりました。

 私は2011年の今年を、近江の歴史の厚みを礎とした、「未来への道標」を示す元年としたいと考えております。

 わが国を取り巻く厳しい社会経済情勢、先行きの見えにくい時代の潮流の中にあって、ともすれば人々の心は将来への不安や閉塞感に覆われがちです。

 こうした人びとの不安を安心に変えるとともに、さらに20年、30年先の未来世代に夢と希望を埋め込んでいくことが、現在の政治に与えられた責務であると考えております。

 未来への安心の実現に向けて、力強く歩みを進めていく決意をあらためて申し上げまして、以下具体の説明に入らせていただきます。

 まず、最近のわが国の経済動向についてであります。

 先月21日に発表されました政府の月例経済報告によりますと、「景気は、足踏み状態にあるが、一部に持ち直しに向けた動きがみられる。ただし、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある」との基調判断がなされました。

 先行きにつきましては、「当面は弱さが残るとみられるものの、海外経済の改善や各種の政策効果などを背景に、景気が持ち直していくことが期待される。」とされております。

 こうした中で、本県の平成23年度の予算編成についてであります。直近の経済動向や国の中期財政フレーム等を踏まえ試算した財政収支見通しでは、平成23年度においては、190億円の財源不足額が見込まれました。

 加えて、財政調整基金、県債管理基金といった財源調整的な基金の残高見込みが合わせて50億円程度しかないこともあって、極めて厳しい予算編成となりました。

 こうした状況を踏まえ、昨年10月に、次期行財政改革方針案と併せ、具体的な見直し項目について、事業見直し(案)としてお示しし、市町等関係機関の皆さんとの意見交換を行ってまいりました。

 その後、国の地方財政対策が明らかになり、歳入面では、地方税収が景気回復などにより増加することが見込まれる一方で、実質的な地方交付税の全国総額は、1兆677億円の減額となり、これらを含む地方一般財源の総額は、平成22年度とほぼ同水準の59兆4,990億円に留まることとなりました。

 本県におきましても、県税収入の回復が見込まれる一方で、臨時財政対策債を含む実質的な地方交付税の減少が県税収入の増加を上回ることとなり、その結果、一般財源総額は、前年度とほぼ同水準の3,107億円余となりました。

 これらの状況の中で、歳出面では、事業見直し(案)でお示ししていた項目について、耐震シェルター普及事業に係る制度を維持するなど、県議会や市町の皆さん等からのご意見を踏まえた上で、23億円の見直しを行うことといたしました。

 しかしながら、このような種々の対応を行いましても、なお151億円の財源不足額が残ることとなりました。

 これに対しましては、財政調整基金や県債管理基金など財源調整的な基金を合わせて85億円取り崩すとともに、財源対策のための県債についても、退職手当債30億円を含む44億円を発行することなどにより、対処することといたしました。

 この結果、平成23年度の一般会計当初予算の総額は、4,983億8,000万円となりました。

 前年度に比べますと、金額で37億5,000万円、率にして0.8%の増でございます。

 次に、主な歳入について申し上げます。

 まず、県税でございますが、総額は1,286億円で、前年度に比べて84億円、率にして7.0%の増となりました。

 項目別に申し上げますと、まず法人二税は、今年度前半の景気回復により、企業業績の一定の回復が見込まれることから、前年度に比べ90億4,780万円、率にして40.8%の増となる、312億2,880万円を計上しております。

 個人県民税について、5億8,570万円の増を見込んでおりますが、その他の税目については、ほとんどの税目で減収を見込んでおります。

 地方交付税は、法人二税の回復による減が見込まれる一方、臨時財政対策債の減少や、地域活性化・雇用等対策費による別枠加算の増などにより、前年度に比べ、44億円、率にして4.1%の増となる、1,117億円を見込んでいます。

 また、県債につきましては、前年度より182億9,810万円減の799億4,140万円を見込んでおります。

 これは、地方交付税の振替として国にかわって県が発行する臨時財政対策債が、前年度より158億円減の498億円となったことが大きな要因でございます。

 県独自の判断により発行します、いわゆる通常債につきましては、投資的経費の重点化、効率化により極力発行の抑制に努めた結果、前年度より25億円減の301億円となりました。

 この結果、県債残高そのものは増加いたしますものの、臨時財政対策債を除く実質的な県債残高は、平成23年度末残高見込みで235億円減少することとなりました。

 それでは、以下、平成23年度予算に計上いたしました主な施策につきまして、新たな基本構想の実現に向けた戦略的展開のための8つの重点テーマに沿ってご説明申し上げます。

 まず、1つ目の重点テーマである「子育て・子育ち応援」では、子どもを安心して生み、育てるため、生まれる前、生まれる時の医療と医療人材の充実を図ってまいります。

 具体的には、周産期母子医療センターの運営等に対する支援のほか、産科医の負担軽減を図るため、新たに「助産師外来・院内助産所開設推進事業」を行います。

 本県の年間出生者数は約13,500人であり、そのうち保育所の入所者を除く約12,300人が在宅の乳児数でございます。

 県民意識調査の結果を見ても、多くの方々が育児の孤立化による子育てへの不安感や負担感の増大を感じておられます。

 また、本県の平成21年度の虐待相談件数の対18歳未満人口比率は、残念ながら全国1位となっております。

 虐待相談のあった主な虐待者の約7割が実の母親であり、全国的に見ても、子どもに対する虐待による死亡事例の中でゼロ歳児の割合は約5割を占めています。

 こうした状況を踏まえ、育児疲れや育児不安を抱えた保護者の方々が保育所等の一時預かりを必要なときに利用できるよう、新たに「ほっと安心子育て支援事業」を実施することにより、市町の取組を支援してまいりたいと考えております。

 さらに、子どもたちの生きる力を育むための施策を推進してまいります。

 具体的には、子どもたちの体験機会の充実を図るため、「体系的な環境学習推進支援事業」により、幼児の自然体験型環境学習や小学校等における学習実践等を支援するとともに、環境学習の効果調査を実施いたしてまいります。

 また、魅力と活力ある県立学校づくりに向けて、新たに「確かな自己実現支援事業」により、体験的で問題解決能力を高める教育活動を展開するとともに、外部講師による講座や技能講習を実施し、その成果を地域に拡大し、地域振興に貢献できるよう、県立高等学校の取組を支援し、生徒一人ひとりの個性や能力を伸ばし、自己実現の支援を図ってまいります。

 次に、2つ目の重点テーマである「働く場への橋架け」についてでございます。

 若者、女性、障害のある方や高齢者の方々が多様な働く場に参加できるよう、そして生活を維持できるよう、「4つの橋」、すなわち、「教育の橋」、「家族・地域の橋」、「ハンディのある方の橋」、「失業者の橋」を架けることにより、それぞれの立場の方々を安定的な働く場につなげるための施策を推進してまいります。

 まず、子どもたちに、多様な職業教育や体験の場を提供するため、新たに「おうみしごと体験事業」により、小学生から中学1年生までを対象に、多様な職業を紹介し、実際にその一部を体験してもらい、勤労観や職業観を育み、成長段階に応じた職業教育につなげてまいります。

