本文へ移動

現在位置 :トップページ議会だより › 滋賀県議会だよりWeb版 令和4年 9月定例会議

滋賀県議会だよりWeb版 令和4年 9月定例会議

会議の概要

会期: 令和4年9月20日 〜 令和4年10月14日

 9月定例会議では、「令和4年度滋賀県一般会計補正予算」をはじめとする知事提出議案35件と議員提出議案7件が上程されました。これらを審議した結果、意見書案2件を否決したほか、決算特別委員会を設置して休会中に審査することとした令和3年度滋賀県歳入歳出決算の認定議案等を除き、いずれも原案のとおり可決または同意しました。
 また、各委員会では、付託された各議案、その他所管事項について審査および調査を行いました。

●令和4年度滋賀県一般会計補正予算を可決
 原油価格・物価高騰への対応に係る経費など、総額31億7,018万9千円の一般会計補正予算を可決しました。
 補正予算には、価格転嫁が困難な事業者への支援の経費として6億3,309万7千円、7月・8月の大雨により被害を受けた箇所の復旧などの経費として17億3,200万3千円が計上されています。

主な質疑・質問

【行財政】
(問)
 令和5年度予算は三日月県政3期目の端緒となる重要な予算となります。新型コロナウイルス感染症や物価対策にしっかり対応しながらも、知事の思いである「健康しが」の実現に向けた予算編成を期待します。令和5年度予算編成について、県政を取り巻く諸課題への対応など、施策構築の方向性について伺います。
(答)
 新型コロナウイルス感染症の拡大等がもたらす社会構造の変化の中、コロナ禍で再認識した滋賀の強みを手がかりに「新しい豊かさ」を追求するとともに、一人ひとりの不安や孤独、生きづらさに寄り添い、子どもたちが将来にわたって幸せと誇りを感じられる「健康しが」を目指そうと考えています。
 そのため、あらゆる政策の中心に子どもを置いて、子どもの声や思いを尊重し、子どもとともに考えながら、社会全体で子どもの健やかな育ちを支える環境をつくっていくことが重要と考えています。
 これらを踏まえ、令和5年度に向けては、@「子ども・子ども・子ども」、A「ひとづくり」、B「こころとからだの健康づくり」、C「安全・安心の滋賀づくり」、D「グリーン・デジタルによる経済・社会づくり〜コロナからの反転攻勢〜」の5つの柱を中心に、市町ともしっかりと連携しながら、施策構築を進めます。
 さらに、今後も人口減少による急速な過疎化が予想される北部地域について、地域の魅力や可能性、北陸新幹線敦賀駅開業の機会等を生かし、その振興に臨んでいきたいと思います。

【県立高等専門学校 】
(問)
 県立高等専門学校の設置場所が野洲市内と示されました。高専制度が創設されて約 6 0 年が経過し、全国には既に多くの高専が存在します。各地から学生が集まるハイレベルで魅力的な学校となるには、特色や魅力を広く周知し認知度を高めるとともに、現在の小中学生に理工系への関心を高めてもらうなど、裾野を広げる取組が必要と考えますが、令和9年の開校に向けた知事の意気込みを伺います。
(答)
 県立高専が県内外から選ばれる学校となるには、子どもたちやその保護者、先生に、高専がどのような学校なのかを知ってもらい、具体的な進路の選択肢として意識してもらうことが重要だと考えます。
 また、裾野拡大の取組はさらに重要であり、県内の理工系大学や市町教育委員会、企業等の協力もいただきながら、一丸となって取り組む必要があると考えています。
 今後、小中学生を対象とした理工系の楽しさが分かる体験教室や、高専を卒業されて全国で活躍されている方などによるキャリア講演会や職場交流体験など、高専に入ってからの生活や、これまで県が推進してきた起業支援の取組も参考に、技術者としての自分の姿が具体的にイメージできるような周知を進めていきたいと考えています。
 こうした取組を通じて、令和の時代にふさわしい新しい高専像をしっかりと伝え、最速で令和9年度の開校を目指し、県内外の子どもたちから選ばれる高専を目指したいと思います。

【文化振興】
(問)
 建設費高騰などの事情により、最終的に予算面から断念することとなった新生美術館構想では、施設整備費の上限は 47 億円と設定されていました。今回の補正予算で県立美術館の改修費と(仮称)新・琵琶湖文化館の整備費を合わせて約 83 億円の予算を投入する以上、新生美術館構想を上回る効果が期待されて然るべきですが、滋賀の美の魅力発信をどのように充実・発展させていくのか伺います。
(答)
 新しい文化館の基本計画に基づく今回の整備では、従来の「博物館機能」に加え、新たに「地域の文化財のサポートセンター機能」や「文化観光の拠点となるビジターセンター機能」を持たせ、地域で大切に守られてきた文化財の保存・活用等の拠点として機能の充実強化を図ったところです。
 一方、美術館は、これまでの取組に加えて、法律に基づく文化観光拠点施設として、地域に根差した文化やアートを楽しみながら県内をめぐる「文化ツーリズム」に繋げる取組を進めており、今後さらなる魅力化に向けて機能向上の検討を行っていきたいと思います。
 新しい文化館の開館の際には、こうした重要な役割を担う2つの施設が両輪となって、力強く事業を展開することで、滋賀の美の魅力発信をより充実したものにしたいと思います。

