受理番号:請願第19号
障害福祉サービス等報酬の臨時改定などを国に求める意見書採択について
障害福祉職場の人材確保難が深刻化し、大きな社会問題となっている中、政府による抜本的な処遇改善策が求められている。厚生労働省は、24年4月からの障害福祉サービス等報酬1.12%の引上げ、同年6月の処遇改善加算一本化と加算率引上げ等によって、24年度には2.5%、25年度には2.0%のベースアップが可能と説明してきた。
実際に少なくない多くの事業所で給与改定に結びついているものの、それでも全産業との賃金格差は大きく、今年度でいえばむしろ拡大している。厚生労働省の「令和6年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査」によれば、「加算の全額を令和6年度分の賃金改善に充てた」とする事業所が77%に上り、25年度分の賃上げ原資に充当できない事態となっている。また、事業によっては算定方式が変更され、実質的に収入がマイナスになっているケースもある。
さらに、報酬は3年ごとのため、毎年引き上げられる最低賃金や他産業の賃金水準に合わせた改定がされないことで、賃上げの原資が不十分になっていることも大きな問題である。このままでは、介護や障害福祉の事業所で働く労働者の全産業平均との賃金格差がさらに広がり、人材の確保・定着はできず、事業所の運営もできなくなってしまう。
このような状況を踏まえて、介護および障害福祉サービスに従事する労働者の人権保障、事業所での人材確保の観点から、下記について、地方 自治法第99条に基づいて、政府への意見書を提出いただくよう請願する。
【請願項目】
1.25年度の補正予算で、障害福祉サービス等報酬の臨時改定を行い、事業所で賃金引上げの
ための原資を確保できるようにすること。
2.報酬の基本分は、最低賃金引上げ分を反映させた単価設定をすること。