 また、普通科高等学校において、キャリア教育推進事業を進め、生徒が自己のあり方や生き方を考え、主体的に進路を選択することができる力を育成することをめざし、外部講師の積極的な活用を図るとともに、1・2年生を対象とした就業体験事業により望ましい勤労観・職業観を育んでまいります。

 次に、若年者の就職支援についてでございます。

 厚生労働省の調査によると、今春の大学卒業予定者の就職内定率は、昨年12月時点で68.8%と、前年同期を4.3ポイント下回り、平成8年度の調査開始以来、過去最低の水準となっております。

 こうした若者の雇用問題は、日本社会の将来を破壊しかねない、喫緊の重要課題であると認識しております。

 未来を担う若者にとって、就職は夢や希望の実現への第一歩であるとともに、いきいきと暮らし、そして結婚し、家族を持ち、次世代を育てていくことにもつながるものであり、地域が持続的に発展していくための社会的基盤でもあります。

 このような中、若者の就職支援の充実を図るため、今年度から設置された「滋賀の“三方よし”人づくり推進センター」と、ハローワーク機能を含む「ヤングジョブセンター滋賀」や「滋賀県地域若者サポートステーション」等の各支援機関を一体化し、新たに、「おうみ若者未来サポートセンター」を整備いたします。

 このことによりまして、若年求職者に対する様々な支援をワンストップで提供し、相談から就職までの一貫した支援を行うことにより、1人でも多くの若者の就職につなげてまいりたいと考えております。

 次に、女性の就職や社会活動への復帰等を応援する施策について申し上げます。

 本県においては、女性の労働力率について、30歳代での落ち込みをあらわす、いわゆるM字カーブが他府県よりも切り込みが深く、出産や子育てにより一旦離職する人が多くなっております。

 また、多くの女性が、仕事への意欲を持っていても仕事と子育ての両立に向けての不安や心配を抱えています。

 そこで、働きたい、社会参画したいという意欲を持つ女性に対し、きめ細やかな支援をトータルに行うため「女性の就労トータルサポート事業」として、新たに「滋賀マザーズジョブステーション」を県立男女共同参画センターに整備することにより、女性の多様な生き方を応援し、意欲と能力が十分に発揮される社会をめざしてまいります。

 ここでは、出産や子育てにより離職した女性の再就職や、仕事と子育ての両立に向けたアドバイス、一時保育の実施、求人情報の提供や職業紹介などの就労支援をワンストップで行うシステムを整備いたします。

 この若者・女性支援のためには、ハローワークの機能を県としてしっかり受け止め、地域主権改革の中で、権限委譲を求めていくことが同時に必要でございます。

 また、待機児童の解消や保育環境の改善をめざし、引き続き市町が行う民間保育所等の施設整備や、地域における子育て支援事業等に対し支援を行うとともに、放課後児童クラブの施設整備や運営に対する支援を行うことにより、子育ての環境整備に取り組んでまいります。

 次に、3つ目の重点テーマである「地域を支える医療福祉・在宅看取り」について申し上げます。

 ここでは、「在宅介護、在宅看取りの体制整備」、「健康的な生活習慣づくり」を柱に施策を構築してまいります。

 高齢化が進展する中、私たちが未来に備えるべきテーマとして大変重要となるのが「看取りのシステム」であると考えております。

 県政世論調査の結果では、県民の半数以上の方々が「自宅での看取り」を望んでおられる状況の中で、今から約20年後の西暦2030年には、在宅での看取りが現在の約2倍必要になるものと推計されます。

 こうした背景のもと、幸せな最期を迎えられる「終の住み処」づくりが必要となります。

 具体的には在宅医療の支援に必要な情報を関係者で共有できるしくみづくりをはじめ、在宅リハビリテーションや訪問看護ステーションなど、在宅療養患者を支援するシステムづくりを推進してまいります。

 併せて、医師や看護職員等の人材確保を図るため、引き続き、女性医師の働きやすい環境づくりや、医師養成奨学金の貸与等を行うとともに、新たに、地域の医療関係者等が医学生のサポーターとなることにより将来の地域医療の担い手を育てる取組、あるいは高齢化に伴い、より深刻となる認知症対策などの支援を総合的に推進してまいりたいと考えております。

 また、新たに、「地域を支えつなぐ医療専門職育成事業」により、薬剤師や看護師などの医療専門職を育成するための研修プログラムを策定することにより、臨床能力の向上を図ってまいります。

 併せて、がんなどの疾病の早期発見・早期治療を支援するため、「遠隔診断体制整備事業」により、本県の病理医が不足するという状況の中で、県全域で精度の高い病理診断が迅速に行えるよう、病理医や病理担当技師の育成を図り、遠隔病理診断体制の構築を図ってまいります。

 次に、4つ目の重点テーマであります、「低炭素社会実現」では、「低炭素型の交通体系の整備」、「家庭での地球温暖化防止」、「事業活動の低炭素化」を柱に施策を推進することといたしております。

 まず、交通分野における低炭素化に向けた施策として、温室効果ガスの削減効果が期待される電気自動車の普及促進に向けて、初期需要を創出するための施策や、充電インフラの整備について、官民がしっかりと連携しながら推進してまいります。

 また、低炭素社会の実現に向けましては、公共交通機関を活用した「エコ交通」を推進することが重要となります。

 併せて、国において検討されている「誰もがどこでも利用しやすい交通の実現」を柱とした交通基本法の理念、近年の急激な少子高齢化に伴う「買い物難民」、「医療難民」といった交通弱者に対する支援、スマートインターの設置促進や、さらには新名神高速道路の全線整備やリニア中央新幹線などの高速交通網整備の進展といった交通環境の変化に対応することも必要となってまいります。

 このため、「滋賀交通ビジョン」を策定し、本県を取り巻く環境の変化に対応した、西暦2030年頃のめざすべき交通の姿をお示しすることといたしております。

 次に、家庭での低炭素化の取組については、引き続き、太陽光発電システムの導入と省エネ断熱工事を複合的に行う個人に対して支援するとともに、「省エネ診断等地域支援活動推進事業」において、県内各地でフェアを開催し、民間団体の活動推進を図ることにより、家庭部門における温室効果ガスの抑制を図ってまいります。

 さらに、事業活動における低炭素化については、環境製品の生産やサービスの使用段階におけるCO2削減も事業者の貢献と評価する全国で類を見ないしくみを盛り込みたいと考えております。

 このしくみを効果的に機能させるための新たな評価手法につきましては、これまで明らかにされていなかった県内環境産業の低炭素社会への貢献を見える化し、事業者における、よりよい環境製品の生産、普及等へのインセンティブとなるよう、事業者の方々のご意見も伺いながら、具体的に検討を進めてまいりたいと考えております。

 次に5つ目の重点テーマであります「琵琶湖の再生」について申し上げます。

 まず、水環境・生態系の保全・再生に向けた施策として、「琵琶湖の総合保全に向けての調査・研究」に取り組みます。

 具体的には、新しい水質管理手法を構築するための「水質汚濁メカニズム解明調査」を進めるとともに、新たに「琵琶湖深湖底低酸素化と生物の関係究明」では、効果的な対策を検討し県民の皆さんと問題の共有を図るため、湖底生物群集を対象に、低酸素化による生態系への影響予測と評価をめざしてまいります。

