非核三原則である「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」は、1967年に当時の佐藤栄作首相が国会で表明して以来、国会決議等を通じて繰り返し確認され、歴代内閣もこれを堅持している。核兵器は、一度使用されれば、広範な地域に甚大かつ長期にわたる被害をもたらし、被爆者の生命、健康、尊厳を奪う非人道的な兵器である。唯一の戦争被爆国である我が国は、広島県および長崎県にもたらされた惨禍を二度と繰り返さないためにも、被爆者が長年にわたり訴えてきた核兵器廃絶の願いを受け止め、国際社会に対して核軍縮・核兵器廃絶を積極的に働きかけていく歴史的責務を負っている。
しかし、本年2月には、米露間で戦略兵器を制限する最後の条約である「新戦略兵器削減条約(新START)」が失効し、本年4月に開催された核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議では成果文書の採択に至らないなど、核軍縮・核不拡散体制の実現に向けては不透明さが増している。核兵器保有国による国際法違反の武力の行使や、核兵器使用をほのめかす発言も後を絶たず、世界的な緊張が高まっている。欧州では、こうした脅威に対抗する手段として核共有の議論が進み、我が国においても非核三原則の見直しなど核政策を転換する声が一部で上がっている。
厳しい安全保障環境に直面している今こそ、我が国は、核兵器に依存せずに、外交努力、対話および通常兵器による対処を組み合わせた、現実的で持続可能な安全保障政策を進めるべきであり、核兵器禁止条約第1回再検討会議へのオブザーバー参加を含め、核兵器廃絶に向けた国際的な取組に積極的・能動的に参加し、核保有国と非核保有国の橋渡し役として、核兵器のない世界の実現に向けた外交努力を進めるべきである。
よって、国会および政府におかれては、平和国家として我が国が築いてきた国際的信頼を維持するため、非核三原則を今後も国是として堅持されることを強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年10月15日
滋賀県議会議長 加 藤 誠 一
(宛先)衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、外務大臣、防衛大臣