衆議院の選挙制度については、衆議院議長の下に設置された「衆議院選挙制度に関する協議会」において、令和7年国勢調査の結果が判明する時点を目途に結論を得るべく、各会派で真摯な議論が重ねられている。
しかし、自由民主党・無所属の会と日本維新の会は、先の国会に、当該法律の施行の日から1年以内に協議会で結論を得て法制上の措置を講じられなければ、比例代表の定数を45人削減することを主な内容とする「衆議院議員の選挙制度改革及び定数削減に関する法律案」を提出した。次の国会では、その取扱いが焦点の一つとなることが取り沙汰されているが、政治に対する国民の信頼を回復させるために必要な企業・団体献金の見直しについて議論を進めず、議員定数の削減を「改革のセンターピン」に据えることは、議論のすり替えであり許されるものではない。
そもそも議員定数は、国民が主権者として政治に参加するための議会制民主主義の根幹である選挙制度と一体不可分なものである。1票の較差の是正や衆議院参議院の役割分担を踏まえた抜本的な選挙制度改革の議論を差し置いて、定数削減ありきで結論を先に定め、与党のみの合意で拙速に議論を進めようとする姿勢は、議会制民主主義の否定にほかならない。
現行の衆議院の小選挙区比例代表並立制は、比例代表制の導入当初から民意の集約と反映のバランスをとるため小選挙区の定数と比例代表の定数の割合を3対2としてきた。比例代表の定数を大幅に削減することは、死票の割合を増大させ多様な民意を切り捨てることにつながるとともに、巨大政党が有利になり政治から新陳代謝を失わせることになりかねない。
よって、国会および政府におかれては、衆議院議員の比例代表の定数削減の議論を拙速に進めず、衆議院議員の定数について、各会派の合意の下、あるべき選挙制度改革と併せて、丁寧かつ慎重な議論を尽くされるよう強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年10月15日
滋賀県議会議長 加 藤 誠 一
(宛先)衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