会期: 令和8年7月22日 〜 令和8年8月10日
7月定例会議では、高校教育改革を先導するパイロットケースの創出に要する経費のほか、国の内示を受けた公共事業費の追加に係る経費など126億3,354万5千円を追加する「令和8年度滋賀県一般会計補正予算(第2号)」や、台風第7号および第8号による被害への対応のため、9億2,299万6千円を追加する「令和8年度滋賀県一般会計補正予算(第3号)」、甲賀市信楽町において発生した土砂崩れによる被害への対応のため、2,841万3千円を追加する「令和8年度滋賀県一般会計補
正予算(第4号)」および202万5千円を追加する「令和8年度滋賀県一般会計補正予算(第5号)」など、知事提出議案28件と議員提出議案5件(意見書案5件)が上程されました。
これらの審議の結果、いずれも原案のとおり可決または同意しました。
また、各委員会では、付託された各議案、請願その他所管事項について審議等を行いました。
【県政運営】
(問)
県政の基本方針として平成31年に策定された12年間を期間とする「滋賀県基本構想」は、今年度、8年目にあたります。知事の4期目の在任期間は基本構想の最終タームと重なります。県民の期待や不安に応え、公約などを実行していくためには、この基本構想のアクションプランである「滋賀県基本構想実施計画」に反映していく必要があります。第56代滋賀県知事として県政を担うにあたり、何を成そうとし、どの分野の政策に力点を置き、どのような滋賀県を目指すのか伺います。
(答)
4期目の県政を担うにあたり、安心の地域医療・介護体制づくりや、国スポ・障スポ大会のレガシーを活かしたスポーツの振興などの「ひとの健康」、地域防災力の強化、新たな産業の創出やデスティネーションキャンペーン(※1)を好機とした観光の振興、交通まちづくりなどの「社会と経済の健康」、県民参画による琵琶湖の保全や、やまの健康などの「自然の健康」という3つの健康の取組を進めていきます。
また、その基盤となる「ひとづくり」では、子ども施策をはじめ、県立高校の改革、産業や医療・福祉の担い手の育成、さらにジェンダー平等や多文化共生など、次の時代を見据えた「次代の健康」に注力していきます。
こうした考えのもと、第3期の基本構想実施計画の策定を進め、官民や広域での連携、AI(人工知能)などの積極的な活用を図りながら、各種施策に計画的に取り組み、「ささえあって、ともにいきる健康しが」の実現を目指していきます。
※1 「デスティネーションキャンペーン」
JRグループと自治体等が協働で全国から誘客を図る大型の観光キャンペーン。
【観光振興】
(問)
大河ドラマ「豊臣兄弟!」をはじめ、安土城築城450年に向けた取組、彦根城の世界遺産登録への機運の高まりなど、滋賀の魅力に全国の注目が集まる絶好の機会と捉えています。これらの取組とデスティネーションキャンペーンを結び付け、全国に発信することで、滋賀の魅力を知っていただく大きな契機になると期待しています。
滋賀の魅力をひとつの滋賀らしい物語としてどのように発信し、他府県との差別化を図るのか、その戦略を伺います。
(答)
本県は、近江牛や湖魚、地酒などの豊富な食材、信楽焼などの伝統的工芸品、ビワイチをはじめとするアクティビティなど、多様で魅力的な観光資源を有しています。
加えて、琵琶湖を中心として育まれてきた滋賀の暮らしや生活文化などの「滋賀のリズム」と、近江商人の「三方よし(※2)」をはじめとする先人から受け継がれてきた理念である「滋賀のイズム」を、「シガリズム」としてまとめていくことが、他府県にはない本県独自のストーリーになるものと考えます。
そのため、それぞれの観光資源が、今日までどのように守られ受け継がれてきたのか、といったことを発信しつつ、観光事業者だけでなく多様な関係者とも連携することで、本県の強みを活かした観光を振興していきたいと考えます。
※2 「三方よし」
「売り手よし、買い手よし、世間よし」という言葉に表される、物を販売する際の売り手と買い手双方にとって利益があることに加え、商いを行う地域にとっても益する行為が大事である、という近江商人の経営理念。
【共生社会】
(問)
知事は「誰一人取り残さない」共生社会を、県政の理念に掲げてこられました。コロナ禍の影響で遅れていましたが、今年度は「滋賀県障害者差別のない共生社会づくり条例」の見直し作業が進められています。本条例は、民間事業者の合理的配慮の提供を義務化した先進的なものでしたが、令和6年4月施行の障害者差別解消法の改正により、全国で法的義務となりました。今、先行県として問われるのは、義務の「実効性」です。条例の見直しにあたり、合理的配慮についての現時点の到達度と今後の実効性の確保に向けた決意を伺います。
