意見書第11号
大津放水路二期区間(兵田川〜諸子川)の継続事業実施を求める意見書
県都である大津市は、滋賀県琵琶湖の南西部に位置し、比良山、比叡山、音羽山などの山並みを背にして琵琶湖に面した自然豊かな都市である。周囲の山々から数多くの河川や水路が琵琶湖、瀬田川に注いでおり、水辺は背後の緑豊かな山並みとともに環境の重要な要素になっている。
また、古来より交通の要衝として重要な位置を占めており、現代においても国道1号やJR東海道本線などの国土交通軸上重要な路線が通過し、我が国の経済活動上重要な地域となっている。
大津市南部地域を流下する8河川(三田川、狐川、盛越川、兵田川、篠津川、相模川、堂の川、諸子川)は、延長が短く、河川幅も狭いことから、保水能力が低く、降水量の増大による災害も多く発生している。
大津市内には相模川を初め流域の住民が中心となって、21の河川愛護団体が結成され、河川清掃、魚の放流やホタルの里づくりなど河川愛護活動が活発に展開されており、団体間の連絡調整や情報交換を目的として大津市河川愛護団体連合会が結成され、新規団体の育成や環境学習会が開催されている。
河川を軸とした新たな流域コミュニティを形成していくには、まずもって流域住民の命と安全を守ることが不可欠である。このようなことから、大津放水路は琵琶湖総合開発特別措置法に基づき治水事業として位置づけられ、平成7年度から一期区間(三田川〜盛越川)が着工され、平成17年6月ごろに通水される予定である。
しかしながら、国土交通省が発表した淀川水系河川整備計画基礎案は、二期区間(兵田川〜諸子川)の取り扱いについて何ら明記されていない。
大津放水路事業は、一期区間、二期区間が完成されてこそ目的が達成されるものであり、治水、環境に大きく貢献する放水路事業は、地域住民や次代を担う子供たちにとってかけがえのない事業である。
よって、政府ならびに国会におかれては、大津放水路の二期区間の継続実施を淀川水系河川整備計画に明記され、一期区間に引き続き事業実施されるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年10月18日
滋賀県議会議長 世 古 正
(宛先) 衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 財務大臣 国土交通大臣