 さらに、「南湖生態系の順応的管理方法の検討」では、南湖が抱える様々な問題に、対症療法ではなく計画的に取り組むための評価指標や保全・管理目標を設定するとともに、流動的な将来予測に即して事業を進めるための手法の構築をめざします。

 また、琵琶湖と人々の暮らしとの関わりを再生する施策として、「内湖再生ビジョン」の策定に向けた検討に着手するとともに、「内湖の在来魚生産機能の回復・向上試験事業」を実施いたします。

 かつて内湖は、ニゴロブナやホンモロコ等の資源の増大に大きく寄与してまいりました。

 新たに内湖の機能を取り戻すため、琵琶湖の内湖の中で最大の面積を有し、多種類の在来種の生息が確認され、水ヨシ帯もよく発達している西の湖において、ニゴロブナやホンモロコの稚魚放流や外来魚駆除を集中して実施し、その効果を判定することにより、内湖の水産資源造成の評価を行ってまいります。

 また、琵琶湖における外来魚対策を強化するため、新たに「オオクチバス稚魚発生抑制事業」に取り組んでまいります。

 具体的には、新たにオオクチバス親魚に的を絞った刺網や電気ショッカーボート、また多様な水域・時期の沖曳網等の駆除を実証的に実施し、効果的な駆除手法の確立を図ってまいります。

 一方、平成23年度は、「びわ湖の日」制定から、30周年にあたります。

 石けん運動の高まりなどを背景に「滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例」、いわゆる琵琶湖条例が制定され、その施行1周年を記念して、7月1日を「びわ湖の日」とすることが決定されました。

 その30周年を契機に、あらためて、琵琶湖の価値や「びわ湖の日」の意義について考え、琵琶湖にもっと関わるきっかけづくりとするために、記念シンポジウムの開催や各種の交流事業を実施いたします。

 事業の実施に当たりましては、県内だけでなく下流域の方々にも幅広く情報発信し、事業への参加を呼びかけ、琵琶湖のことを知っていただき、琵琶湖との関わりを深めていただく取組にしたいと考えております。

 さらに、琵琶湖淀川流域の統合的視点からは、「琵琶湖環状線小学生体験学習プログラム支援事業」により、下流の京都、大阪の小学生の皆さんが、琵琶湖環状線を活用して北びわこ地域を訪問し、地元の小学校との交流や地域の伝統産業の体験学習の場づくりに支援してまいります。

 琵琶湖の下流域に住む小学生の皆さんが、普段何気なく使っている水道の蛇口の源を知ることによりまして、まさに蛇口の向こうにある琵琶湖を大切に思う心を育んで、次世代育成を図っていけたらと願っているところでございます。

 次に6つ目の重点テーマ「滋賀の未来成長産業」について申し上げます。

 まず、新たな分野への挑戦とグローバル化対応の支援の観点から、国内大手自動車メーカー等に対して県内中小企業のすぐれた製品や技術を直接売り込んだ「近江技術てんびん棒事業」の成果を踏まえ、「『てんびん棒中国へ渡る』事業」を実施し、本県の環境関連産業にとって大きなビジネスチャンスが見込まれます中国湖南省への販路開拓を推進してまいります。

 また、中小企業振興のための条例の制定についてでありますが、11月県議会定例会において、実ある条例を制定するためには、2年程度の期間が必要と申し上げたところでございます。

 このため、平成23年度においては、条例の制定に向けて、本県の実態や関係者の意向を踏まえ、条例の内容を深く検討し、中小企業振興のあり方を取りまとめてまいりたいと考えております。

 具体的には、「中小企業振興の基本的なあり方検討・推進事業」において、実態調査や中小企業の方々などとの意見交換を行う研究会の実施などにより、本県の中小企業の実態をきめ細かく把握するとともに、中小企業者や有識者の方々など条例策定のための委員会により条例内容について検討を行ってまいります。

 さらに、太陽電池やリチウムイオン電池の急速な需要拡大によって、電池部材を供給する県内の中小企業にとっては大きなビジネスチャンスであるとともに、今後の開発競争の激化が見込まれます。

 こうした中小企業に対して、工業技術センターに「電池産業支援拠点」を形成することにより、電池産業が本県の主要産業として発展・集積するための支援を行ってまいります。

 7つ目の重点テーマである「地域の魅力まるごと産業化」においては、滋賀の魅力や価値を活かす農業と観光について施策展開を図ってまいります。

 まず、本県の食材の地域ブランド力を一層高めるため、近江米や近江牛などの滋賀を代表する食材について、生産者団体等との連携により、県外における販路の開拓・拡大を進める「広めよう、おいしい滋賀発信事業」を実施いたしてまいります。

 また、「近江牛輸出促進事業」により、アジアを中心とする消費市場の拡大など、魅力的な市場が形成されつつある中で、滋賀食肉センターから輸出可能となる国・地域の拡大を受け、海外、特にアジアを中心に近江牛の販売促進を図り、国内同様に「近江牛」のブランドイメージの確立を図ってまいります。

 さらに、本県の魅力の発信に向けて、新たに「『美の滋賀』発信事業」の文化的事業に取り組んでまいります。

 今年度、フランス・パリで開催された「アール・ブリュット・ジャポネ展」が大変な成功を収め、今月初旬には本県でその凱旋展「パリに行った作家たち」が開催されました。

 この成功の背景には、滋賀ならではの、古琵琶湖層のような豊かな自然の粘土資源や、信楽の伝統的産業の蓄積や焼き物活用の生活文化、さらに、糸賀一雄さん以来の福祉の取組の歴史があります。

 アール・ブリュットのように、滋賀の人や地域が持つ力が生み出した本県の美の魅力をさらに発掘し、磨きをかけ、より一層力強く発信してまいります。

 さらに、「近江の仏教美術等魅力発信・再生支援事業」では、文化財の探訪ツアーや、文化財の修理現場を広く公開し、観光資源として活用する取組に対する支援を通じて、県内外の多くの人々に、滋賀の社寺建築や仏像など、地域社会の中で住民の皆さんの祈りの心により守られてきた仏教美術の価値と魅力の発信に努めてまいります。

 このような本県ゆかりの仏教美術や、アール・ブリュットおよび近代美術館の発信のあり方に関する検討委員会を設置し、県民の皆さんとともに、滋賀の誇るべき文化的資産の保存と活用に関するしくみづくりを通して、滋賀の美の発信事業に着手してまいりたいと考えております。

 最後に、8つ目の重点テーマ、「みんなで命と暮らしを守る安全・安心」についてです。

 まず「危機管理センター基本計画策定事業」ですが、様々な危機事案に迅速・的確に対応するため、県の危機管理機能の充実をめざし、防災関係者、専門家、県民の皆さんのご意見を幅広く聴きながら、災害対策拠点となる危機管理センターの機能について検討し、基本計画を策定いたします。

