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滋賀県議会だよりWeb版 令和4年 11月定例会議

会議の概要

会期: 令和4年11月29日 〜 令和4年12月21日

 11月定例会議では、原油価格・物価高騰への対策として、価格転嫁が困難な医療機関等への支援のほか、人事委員会の職員の給与等に関する勧告を踏まえた給与費の増額などを行うため、総額28億1,628万8千円を追加する「令和4年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)」や、国の経済対策に係る補正予算に呼応し、原油価格・物価高騰対策や出産・子育て支援、県民の安全・安心の確保などに取り組むとともに、県独自の電子割引券発行による中小・小規模事業者支援「しが割」第2弾を実施するため、総額238億2,816万2千円を追加する「令和4年度滋賀県一般会計補正予算(第6号)」など、知事提出議案30件と議員提出議案3件が上程されました。
 各委員会では、付託された各議案、請願その他所管事項について審議等を行いました。
 これらの審議の結果、意見書案1件を否決したほか、いずれも原案のとおり可決または同意しました。また、9月定例会議において継続審議とされていた令和3年度滋賀県歳入歳出決算の認定等を求めること等について、認定または可決しました。

主な質疑・質問

【広域行政】
(問)
 知事が3期目の重要施策とされる「北部振興」を図る上で、中部・北陸圏との連携強化の重要性は高まっていると考えますが、何に重点を置いて取り組もうとされているのか伺います。
 また、第3代の関西広域連合長に就任されるに当たり、本県の広域行政推進も含め、県域を取り巻く地域全体の発展に向け、どのような方針で取り組むのか伺います。
(答)
 滋賀県、岐阜県、福井県の3県による「広域観光ループ」を形成することで、周遊観光等の魅力発信を行っていくなど、広域で地域間連携を進め、共通する課題を解決することにより、県北部地域の更なる振興も含め、県全体の発展に繋げていきたいと思います。
 また、このたび、関西広域連合長という重責を引き受けることとなりました。人口減少が全国的に進む中、持続的な成長を実現するためには、広域行政の役割がこれまで以上に重要になると考えており、身の引き締まる思いです。
 大規模災害や感染症への対応、ドクターヘリなど「住民の安全・安心」につながる取組をさらに深化させながら、2025年に開催される「大阪・関西万博」、2027年に開催される「ワールドマスターズゲームズ関西」等のビッグイベントを起爆剤とし、「関西の経済成長」や「広域行政のリーディングモデル」となれるような取組にチャレンジしていきたいと考えています。
 関西広域連合の枠組みはもちろんのこと、様々なプラットフォームを活用し、私自身が先頭に立って、今後も解決すべき広域的課題の性質と特徴を踏まえて広域連携を推進し、その成果を県政にも生かせるよう、連合長として、知事として、引き続きしっかりと役割を果たしていきたいと思います。

【危機管理対策】
(問)
 大規模災害を想定すれば、まずは地元の消防団が最も頼りになりますが、消防団の団員数の減少などにより、自治会などの単位で組織される自主防災組織の初期対応がより重要となります。このようなことから、各組織における防災意識の高い人材の育成が急務となりますが、どのように育成するのか伺います。
(答)
 災害から住民の命や生活を守るためには、「自分たちの命は自分たちで守る」という意識の下、地域に根差して活動する消防団や自主防災組織などの共助による取組が欠かせないと考えます。
 このため、地域防災の中核となる消防団員について、より多様な方々が活躍できるよう、機能別消防団員制度(※1)の導入を進めるとともに、自主防災組織においては、防災士の育成などを通じて、市町とともに地域のリーダー育成を進めていきます。
 また、地域防災の担い手が減少する中、将来の地域防災を支える人材を育成するため、子どもの頃からの防災教育にも力を入れていきたいと考えています。
 具体的には、学校や子ども食堂などに、行政職員や防災士などが赴き、マイ・タイムライン(※2)をはじめとした防災講座を実施するほか、学校現場で活用できる防災教育支援ツールを作成し、普及させるなど、行政や地域が持つ知識や経験を生かせる取組を進めていきたいと思います。

【国スポ・障スポ】
(問)
 第77回国民体育大会「いちご一会(いちえ)とちぎ国体」が開催され、多くのアスリートによる熱戦が繰り広げられました。開催県である栃木県の総合順位は天皇杯・皇后杯ともに東京都に次ぐ2位で、栃木県知事は非常に残念がっているそうです。やるからには1位を目指さなくてはいけません。天皇杯・皇后杯獲得に向けての決意と国スポ・障スポが終わった後のレガシーの構築をどのようにされるのか伺います。
(答)
 私自身、現地で地元の皆さんの栃木県選手に対する勝利への期待や熱い声援を目の当たりにして、大会の成功には地元選手の活躍が欠かせないと改めて想いを強くしました。
 本県での大会においても、滋賀県選手団の活躍を通じ、県民の皆さんと夢や感動を分かち合うため、天皇杯・皇后杯獲得という高い目標を掲げ、その達成に向け、しっかり取組を進めていきたいと思います。
 また、本県の大会で活躍した選手や指導者が、大会後も滋賀のスポーツを支える人材として地域に根付き、新たな地域のシンボルスポーツが誕生することも期待したいと思います。
 さらには、競技会場として整備した施設が有効に活用され、県の様々な場所でスポーツを「する」「見る」「支える」といったスポーツとの関わりができるなど、本県のスポーツ振興や「健康しが」の実現につながる大会レガシーをしっかりと創り残していきたいと思います。

