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意見書・決議の詳細情報

意見書第6号 「軍事費2倍化」を行わず日本国憲法第9条を生かした平和的外交を行うことを求める意見書(案)

番号
意見書第6号
(令和04年)
議決年月日
令和4年8月12日
結果
否決

本文

 ロシアのウクライナ侵略によって、多くの命が奪われている。国連憲章は、どんな理由があろうとも他国への武力行使を禁止している。国際社会は、民主主義か専制主義かという価値観による分断ではなく、国連憲章の順守をロシアに求めることにより、侵略戦争を終わらせることに力を合わせることが必要である。
 こうした国際情勢の下、与党は、相手国の領空に侵入しミサイル基地だけでなく指揮統制機能等を攻撃する「敵基地攻撃能力(反撃能力)」の保有を主張している。岸防衛大臣は、令和4年(2022年)5月31日参院予算委員会において、平和安全法制に基づく集団的自衛権の行使として敵基地攻撃を行うことを認めた。日本に対する攻撃がなくても、米国を攻撃する第三国に対する敵基地攻撃は、これまで政府が基本的な方針としてきた、専守防衛を放棄し、先制攻撃を行い得る重大な表明である。
 今後、与党は軍事費をGDP比2%以上、つまり現予算の2倍、5兆円以上も増額する軍拡を進めようとしている。その財源を確保するために、消費税の増税や社会保障の削減を行うことになれば、国民生活を一層困窮させるものになり得る。
 また「力」に「力」で対抗する姿勢では、際限のない軍拡競争の悪循環に陥り、戦争への危険を拡大させることにつながる。万が一、米国が台湾有事に軍事介入すれば、日本も平和安全法制に基づいて参戦することになり、中国から反撃される対象となりえる。このような事態を断じて招いてはならない。
 政治の役割は、戦争を起こさないために外交努力を尽くすことである。東南アジア諸国連合(ASEAN)は、昭和42年(1967年)設立以来、国家間で東南アジア友好協力条約(TAC)を締結し、紛争の外交解決を堅持してきた。また、今後、ASEAN10か国と日本・米国・中国・ロシアなど8か国が参加する東アジアサミットを強化し、東アジア規模の友好協力条約を締結する構想であるASEANインド太平洋構想(AOIP)を採択している。こうした構想を実現させることこそ、日本に戦火を呼び込まない平和を築く道である。
 よって、国会および政府におかれては、アジアに軍事的緊張をもたらす「軍事費2倍化」を行わず、ASEANの努力に学び日本国憲法第9条の精神を名実ともに発揮した平和的外交の実現に踏み出すことを強く求める。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

   令和4年8月12日

                        滋賀県議会議長 岩 佐 弘 明

(宛先) 衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、外務大臣、防衛大臣

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