意見書第17号
複合性局所疼痛症候群(CRPS)の難病指定を求める意見書
反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)は、複合性局所疼痛症候群(CRPS)の一種であり、手足などに激しい持続的な痛みを伴う病気である。手の部位の症状としては、痛みによって次第に使えなくなり、全く手の機能を無くす場合もあり、足の部位の症状としては、痛みのために歩行困難になり、場合によっては車椅子やベッドでの生活を余儀なくされることもある。
そのため、多くの患者が、それまで従事していた仕事ができなくなったり、また、部分的にしかできなくなっている。さらに、この病気については、難病指定がされていないことから、患者に治療費等の経済的負担が重くのしかかっており、肉体的にも精神的にも限界を強いられているのが実情である。
また、CRPSは、微細な損傷等によって発症するとされているが、原因について諸説があり、痛みの症状への対処自体も難しく治療法は未確立の状況である。
しかし、CRPSは、10万人に約5人とも言われている比較的まれな発症率ということもあって、これまで認知度が低く、長年診断自体をされなかった患者も多いが、難病指定されれば広く知られるようになり、早期に診断や治療がなされ、症状が軽減されることなどが期待できる。
CRPSは難病指定の4要素である、症例数が少ないこと、原因が不明なこと、効率的な治療法が確立されていないこと、生活面への長期にわたる支障を来すことを満たしている。
よって、国会および政府におかれては、CRPSに係る下記の事項について速やかに実現されるよう強く求める。
記
1 CRPSを難病に指定すること。
2 早期に原因の解明や治療法の確立を図ること。
3 患者の治療に係る経済的負担が軽減され、安心して治療を受けられる支援 を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成23年10月12日
滋賀県議会議長 家 森 茂 樹
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、厚生労働大臣