【森林政策】
(問)
 知事は「やまの知事」として、特に森林政策に力を入れておられますが、第2期琵琶湖森林づくり基本計画に基づく施策の取組状況や課題について伺います。
(答)
 施策の取組状況としては、奥地での針広混交林化(※3)や里山整備など、多様な森林づくりに取り組むとともに、「やまの健康」モデル地域への活動支援などを通じた地域づくりを進めています。
 また、効率的な丸太の生産への支援や、住宅、公共建築物などへの「びわ湖材」利用の促進など産業づくりに取り組むとともに、滋賀もりづくりアカデミーを中心に、林業従事者の確保と育成、森林環境学習「やまのこ」や木育などにより、次代の森林づくりを担う人づくりに努めているところです。
 課題としては、利用期を迎え充実する人工林について、生産適地での主伐・再造林、県内での木材加工・流通体制整備による木材産業の競争力の強化、林業人材の更なる確保があります。これらの課題に対応するため、より一層、県民等の森林づくりへの理解や参加を 促進するとともに、森林資源の循環利用と林業の成長産業化に取り組んでいきたいと思います。

【周産期支援】
(問)
 子どもを産みたいと思える安全・安心な出産環境の整備について、病院でのハイリスク妊娠に対応できる環境と合わせて、比較的リスクの少ない分娩は診療所や助産所など地域で対応できる環境を構築し維持することが求められています。また、出産前から出産後までの切れ目のない継続的なケアが母子の安全・安心につながりますが、これらの取組について伺います。
(答)
 安心して子どもを出産するための環境整備には、周産期医療に関わる人材確保および分娩を行う医療機関のネットワーク体制の確保が重要です。
 このため、人材については、今年度新たに創設した貸付金制度の活用などによる産婦人科医の確保に努めるとともに、ネットワーク体制については、医師の働き方改革も見据え、また助産師の役割も含め、地域ごとに関係者との議論を十分に重ねながら検討を進めていきます。
 また、切れ目のない支援については、各市町の子育て世代包括支援センターにおいて、妊娠届出時や新生児訪問等の面談を通して、妊娠期から子育て期の状況を把握した上で、個々の状況に応じた支援プランを策定し、必要な助言や保健指導を実施しているところです。
 産婦健診については、取組が全県に広げられるよう、県で集合契約を結ぶなど、産後も安心な体制整備に努めていきたいと考えています。

【産業振興】
(問)
 令和4年に入ってからの原油価格・物価高騰により、多くの事業者の厳しい経営状況が伝わってきます。その原因は原材料等の値上げ を製品の価格に転嫁できない環境であると考えますが、本県における民間企業の価格転嫁の状況に係る県の認識と、必要な価格転嫁が可能となる環境づくりに向けた県の考え方を伺います。
(答)
 県が実施する第3四半期の景況調査によると、価格転嫁に進展の兆しが一定みられるものの、「競合他社との価格競争」や「値上げ後の売上減少への懸念」などの理由により、依然として、十分な価格転嫁ができていない状況があると認識しています。
 コスト上昇分を適切に転嫁できることは重要であることから、価格交渉の促進など、国による総合的な対策の着実な実施を求めながら、本県としては、引き続き、多様な資金繰り支援や県内消費の喚起、未来を見据えた投資の促進などをしっかり進め、経済団体とも連携して、価格転嫁しやすい環境づくりを推進していきたいと思います。

【いじめ問題】
(問)
 知事として、いじめ問題や暴力問題、そして不登校になった子どもたちへの寄り添い方にどのように向き合っていくのか決意を伺います。
(答)
 いじめで悩む子どもや、困難な状況にある子ども、様々な理由で不登校になっている子ども等、一人ひとりの生きづらさにしっかりと心を寄せ、子どもたちの声をよく聞き、「いじめを起こさせない」、「行きたい、学びたい、楽しいと思える笑顔あふれる学校づくり」を推進していくことが重要です。
 本年11月4日に、滋賀県いじめ問題対策連絡協議会を開催し、いじめの問題を学校だけでなく社会における重要課題として捉え、関係機関や専門家等の委員の皆様と活発に議論を交わし、私からは、いじめが起きないように粘り強く繰り返し取り組むこと、いじめの背景や要因にしっかりと目を向けみんなで対処して いくこと、大人の押し付けではなく子どもをよく見て客観的に評価・分析した上で対応していくこと等についてお願いをしました。
 県内では過去にいじめで尊い命を失った事案も発生しており、改めていじめの問題は命の問題と捉え、社会全体で取り組み、滋賀からいじめをなくしていけるように先頭に立って取り組んでいきたいと思います。
 併せて、不登校をはじめ困難な環境にある子どもに心を寄せて、福祉と教育の連携を進め、誰一人取り残さない社会が実現するよう、全庁をあげて進めていきたいと思います。

※1「機能別消防団員制度」
 消防団の充実強化に向けた取組として国が示す制度で、能力や事情に応じて特定の活動にのみ参加する消防団員で、時間帯を限定した活動や特定の災害種別に限定した活動等、消防団の活動を補完、補助するもの
※2「マイ・タイムライン」
 台風などの大雨による災害から命を守るため、自分自身や家族が取る避難行動をあらかじめ時系列で整理した防災行動計画
※3「針広混交林化」
 針葉樹と広葉樹の混ぜ合わさった森林にしていく取組

代表質問・一般質問

審議した議案

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