近年、全国各地で外国の法人または個人(以下「外国人等」という。)による土地の取得が進み、一部地域においては、水源地である山林等、農地のほか、我が国の安全保障や国土保全に関わる重要施設等の周辺の土地が取得される事例が相次いでおり、本県内においても不安視する声がある。
令和4年に重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律が施行され、一部対応は講じられているものの、個別指定された重要施設周辺の区域外での規制や土地等の取得そのものの規制には至っていない。今後も外国人等による土地等の取得が続けば、我が国の主権が脅かされるおそれもあり、安全保障上の重大な問題に発展しかねない。
我が国は、外国人等による土地等の取得および利用を制限する権利を留保せずに「世界貿易機関のサービスの貿易に関する一般協定(GATS)」に加盟しているため、外国人に対して差別的な取扱いとなる立法を行うことは原則的に認められていない。しかしながら、他のGATS加盟国の中に、安全保障上の観点から、外国人等に対する土地等の取得および利用を制限する権利を留保することにより、自国の国内法で外国人等の土地等の取得を制限している国もある。
よって、国会および政府におかれては、外国人等による土地等の取得および利用を制限するため、GATS加盟国と外国人等の土地等の取得を制限する権利の留保や例外規定の活用、相互主義制度の創設などの協議を進めることも含めて、必要な法整備を行うよう強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和7年12月19日
滋賀県議会議長 目 片 信 悟
(宛先)衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、法務大臣、農林水産大臣、国土交通大臣