 また、刑法犯認知件数は全国的に減少傾向にありますが、本県は8年ぶりに増加に転じるなど、たいへん厳しい治安状況にあります。

 「犯罪の起きにくい社会づくりのための『地域の絆』」再生事業」では、時代とともに薄れつつある地域の絆を再生強化することにより、真に犯罪の起きにくい社会の実現をめざしてまいります。

 さらに、河川が本来持つ治水機能を確保し、治水安全度の向上を図るため、「みずべ・みらい再生事業」においては、浚渫、草木伐開、護岸補修について、今年度と比べて15億円の増となる23億円あまりを計上し、重点配分を行ったところでございます。

 加えて、「水害に強い地域づくり事業」では、市町や住民の皆さんとの協働により、「水害に強い地域づくり計画」を引き続き策定するとともに、地域の水害特性について、子どもから高齢者の方に至るまで、視覚で理解し、自ら備えていただけるよう、バーチャルリアリティ画像を作成し、公民館や学校等への出前講座などで活用し、県民の皆さんの水害に対する意識の高揚を図ることとしております。

 併せて、「水に耐える」耐水化建築のガイドライン案を作成し、安全な住まい方へ誘導することにより、人的被害と深刻な資産被害を回避するための取組を推進してまいります。

 以上、8つの重点テーマに関する主な取組について申し上げましたが、
これらを実効あるものとして推進していく上で重要となるのが、部局間の横つなぎと地域主権改革でございます。

 今回の予算編成に当たりましては、県政を取り巻く様々な課題の解決に向けて、県民の皆さんの生活現場に沿った願いや思いを活かすために、関係部局が共通の目標を持って取り組むとともに、部局間の緊密な連携を図ることにより、最小の経費で最大の効果が得られるよう徹底してまいりました。

 さらに、厳しい財政状況の中で、特別な事業予算を伴うことなく、県職員の経験、技能、技術や思いを活かすために、今年度に引き続き、職員の「知恵だし汗かきプロジェクト」を推進してまいります。

 防災や環境の出前講座をはじめ、職員自身が知恵をしぼり、自ら汗をかいて、行政自身が、県民の皆さんの生活現場に参加をさせてもらう、いわゆる「行政参加」によりまして、双方向の対等な対話が生まれ、共感を育むことができるよう、着実に取組を進めてまいります。

 一方で、地域主権改革、国の縦割りの施策を横につなぎ、県庁の本来持っている力を発揮できる地域主権改革の取組が喫緊の課題でございます。

 これらを通じて、県庁という組織が持つ力を最大限に発揮し、いわば「チーム滋賀県庁」として、県民の皆さんのニーズに寄り添いながら、職員が一丸となって政策効果を上げてまいりたいと考えております。

 以上、一般会計に係る主な施策の概要を申し上げましたが、このほか、特別会計は、13会計で1,776億6,154万3千円、企業会計は3会計で305億4,760万円を計上いたしております。

 今回の予算案におきましては、県民の皆さんとのお約束としてお示しいたしましたマニフェスト2010「もったいないプラス」における150項目の提案施策のうち、137項目の施策について具体化の上、計上いたしております。

 また、予算編成過程の公開を通じた県政の「見える化」の推進など、事業予算を伴わない13の施策につきましても、その取組を推進したところでございます。

 厳しい財政環境の中ではございますが、これらの施策を通じて、次の時代を見据え、子や孫にツケを残さないよう、また、経済的活力を維持、さらに発展させ、未来への種をまき、その「芽」をしっかりと出し、着実に育てることにより、「住み心地日本一」の滋賀県づくりに向けて、私自身全力を尽くしてまいる覚悟でございます。

 次に、滋賀県基本構想案について申し上げます。

 新しい滋賀県基本構想は、平成19年度に策定しました現行の基本構想に基づく取組の成果を活かすとともに、2010年7月のマニフェストでお示しした未来成長戦略を踏まえ、平成23年度から平成26年度まで4年間の県政の最上位計画として策定しようとするものでございます。

 提案いたしております基本構想案においては、社会成長と経済成長という2つの成長で未来を拓く「滋賀の未来戦略」を掲げております。

 社会成長とは、少々耳慣れない言葉であるとは思いますが、人と人との絆をつなぎ、人と自然とがつながる中で、県民の皆さんの不安の解消や社会的な課題の解決を行い、生活の質を高め、生活の満足度を高める、そして、それが社会の質を高めていくという考え方でございます。

 そして、2つの成長の原動力となるのが、これまでから大切にしてきました「人の力」「自然の力」「地と知の力」であります。この3つの力を活かした取組を進めることにより、社会的課題の解決と経済の好循環につなげてまいりたいと考えております。

 そこで、「未来戦略プロジェクト」として、時代の流れを見据え、先駆的・戦略的に取り組んでいくべき、さきにご説明したように8つの重点政策を掲げたものでございます。

 次に、滋賀県文化振興基金条例の制定について申し上げます。

 平成21年の7月に滋賀県文化振興条例を公布・施行し、本年3月には条例に基づき、文化振興に関する基本方針を策定することとしております。

 これを機に、滋賀の魅力ある文化の振興に資する事業の推進を図るため、新たに滋賀県文化振興基金を創設しようとするものでございます。

 この基金につきましては、近代美術館美術品取得基金と陶芸の森陶芸作品取得基金の両基金の積立残高を全額積み替えて設置することとし、今後は、美術品や陶芸作品の購入をはじめ、県内の文化団体の皆さんが文化振興条例の基本的施策に沿った取組をされる際に支援を行うなど、文化振興のために幅広く活用できる基金とするものでございます。

 また、基金の設置後は、文化の振興に資することを目的とした寄附の受け皿として、個人や企業などに対し広く基金に対する寄附を呼びかけることとしております。

 県民の皆さんをはじめ、文化に志を有する幅広い企業や団体と県が手を携えて、滋賀の文化を共に支えるしくみづくりの契機としてまいりたいと考えております。

 次に、滋賀県低炭素社会づくりの推進に関する条例の制定について申し上げます。

 昨年12月にメキシコのカンクンで開かれました、気候変動枠組条約第16回締約国会議、いわゆるCOP16においては、「産業革命以降の気温上昇を2℃未満に抑える」ことが合意されました。

 地球温暖化は、今や世界が未来へのリスクとして認めている人類共通の課題となっております。

 また一方で、発展途上国の経済成長は、化石燃料の大量消費に伴う大気中の温室効果ガスの増加をもたらすとともに、世界のエネルギー需要を急増させ、中長期的には資源エネルギー価格の上昇が見込まれるなど、化石燃料に依存した私たちの社会に大きな影響を与えることとなります。

 あらためて申し上げるまでもなく、化石燃料を含め、資源は有限であります。

 私たちの社会を持続可能なものとするためには、また既に影響が現れはじめている、地球環境問題への小さな窓とも言える琵琶湖をかかえる滋賀県に暮らす私たちは、いずれ枯渇する化石燃料に依存しない低炭素社会の実現に向けて、先駆的に歩みを進めていかなければなりません。

