意見書第6号
住民基本台帳ネットワークシステムの稼働延期を求める意見書
国民全体に11桁の番号をつけて、コンピューターで一元管理する住民基本台帳ネットワークシステムは、平成11年8月の住民基本台帳法の一部改正に伴い、本年8月5日から稼働することとなっている。このシステムの導入に当たっては、個人情報の保護措置を講ずることが強く求められており、この法律の附則にも、「この法律の施行に当たっては、政府は、個人情報の保護に万全を期するため、速やかに、所要の措置を講ずるものとする」と規定されたところである。
このため、政府においては個人情報保護法案を国会に提出したが、個人情報保護の基礎となる自己情報のコントロールに関する規定が不十分であること、さらに、防衛庁における情報公開請求者の違法リスト作成問題が重なり、同法案に対する国民の合意が得られる状況には到底至っていない。
このような個人情報保護に係る整備が不十分な状況で当該システムを稼働させることは、国民の安心、安全な生活を確保するという国の責務を果たせるとは到底考えられず、まずは住民のプライバシーが侵害されないよう、個人情報保護に係る十分な対策を確立することが重要である。
よって、政府におかれては、個人情報保護等に係る十分な対策が確保されるまで、住民基本台帳ネットワークシステムの稼働を延期されるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成14年7月31日
滋賀県議会議長 中 村 善一郎
(宛先) 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