意見書第20号
農山漁村の多面的機能を維持する施策の推進を求める意見書
我が国の農山漁村は安心、安全な食料を供給するだけでなく、豊かな自然環境、美しい景観、きれいな空気と水を生み出すなど、多面的な機能を発揮している。
しかしながら、こうした地域においては、高齢化の進行、担い手や就業機会の不足、生活環境の整備のおくれなどにより、耕作放棄の深刻化などが顕著になっており、このまま放置すれば、農山漁村の多面的機能が失われ、国民すべてにとって大きな損失が生じることが強く懸念されている。
よって、政府ならびに国会におかれては、農山漁村の多面的機能を維持、向上させるため、下記の施策の推進を図られるよう強く求める。
記
1.条件が不利な状況にある中山間地域における農業生産の維持を図り、農山村の多面的機能を確保するための「中山間地域等直接支払制度」を充実、強化すること。
2.中山間地域の住民生活に大きな影響を及ぼす有害鳥獣の被害を解消するため、捕獲体制の強化、被害防除、生息環境管理などの対策を強化すること。
3.木材の利用を拡大するとともに、健全な森林の整備、保全を進める「美しい森林(もり)づくり」を展開するため、必要な財源を確保すること。
4.水産業、漁村の持つ多面的機能の維持、増進を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成21年12月18日
滋賀県議会議長 辻 村 克
(宛先) 衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、農林水産大臣、環境大臣