 本県では、一昨年の12月に、県議会の議決をいただき、「2030年における温室効果ガス排出量を1990年比で50%削減された低炭素社会の実現」という目標を掲げた、第三次滋賀県環境総合計画を策定したところでございます。

 低炭素社会づくりを進めていくために、今回の条例におきましては、県の取組や事業活動における取組、さらには、日常生活や交通対策の中での自動車に関する取組など、県、県民、事業者など様々な主体や分野における取組を規定しております。

 中でも、事業者の皆さんには、低炭素社会づくりに関する計画を定めていただき、提出いただく制度を規定しております。

 これは単に、事業者に対し温室効果ガスの排出削減を求める規制的なものではなく、すでに述べましたように製品の製造やサービス提供を、事業者自身の取組努力として評価することにより、事業者の事業活動そのものを支援し、環境関連産業の発展とともに環境の保全を図ろうとするものでございます。

 今後は、この条例に基づき、県民や事業者の皆さんとより一層の連携を図りながら、県民の皆さんの豊かな生活と地域経済の発展を埋め込んだ低炭素社会の実現につなげるよう努めてまいる所存でございます。

 次に、滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例の改正について申し上げます。

 平成14年10月に制定いたしました「滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例」は、琵琶湖の水質や生態系などの自然環境の保全と、騒音などの迷惑行為から住民の生活環境を守ることを目的に、住宅地周辺でのプレジャーボートの航行を規制するとともに、従来型2サイクルエンジンを平成20年4月から規制することを定めたものでございます。

 今回の条例改正につきましては、平成18年3月の県議会における「知事は、平成22年度までを目途として、この条例の施行の状況および水上オートバイによる迷惑行為の状況を踏まえ、必要な見直し等の措置を講ずること」という附帯決議を踏まえ、滋賀県琵琶湖レジャー利用適正化審議会からの答申をもとに、県民の皆さんから広くご意見をお伺いした上で、提案させていただくものでございます。

 琵琶湖の関西広域における価値を考えますと、地域住民の皆さんの生活環境に影響を及ぼさないことはもちろんのこと、生態系や水質への影響を最小限に留めながら、琵琶湖と共生する滋賀県らしいレジャースタイルを確立していくことが重要であると考えております。

 今回の改正案では、琵琶湖が健全に保全されてこそ、初めてレジャー活動が成り立つとの考えから、琵琶湖の良好な利用環境の確保を図るとともに、養殖場等を保全するため、航行規制水域を新設することとしております。

 また、従来型2サイクルエンジン規制を確実に行うために、条例に適合したエンジン搭載艇への適合証の表示を義務化するほか、平成24年10月から従来型2サイクルエンジンの航行等に対して罰則を科すことを定めております。

 琵琶湖は、今を生きる私たちにとってだけではなく、次の世代にとっても、かけがえのない国民的財産であるという強い意思を持って、県民の皆さんをはじめ、多くの方々の御協力のもとに、レジャー利用の適正化を推進してまいりたいと考えております。

 次に、滋賀県暴力団排除条例の制定について申し上げます。

 県内においては、昨年12月末現在、13組織、約250人の暴力団構成員等が把握されております。

 最近においては、暴力団の組織実態の不透明化の傾向が強まり、また、その資金源につきましても、覚せい剤の密売や賭博などに加え、民事介入暴力や行政対象暴力のほか、振り込め詐欺や公的融資制度を悪用した詐欺事犯など、社会経済情勢の変化に応じた多様な資金獲得活動を行っており、活動実態の不透明化の傾向が一層強まっております。

 さらに、けん銃を使用した凶悪犯罪も後を絶たず、本県におきましても、昨年10月には草津市内において暴力団関係者によるけん銃発砲を伴う殺人未遂事件が発生いたしました。

 こうした実態を踏まえ、これまでから、各種の法令を駆使した取締りや関係団体と連携した暴力団排除活動を徹底しているところでありますが、なお社会から暴力団を一掃するには至っていないのが現状でございます。

 今回の条例案においては、県の事務、事業から暴力団を排除するとともに、学校等の青少年関係施設等の周辺における暴力団事務所の新規開設や運営を禁止する規定を設けるほか、

 事業者が暴力団員等に対して暴力団の威力を利用する目的で利益を供与することの禁止などについて規定するものでございます。

 「警察による暴力団取締り活動」と本条例に基づいた「県民総ぐるみでの暴力団排除活動の推進」を両翼といたしまして、本県からの暴力団排除をより一層推進し、安全で平穏な県民生活と健全な社会経済の発展の確保に努めてまいりたいと考えております。

 次に、滋賀県産業振興戦略プラン案について申し上げます。

 「滋賀県産業振興戦略プラン」につきましては、平成20年に策定しました「滋賀県産業振興新指針(改定版)」が今年度末に計画期間の終了を迎えますことから、これに続く計画として、「滋賀県産業新戦略策定委員会」からの建議をもとに、平成23年度から平成26年度までの4年間の本県産業振興の新たな戦略として策定することといたしました。

 今回のプラン案では、滋賀県産業振興新指針により推進してきたこれまでの取組の成果や課題、めまぐるしく変化する経済・社会情勢などを踏まえつつ、本県産業の将来を担う人材の育成や従来の枠組みにとらわれない様々な「連携」の推進を強化するとともに、「選択と集中」の考えを重視し、本県において取り組むべき産業振興施策を総合的に推進していこうとするものでございます。

 このプランにおきましては、4つの戦略領域として、「環境」、「医療・健康」、「モノづくり基盤技術」ならびに「にぎわい創出・観光」を、今後さらに伸ばすべき分野とし、さらに、「グローバル化対応戦略」、「人財育成戦略」、「連携強化戦略」という3つの取組を分野横断戦略として定めることとしております。

 今後、こうしたプランに沿って、滋賀の特徴を一層活かしながら「人を育て産業をつなぐ“滋賀の戦略”」に取り組み、本県産業を振興してまいる所存でございます。

 次に、しがの農業・水産業新戦略プラン案について申し上げます。

 「しがの農業・水産業新戦略プラン」につきましては、平成18年に策定しました現行のプランが、今年度末で計画期限を迎えますことから、国が昨年策定した新たな食料・農業・農村基本計画や、本県の農業・水産業を取り巻く環境の変化を踏まえて、今後5年間の施策の展開方向を示す農業・水産業部門の基本計画として、新たに策定することといたしました。

 今回のプラン案では、「農業の安定経営と農村の活性化」、「消費者に支持される農業・水産業の振興」、「琵琶湖をはじめとした自然環境の保全」の3つの視点を基本にいたしまして、将来の姿として、

 (1)集落営農をはじめとする意欲ある担い手によって環境との共生をめざした農業・水産業が展開されていること、(2)人と人との絆に支えられた農村に活力がみなぎっていること、(3)安全・安心で高品質な近江米、近江牛、湖魚などが地域ブランドとして根付いていることの3つの目標を描いております。

 このプランのもと、滋賀のすぐれた農地や水、人、環境に配慮した農業技術といった力を最大限に活かし、農業・水産業の持続的な発展をめざして、生産者、関係機関・団体、さらには消費者の皆さんともしっかり連携しながら、力強く取り組んでまいる所存でございます。