【医療政策政策】
(問)
 地域医療は県民の安心の要ですが、団塊の世代が75歳以上になる2025年問題や医師の働き方改革など様々な課題があります。滋賀県保健医療計画の見直しに当たって、これらの課題に対する知事の見解を伺います。
(答)
 高齢化がさらに進み、医療需要の増加や疾病構造の変化が生ずる一方で、医師の働き方改革を実現する必要があり、このためには、 効果的、効率的に質の高い医療を提供する体制を構築することが課題であると認識しています。
 こうしたことから、二次保健医療圏内で高度急性期からリハビリテーション、在宅医療、看取りまで切れ目ない医療を提供するため、医療機能の分化・連携や、地域で安心して暮らせる地域包括ケアシステムの充実にしっかりと取り組んでいきます。

【農業】
(問)
 近年の猛暑や大雨、干ばつなど世界各地で起きている気候変動の影響により、農作物の収穫量の減少や品質悪化などが問題となっています。近年の気候変動に対する本県農業の適応策の効果について現 状の評価と、今後の新たな取組について伺います。
(答)
 現在、水稲では、「みずかがみ」の作付けが約3千ヘクタールまで拡大しており、近江米の品質向上に貢献していると考えています。
 また、ドローンを活用した生育診断技術の開発や水田の地力マップの作成などにより、気候変動に対応した適切な施肥管理の普及指導に努めているところです。
 施設野菜については、台風等に備えた事業継続計画に基づくパイプハウスの強靭化などの対策に対して支援を行い、約 11 ヘクタールで取り組まれています。
 さらに、遮光資材を活用した施設野菜の高温抑制技術や、ブドウの着色不良の発生を抑制する技術などの普及に取り組んでいます。
 今後の新たな取組としては、@水稲については温暖化に適応した中生(なかて)の新品種の作付け拡大Aお茶については温度や湿度などデータを活用した病害虫発生予察技術の開発と普及B施設野菜についてはICTを活用した環境制御技術の普及などを進めたいと考えています。

【災害復旧】
(問)
 8月5日に長浜市木之本町川合付近で高時川が氾濫しましたが、全国各地で発生している洪水等の状況を見ると流木や土砂の流 出などによって、橋や堤防などの構造物に大きな被害が発生していることが見受けられます。大規模出水後、広範囲に発生する災害に対し、迅速に復旧することが重要と考えますが、どのように対応していくのか伺います。
(答)
 発災後、迅速に広範囲にわたる状況を把握するため、ドローンを活用した職員のパトロールや、防災ヘリによる確認、市町の情報を早く得るための情報連絡員の派遣を行うなど、国や市町とも連携し情報収集しています。
 状況把握後、緊急を要する被災箇所について、地域特性を熟知している建設業協会との応援協定に基づき、隣接す る協会支部間の応援も含め、随意契約により応急復旧工事を実施しています。
 さらに、平常時から、土木事務所職員と建設業協会会員が参加して、出水時のタイムラインの確認や復旧シミュレーション等の訓練を実施しており、今後も大規模出水時の迅速な対応ができるよう努めていきます。

【警察】
(問)
 ここ数年、県警察は、捜査力の強化、交通安全対策の新プラン導入、サイバーセキュリティ強化に向けた新戦略の展開など、情勢の変化に対応すべく精力的に活動され県民の期待に応えていただいていますが、一方で本県の警察官一人当たりの負担人口が 全国的に見ても極めて多く、警察官増員を実現しなければならないと考えます。県警察の体制強化の必要性に関する現状認識と緊急に手当てが必要な分野について伺います。
(答)
 警察官一人当たりの負担人口の事情もある中、犯罪・交通情勢の分析の高度化・精度の向上、捜査力のさらなる強化、サイバー空間の脅威への対処能力の強化等の社会情勢の変化や犯罪の悪質巧妙化等に的確に対応するための取組に加え、事件事故や各種通報・相談への対応など、マンパワーの面で必ずしも余裕のある状況にないと認識しています。
 こうした中、県警察においては、人身安全関連事案(ストーカー・DV・児童虐待など)への夜間休日も含めた対処体制の強化、サイバーセキュリティ対策部門の抜本的強化、国民スポーツ大会等に向けた警備諸対策の推進といった緊急に体制の構築・増強が必要な課題も抱えており、警察官増員も含めた体制強化が必要と認識しています。

※「中生(なかて)」
 種まきしてから収穫までの期間を早・中・晩に分けたとき、早生(わせ)と晩生(おくて)の中間のもの

代表質問・一般質問

審議した議案

Copyright © Shiga Prefecture. All rights reserved.