意見書第12号
子宮頸がん予防ワクチンに関する意見書
女性のがんである子宮頸がんの死亡率は高く、毎年約8,000人が子宮頸がんと診断され、約2,500人が亡くなっている。
子宮頸がんには、他のがんにない特徴がある。一つは、発症年齢が低いことである。子宮頸がんの発症年齢層のピークは年々低年齢化しており、1978年ごろは50歳以降であったのに対し、1998年には30歳代になり、20歳代、30歳代の若い女性の子宮頸がんが急増している。
もう一つは、子宮頸がんの原因のほとんどがヒトパピローマウイルス(HPV)による感染である。8割近くの女性が一生のうちにHPVに感染するものの、感染した女性がすべて発症するわけではなく、持続感染により子宮頸がんが発症すると言われている。このHPV感染を予防するワクチンの研究開発が進み、2006年6月に米国を初め80カ国以上の国で承認されている。つまり、子宮頸がんは「予防可能ながん」ということになる。
しかし、日本では、この予防ワクチンがいまだに承認されていない。我が国においても予防ワクチンへの期待は高まっている。
よって、政府ならびに国会におかれては、子宮頸がんの予防、早期発見のための取り組みを推進するため、下記の項目について早急に実現されるよう強く要望する。
記
1.子宮頸がん予防ワクチンの安全性と効果を確認し、早期承認に向けた審査を進めること。
2.女性の一生においてHPV感染の可能性が高いこと、また予防可能ながんであることにかんがみて、予防ワクチンが承認された後は、その推進を図るために接種への助成を行うこと。
3.日本におけるワクチンの開発、製造、接種のあり方に関して、世界の動向等も考慮し検討を進め、必要な対応を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成20年7月16日
滋賀県議会議長 上野 幸夫
(宛先) 衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、厚生労働大臣