我が国では、人口減少や著しい高齢化などの大きな課題に直面しており、現在、国と地方が一丸となり、地域の特徴を活かし、活性化を図る地方創生を推進しているが、その実現には地方公共団体の長(以下「首長」という。)とともに、二元代表制の一翼を担う地方議会の役割が大きく問われている。
地方創生の推進のためには、各地方公共団体で地域活性化につながる自律的かつ持続的な政策の展開を図るとともに、その政策を首長とともに推進していく地方議会議員の選挙を政策本位に転換していく必要がある。
しかしながら、現行の公職選挙法では、国会議員や首長の選挙においては、候補者による選挙運動のためのビラの頒布が認められているが、地方議会議員の選挙においては一切認められていない。
このため、地方議会議員の選挙期間中においては、候補者が掲げる地域の将来像を具現化するための政策を伝える手段が著しく制限され、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられた現在でも、有権者が適正に判断し、投票行動に活かせる状況となっていない。
このことに関しては、平成22年11月に全国都道府県議会議長会から国に対し緊急要請が行われるとともに、第190回通常国会における特別委員会で可決された、公職選挙法の一部を改正する法律案に対する附帯決議では、今後速やかに検討を進め、必要な措置を講ずることとされているところである。
よって、国会および政府におかれては、こうした状況を踏まえ、公職選挙法を改正し、地方議会議員の選挙において、候補者による選挙運動のためのビラの頒布を可能とするよう強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成28年10月13日
滋賀県議会議長 野 田 藤 雄
(宛先)衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