 それでは、今議会に提出しております案件の概要についてご説明いたします。

 まず、条例案件でございますが、議第18号は、厳しい財政状況にありますことから、私や副知事等の給与の一部を減額しようとするものでございますし、議第19号は、職員の給与の一部を減額しようとするものでございます。

 議第20号は、滋賀の魅力ある文化の振興に資する事業を推進するため、新たに基金を設置しようとするものでございますし、議第21号は、農業改良資金助成法の一部改正に伴い、新たに特別会計を設置しようとするものでございます。

 議第22号は、低炭素社会づくりに関しての基本理念や、基本的な施策、事業活動の取組等に関する事項を定めるため、新たに条例を制定しようとするものでございます。

 議第23号は、暴力団の排除に関しての基本理念や、基本的な施策、暴力団事務所の開設等の制限などを定めるため、新たに条例を制定しようとするものでございます。

 議第24号は、滋賀県基本構想の実現に向け、県政の重要課題や部局横断的な政策課題に一体的に対応できる横つなぎの総合行政への転換を図り、企画立案や総合調整機能を強化するため、「県民文化生活部」を再編し、新たに「総合政策部」を設置しようとするものでございます。

 議第25号は、湖北地域の市町合併の進展に伴い、土木事務所を再編するため、所要の改正を行おうとするものでございます。

 議第26号、37号、および39号は、知事の事務部局の定数を削減するとともに、県立学校等における生徒数の増減や、政令における地方警察職員の定員基準の改正などに対応した職員定数に改めようとするものでございます。

 議第27号は、行政委員会の非常勤委員の報酬につきまして、「滋賀県行政委員会の非常勤委員報酬検討委員会」からの報告書を踏まえまして、所要の改正を行おうとするものでございます。

 議第28号は、障害者自立支援法の一部改正に伴いまして、所要の改正を行おうとするものでございますし、議第29号は、消費生活相談窓口の機能強化などの事業を平成24年度においても継続して実施できるようにするため、所要の改正を行おうとするものでございます。

 議第30号は、滋賀県経済振興特別区域に関する条例が、平成22年度末に失効することに伴い、経済振興特別区域における県税の課税免除および不均一課税の措置を廃止するため、所要の改正を行うものでございます。

 議第31号は、美術館等におきまして、障害者の方が企画展示を観覧される場合の観覧料を無料にするとともに、「産業廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の改正に伴い、所要の改正を行おうとするものでございます。

 議第33号および38号は、陶芸の森陶芸館および安土城考古博物館において、障害者の方が企画展示等を観覧される場合の観覧料を無料にするため、所要の改正を行おうとするものでございます。

 議第32号は、滋賀県名古屋観光物産情報センターを、平成22年度末をもって廃止するため、所要の改正を行おうとするものでございますし、議第34号は、県営住宅の管理について、指定管理者制度を導入することに伴い、所要の改正を行おうとするものでございます。

 議第35号は、滋賀県琵琶湖レジャー利用適正化審議会からの答申を踏まえまして、航行規制水域の類型の新設や、適合証の表示義務の追加などを行うため、所要の改正を行おうとするものでございますし、議第36号は、大津市営びわこ競輪事業の廃止決定に伴い、条例を廃止しようとするものでございます。

 次に、その他案件でございますが、議第40号および41号は、契約の変更について、議第42号は、財団法人滋賀食肉公社へ県の財産を出資することについて、議第43号および44号は、権利放棄について、

 議第45号は、琵琶湖流域下水道湖南中部処理区の管理経費に係る市町負担金について、議第46号から51号までは、指定管理者の指定について、議第52号は、包括外部監査契約の締結について、

 議第53号は、滋賀県基本構想の策定について、議第54号は、滋賀県産業振興戦略プランの策定について、議第55号は、しがの農業・水産業新戦略プランの策定について、それぞれ議決を求めようとするものでございます。

 以上、何とぞよろしくご審議いただきますよう、お願い申し上げます。

平成23年2月県議会定例会 知事提案説明(その2)

平成23年2月県議会定例会 知事提案説明(その2)

 造林公社の特定調停の合意等に係る議案について申し上げます。

 議第56号は、特定調停に伴う滋賀県造林公社に対する貸付金に係る補正予算案でございますし、議第57号は、滋賀県造林公社に係る調停の合意および権利放棄について、議第58号は、びわ湖造林公社に係る調停の合意および権利放棄について、それぞれ議決を求めようとするものでございます。

 3年余にわたります特定調停手続による協議・調整の成果として、調停委員会に提示されました、社団法人滋賀県造林公社ならびに財団法人びわ湖造林公社の調停条項案に同意し、特定調停の速やかな成立を期するため、本日、調停の合意および権利放棄に係る議案を提出いたしました。

 併せて、特定調停の合意等と関連して、滋賀県造林公社に対し、同公社が下流府市等に対する債務の一括弁済を行うために必要となる経費について、総額14億3,192万3千円の貸付を行うための補正予算案について、提出させていただいたところでございます。

 両公社は実質的に大幅な債務超過の状態にあったため、公社抜本改革への第一歩として特定調停を申し立てたのが平成19年11月でございました。

 以降、3年を超える長い時間を要しましたが、この間、滋賀県造林公社の社員でもある下流8団体の皆様には、債権債務の問題としてだけではなく、公社存続の必要性や琵琶湖の水環境に対する周辺森林の重要性など、多岐にわたって常に真摯なご議論をいただきました。

 今回の条項案受諾に前向きなご回答をいただきました下流8団体の皆様にはあらためて心より深く感謝申し上げます。

 もとより、今回の債務調整におきましては、最大の債権者である本県にも、両公社あわせて約770億円という巨額の債権放棄と約14億円の新規融資が求められており、非常に大きな県民負担をお願いすることになります。

 本県財政が危機的な状況にある中で、先の旧農林漁業金融公庫の免責的債務引受に続いて、県民の皆さんにはこのような事態に立ち至らざるを得なかったことにつきまして深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。

 私といたしましても、県民の皆さんに対して、ご説明をしっかりとしなければならない、大変、重い責任を負っているものと認識しております。

 こういった処理を取らざるを得なくなった背景について申し上げれば、昭和40年代の公社設立時のビジネスモデルとしての計画性の甘さや、分収林制度の持つ構造的な問題もございましたが、分収林事業を国策として推進してきた国が責任ある対応をとってこなかったこと、いわば課題の先送りに終始し、この不条理さを放置、温存させてきた点を指摘せざるを得ません。

 議員の皆さまのお力添えもいただきながら、これまで本県独自の取組はもちろん、他府県と連携しながら、知事会などを通し国に対して様々な要請を行ってまいりましたが、時間を置けば置くほど巨額の債務が膨らんでいく公社改革は待ったなしであります。

 ここは下流団体の協力もいただきながら、まさに流域自治の精神のもと、上下流助け合いながら、地域の責任において将来にツケを残さず、今、債務処理を進めるべきと決断をさせていただきました。