(答)
これまで、出前講座や啓発キャラバン隊、国スポ・障スポ大会の機会も活用しながら、合理的配慮に関する普及啓発に取り組んできました。こうした取組を進める中で、当事者団体から「合理的配慮という言葉を耳にする機会が増えた」とのお声をいただくなど、一定の広がりが見られるものの、令和7年に実施した県政世論調査における「合理的配慮」の認知度は約3割にとどまっており、条例の理念の浸透は、なお道半ばであると認識しています。
このため、今回の条例の見直しを契機とし、障害や合理的配慮への理解がさらに広がり、合理的配慮が社会の中で自然に実践されるよう、条例の実効性の確保に向け、私自身も先頭に立ち、取り組んでいきたいと思います。
【地域交通】
(問)
地域交通は、県民の日常生活を支えるとともに、産業や観光など地域の経済活動を支える重要な社会インフラです。しかし、利用者の減少や運転士不足などにより、地域交通を取り巻く環境は厳しさを増し、本県においても減便や路線の廃止が続いています。こうした中、今年3月、令和8年度から5年間を計画期間とする「滋賀地域交通計画(※3)」が策定され、加えて「交通まちづくり部」
が創設されました。
知事は、本県の将来を見据え、地域交通の維持、充実にどのように取り組んでいくのか伺います。また、その財源を、県としてどのように確保し、国に対してどのように支援を求めていくのか伺います。
(答)
今後は、「滋賀地域交通計画」に基づき、各地域のまちづくりの方向性を踏まえ、地域交通の充実に向けた取組を着実に推進していきます。
特に、交通軸となる鉄道やバス路線の利便性向上、駅までのアクセス向上など二次交通(※4)の充実、地域の輸送資源の活用、自動運転など未来を見据えた取組を進めることで、地域交通の魅力や利便性を実感してもらえるよう努めるとともに、運転士不足など深刻化する課題にもしっかりと向き合っていきます。また、タウンミーティングを実施し、県民や企業の皆様との対話を重ね、「より良い暮らし」の実現を目指していきます。
県として限られた財源の中で必要な施策を計画的に実施し、国に対しては、全国知事会をはじめ様々な機会を捉え、安定的な財源の確保と支援制度の充実について、引き続き要望していきます。加えて、将来にわたり施策を安定的に実施していくため、新たな財源についても検討し、その選択肢の一つである新たな税については、慎重かつ丁寧に検討を重ねていきたいと考えます。
※3 「滋賀地域交通計画」
「滋賀地域交通ビジョン」(令和6年3月策定)で描く地域交通の姿の実現に向け令和8年3月に策定したアクションプラン。
※4「二次交通」
交通軸となる鉄道や幹線バスなどの公共交通で最寄り駅・バス停まで移動した後、最終的な目的地まで移動するための交通手段。
【高等専門学校】
(問)
滋賀県立高等専門学校(※5)の整備は、夢ある未来への投資であり、滋賀県の重要施策のひとつです。進学希望の高い高専の維持、管理、運営を続けていくためには、その魅力が全国的にも高く評価され、学生にとっても分かりやすいものでなければなりません。
本県の高専が持つ強みや魅力とは何かを伺います。
(答)
3点あると考えています。
1点目は、1年次から質・量ともに全国トップクラスの情報実践教育を行うことで、各技術分野の知識を深める体系的な学びを提供し、専門分野を持ちつつ、情報技術にも強いエンジニアを育成します。
2点目は、ダイバーシティ(多様性)を意識した学校とすることです。特に施設面において、誰もが快適で使いやすい現代的な学習環境を整え、女性教員の確保や女子学生の入学促進、将来的には留学生の受入れにつなげていきます。
3点目は、企業等との協働による技術教育(協育)です。300近くの企業に開校前から応援団となっていただいており、工場・現場見学、企業実習など、本物のエンジニアリングに触れる実践的な技術者教育を、企業と共に構築していきます。
また、県立であるからこそ、県や市町の行政と連携し、様々な社会課題の解決に、エンジニアの技術力で挑戦することも、大いに期待しています。
※5「滋賀県立高等専門学校」
野洲市に2028年4月開校予定の県内初の高等専門学校。情報系、電気電子系、機械系、建設系の4コースを設置。1学年120人。