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意見書・決議の詳細情報

意見書第22号 特定秘密の保護に関する法律に関する意見書(案)

番号
意見書第22号
(平成25年)
議決年月日
平成25年12月20日
結果
否決

本文

意見書第22号

         特定秘密の保護に関する法律に関する意見書(案)

 第185回国会に安倍内閣が提出した特定秘密の保護に関する法律が、国民の各界各層から次々と問題を指摘され、大きな危惧や懸念、不安の声が広がる中、参議院本会議で賛成多数で可決、成立した。
 国民主権のもとで、政府の情報は、基本的に国民のものであり、国民に正しい情報が広く豊富に提供・開示されることによって、国民は政府の在り方や政策について正しく判断できるのであり、国民の知る権利はまさに民主主義の基礎をなすものである。
しかし、特定秘密の保護に関する法律は、政府による恣意的な秘密保護がなされ、国民の知る権利を侵害するおそれが強く、民主主義の根本に関わる重大な問題をはらんでいると言える。
同法における秘密の範囲は曖昧で、恣意的に指定されるおそれがあり、拡大解釈により秘密が広範囲に及ぶ危険性がある。また、政府が適切に秘密を管理しているかを検証する機関は、これから検討するとされ、設置時期や構成、権限などの具体的な内容は不明のままで、設置されるかどうかも定かではない。
さらに、秘密の指定期間が60年に延び、永久に公開しなくてもよい秘密も認められている。何よりも、処罰の対象者は公務員だけでなく、広く一般の国民にまで及び、秘密を漏えいした者への罰則は、懲役10年以下と現行の国家公務員法の守秘義務違反から極端に厳罰化されるとともに、特定秘密の漏えいがなくとも、その入手について相談したり、唆したりした者への罰則が懲役5年以下とされている。これでは、公務員等による情報の提供ばかりか、取材や報道の活動が委縮し、国民の知る権利が脅かされることになりかねない。さらに行政機関の長の判断で、国民や国会への秘密情報の提供をコントロールすることとなり、国会や国会議員の活動までもが制約されるおそれがある。
これほど重大な問題をはらむ法律であり、国民が徹底した慎重かつ十分な国会審議を求めているにもかかわらず、政府与党は、民意を無視し、拙速に審議を急ぎ、成立させた。こうした政府与党の乱暴な国会運営そのものが、政府への信頼を損ね、法律に対する国民の不信感、不安感を深めることとなっている。
よって、国会および政府におかれては、特定秘密の保護に関する法律について、国会審議や国民から指摘された問題点を真摯に受け止め、秘密の適正な管理の在り方について国民の十分な理解と納得がいくように、第三者機関の独立性を担保するなど、新たな法案の提出などの対応をするよう強く求める。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  平成25年12月20日

                      滋賀県議会議長  宇  賀     武  

 (宛先)衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣

会議録

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