 今回の債務調整が成就したといたしましても、公社抜本改革はまだ緒に就いたばかりと理解をしております。

 関西1,400万人の命の水でもあります、琵琶湖の水源かん養機能保全の取組、確実な伐採収益の確保、公益法人制度改革への対応など、まだまだ課題は山積いたしております。

 併せて、国に対する支援要請も、あらためて強力に進めていく必要があります。今後も不断の見直しを続けていかなければならないと強く決意をいたしております。

 議員の皆様には、両公社の特定調停成立の必要性にご理解を賜り、何とぞよろしくご審議いただきますよう、お願い申し上げます。

平成23年2月県議会定例会 知事提案説明(その3)

平成23年2月県議会定例会 知事提案説明(その3)

 ただいま提出いたしました議案のうち、議第59号から63号の概要についてご説明申し上げます。

 本日、提出いたしました議案につきましては、いずれも国の補正予算への対応を図ろうとするものでございます。

 我が国の厳しい経済・雇用情勢や先行きへの懸念を踏まえ、政府においては、昨年10月に「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」が閣議決定され、これを受けて、緊急総合経済対策分約4兆8千億円を含む補正予算が編成され、11月26日に成立いたしました。

 このことを受け、本県におきましても、国と歩調を合わせ、補正予算を編成し、昨年11月県議会に提出させていただいたところでございます。

 今回の議案におきましては、11月県議会以降、制度の詳細が判明したものなどにつきまして、新たに提出させていただいたものでございます。

 まず、議第59号の、平成22年度の一般会計補正予算案の概要について申し上げます。

 主な事業について申し上げますと、新たに創設された「きめ細かな交付金」を活用し、県立学校の施設改修や、信号制御器、道路標識の更新を始めとして、各分野における施設や設備の改修等を実施する経費として、16億175万5千円を計上しております。

 また、同様に、今回新設された「住民生活に光をそそぐ交付金」の活用によりまして、「地方消費者行政」、「弱者対策・自立支援」、「知の地域づくり」の各分野における施策の推進を図ってまいります。

 さらに、「新しい公共支援基金」、「子育て支援対策臨時特例基金」、「介護基盤緊急整備等臨時特例基金」、「障害者自立支援対策臨時特例基金」、「地域自殺対策強化基金」について、新設や増額を行うとともに、生活福祉資金の貸付原資の確保を図るため、県社会福祉協議会に対する補助を行うことといたしております。

 これらの結果、補正予算額は、総額で51億4,915万5千円の増額補正となったところでございます。

 今回の補正予算の編成を通じて、引き続きたいへん厳しい経済・雇用状況の克服に向けて、内需を高め、雇用を生み出し、県民の皆さんの安心につなげてまいりたいと考えております。

 次に条例案件について申し上げます。

 議第60号は、「住民生活に光をそそぐ交付金」を活用し、住民生活にとって重要で、充実した対応が求められる分野における取組の強化を図るため、新たに基金を設置しようとするものでございます。

 議第61号は、「新しい公共支援事業交付金」を活用し、多様な主体と協働して行う先進的な活動の推進等を図るため、新たに基金を設置しようとするものでございます。

 議第62号は、高齢者等を地域の多様な主体が支え合うことができる体制の整備を図るため、所要の改正を行うものでございますし、

 議第63号は、地域自殺対策緊急強化事業の実施期限が1年間延長されたことに伴い、本県における喫緊の課題である自殺対策について、強化を図るとともに、平成24年度においても継続して事業を実施するため、所要の改正を行おうとするものでございます。

 以上、何とぞよろしくご審議いただきますよう、お願い申し上げます。

平成23年2月県議会定例会 知事提案説明(その4)

平成23年2月県議会定例会 知事提案説明(その4)

 引き続きまして、議第64号の概要についてご説明申し上げます。

 議第64号は、平成23年度における補正予算でございまして、ただいま申しあげた平成22年度の補正予算により、基金に積み立てましたものを、平成23年度において取り崩して事業実施を図るため、総額で8億7,374万5千円を計上しております。

 主な内容について申し上げますと、「住民生活に光をそそぐ交付金」を活用した事業として、県内にお住まいの外国人の方に対して、生活に必要な情報をお届けするためにテレビ放送を実施するとともに、配偶者からの暴力対策の強化、スクールカウンセラーの追加配置などに取り組んでまいります。

 また、「新しい公共支援基金」関連事業として、NPO等の自立的活動に対する支援を図るほか、その他の基金関連事業として、多様な主体との協働による地域の支え合い活動に対する支援、市町が実施する介護基盤の整備に対する支援、障害者の自立支援対策、自殺予防対策の強化、子育て支援対策の推進を図ってまいります。

 このように、国の補正予算を有効に活用し、本県の実情に即した施策に取り組むことにより、県民の皆さんの安心につなげてまいりたいと考えております。

 以上、何とぞよろしくご審議いただきますよう、お願い申し上げます。

平成23年2月県議会定例会 知事提案説明(その5)

平成23年2月県議会定例会 知事提案説明(その5)

 ただいま提出いたしました議案の概要についてご説明申し上げます。

 議第65号の一般会計補正予算につきましては、年度内における各事業の執行状況および最終的な財源見通しに基づき所要の調整を行い、総額で41億1,266万6千円の増額補正を行おうとするものでございます。

 まず、歳入についてでございますが、県税は、平成21年度の企業収益の回復の影響などにより、総額で144億6千万円の増額となりました。

 その主な内訳は、法人二税が110億6千万円余の増、個人県民税が24億5千万円余の増、軽油引取税が11億9千万円余の増となっております。

 また、地方交付税は、決定状況を踏まえ33億円余の増額を行うものであり、県債につきましては、臨時財政対策債について、地方交付税と同様に、決定状況を踏まえ32億7,000万円の増額を行う一方で、退職手当債の発行を取りやめるなど、発行抑制に努め、県債全体としては46億3千万円余の減額を行おうとするものでございます。

 次に、歳出についてでございますが、国民健康保険関係経費や道路除雪費等を実績に基づき増額いたしますとともに、中小企業関係の貸付金の不用をはじめ、人件費や一般行政経費につきまして、執行残等を精査するなど所要の調整を行うこととしております。

 併せまして、今回の補正予算においては、当面する諸課題への対応のため、それぞれの目的に沿って、基金への積立額の増額や取崩額の減額を行うことにより、その残高の確保を図ることとしております。以下、それぞれの基金について申し上げます。

 まず、福祉・教育振興基金についてでございます。

 3年前の中国四川省での大地震や、先月発生したニュージーランド地震においては、建物の倒壊により、多数の方々の尊い命が失われました。こうした地震災害を始めとする災害対策の推進は、本県にとって緊急の課題であると考えてまいりました。

 特に学校は、子どもたちにとって学びの場であるとともに、1日の大半を過ごす生活の場でもあります。

 安全と安心の学校づくりは、まさに子どもたちの生命に関わるもので、その耐震対策は本県の重要課題の1つであります。

 このため、県立学校の耐震対策のできるだけ早期の100%完成を目指し、加えて今後の福祉・教育施策の推進に向けて、福祉・教育振興基金について、65億3,000万円余の増額を行うこととしたところでございます。

 次に、環境保全基金についてでございます。

 地球温暖化という人類共通の課題に対応し、化石燃料に依存しない低炭素社会の実現に向けて、先駆的に歩みを進めていかなければならないという認識のもと、今議会においては「滋賀県低炭素社会づくりの推進に関する条例」の制定について提出し、ご審議いただいているところでございます。

 低炭素社会の実現に向けては、事業活動や家庭における取組等、県をはじめ、県民や事業者の皆さんなど、様々な主体や分野における取組を進めていくことが不可欠となります。

 このため、持続可能な社会の実現を目指して、地球温暖化対策を始めとする環境保全対策の一層の推進を図るため、環境保全基金について約5億円の積み立てを行うこととしております。

 併せまして、本県における医師不足に対応し、魅力ある病院づくりや女性医師の働きやすい環境づくり、地域医療に積極的な医師の養成等、総合的な医師確保対策の推進を図るため、医師確保対策基金について5億円余の増額を行うほか、

 鉄道利用者の利便性向上を目指し、エレベーターの設置や障害を持つ方が利用しやすいトイレの設置等、今後の鉄道駅のバリアフリー化の推進に向けて、鉄軌道関連施設整備促進基金について約5億円の積み立てを行うこととしております。

 さらに、昭和58年の建造以来、40万人以上の子どもたちに琵琶湖学習の機会を提供してきた学習船「うみのこ」は、建造後27年以上を経過し、近い将来、新船の建造が必要となります。

 そのため、「学習船建造基金」について、約5億円の積み立てを行うこととしております。

 このような歳入、歳出の調整を図った上で、本年度予定しておりました財政調整基金と県債管理基金の取崩額を減額するとともに、積み立てを行うことにより、平成23年度末の見込みで両基金合わせて約115億円の残高を確保することといたしております。

 このように、将来世代の負担軽減を図るために、県債発行額の減額や、基金残高の確保を図りながら、引き続き厳しい状況が見込まれる後年度の財政運営や、当面する課題への対応に備えてまいります。

 議第66号から79号までは、特別会計および企業会計につきまして、所要の調整を行ったところでございます。

 次に、その他の案件について申し上げます。

 議第80号は、契約の締結について、議第81号は、財産の処分について、議第82号は、損害賠償請求調停事件の調停の合意および損害賠償の額を定めることについて、

 議第83号から85号までは、県の行う建設事業等に要する経費について関係市町が負担すべき金額を定めることについて、それぞれ議決を求めようとするものでございます。

 以上、何とぞよろしくご審議をいただきますよう、お願い申し上げます。

平成23年2月県議会定例会 知事提案説明(その6)

平成23年2月県議会定例会 知事提案説明(その6)

 議第86号から88号についてご説明申し上げます。

 議第86号から88号までは、一般会計、流域下水道事業特別会計、および土地取得事業特別会計の補正予算でございまして、関係機関との協議調整に時日を要したことや、市等の事業が遅延したことなど、諸般の事情により年度内に事業執行の見通しが得られない経費につきまして、繰越明許費として、平成23年度に繰り越しをしようとするものでございます。

 このうち、一般会計につきましては、国の補正予算に係る事業分をはじめ、補正後で171億7,854万7千円となりまして、前年度に比べ
75億3千万円余の減となっております。

 今後は、これらの工事等の計画的かつ円滑な執行を図り、早期に所期の事業目的を達成できますよう、努めてまいる所存でございます。

 以上、何とぞよろしくご審議いただきますよう、お願い申し上げます。

平成23年2月県議会定例会 知事提案説明(その7)

平成23年2月県議会定例会 知事提案説明(その7)

 ただいま提出いたしました議案のご説明に入ります前に、このたびの地震災害について申し上げます。

 去る3月11日に発生いたしました、東北地方の太平洋沖を震源とするわが国観測史上最大のマグニチュード9.0という未曾有の巨大地震と、それに伴う大津波は、東北地方を中心として甚大な被害をもたらし、時を追うごとに、より深刻な状況が明らかになってきております。

 このたびの災害により、多くの方々の尊い命が失われ、さらにまた、今もなお安否が確認できない方が数多くいらっしゃることに、私としても胸が締めつけられるような深い痛みを感じております。

 県民の皆さんとともに、このたびの災害でお亡くなりになられました方々と、そのご遺族に対しまして、深く哀悼の意を表しますとともに、今なお多くの行方不明の方々の一日も早い所在確認をお祈りし、負傷された方々や避難生活を余儀なくされている方々に心からお見舞いを申し上げます。

 本県といたしましては、11日の地震発生後、直ちに緊急の幹事課長会議を開催するとともに、「警戒2号体制」を立ち上げ、防災危機管理局において24時間態勢で取り組んでいるところでございます。

 また、この土曜日、日曜日には各部局の幹事課においても要員を配置するなど、迅速な情報収集と情報提供に当たってまいりました。

 被災地への本県からの派遣の状況でございますが、災害発生後速やかに、消防の緊急消防援助隊142名と、県警の広域緊急援助隊52名が派遣されるとともに、県の防災ヘリコプターも6名の職員とともに発災翌日の早朝に現地に向かい、現在、いずれも懸命な救助活動を続けているところでございます。

 また、県内医療機関に対しましては、災害派遣医療チームの派遣を要請し、これまでに、9チーム50人の医師と看護師等に現地における医療活動に当たっていただいております。

 さらに、関西広域連合の一員といたしまして、16年前の阪神・淡路大震災の被災地である関西だからこそ、その経験と教訓を活かし、関西が一つにまとまって、持てる力を結集し、できる限りの応援をしてまいりたいと考えております。

 そのために、昨日、急遽、関西広域連合の構成府県が集まり、被災地対策、支援物資等の提供、応援要員の派遣、そして避難生活等の受け入れを4つの柱として支援に取り組んでいくことについて、緊急声明としてお示しいたしました。

 今回の地震や津波による被害は、まさに歴史上まれにみる国家的危機であります。

 その甚大さに鑑み、引き続き、市町との協力のもと、できる限りの情報収集と支援に努めるとともに、関西広域連合とも連携を図りながら、被災された方々が一日でも早く、一人でも多く救助され、また少しでも安心してお過ごしいただけるよう、本県として、できる限りの支援に全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。

 今回の大災害に直面し、滋賀県政をお預かりする私といたしましては、学校や住宅などの耐震化を一層進めるとともに、「自助」、「共助」に支えられた地域の防災力の向上を図るなど、ハード、ソフトの両面からの防災や減災対策を進めるために、必死の覚悟で取り組んでまいりたいと、あらためて、決意を固めているところでございます。

 それでは、ただいま提出いたしました議案のうち、議第89号および
議第90号について、ご説明申し上げます。

 いずれも人事案件でございまして、議第89号は滋賀県監査委員に谷口日出夫さんを選任することについて、議第90号は滋賀県収用委員会予備委員に志賀文昭さんを任命することについて、それぞれ同意を求めようとするものでございます。

 以上、何とぞよろしくお願い申し上げます。
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