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滋賀県議会だより

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第20号(平成14年7月定例会)

滋賀県議会は、7月定例会を7月12日から7月31日までの20日間の会期で開きました。

 今回の定例会には、「滋賀県税条例の一部を改正する条例案」をはじめ、中高一貫教育校を設置するための議案など知事提出議案19件と、議員提出議案5件の合計24議案が上程され、審査を行った結果、議員提出議案(意見書案)1件を除いて、いずれも原案のとおり可決、認定、承認または同意しました。
 また、本会議における代表質問、一般質問、関連質問および討論には、延べ33人の議員が登壇し、県政全般にわたって論議を展開しました。
 さらに、各委員会においては、付託された各議案ならびに請願、陳情、その他所管事項について審査および調査を行いました。

知事提案説明から

 開会日の知事の提案説明では、二期目就任に当たり、所信の一端が述べられました。その概要は次のとおりでした。

県政の五つの柱
 信頼される県政、生活者原点で進める県政、改革を進める県政、すべての人の人権が尊重される県政を基本姿勢とし、次の五つの柱に沿って県勢の発展に全力で取り組みます。

○不況や失業に挑む「たくましい経済県」づくり
 雇用の確保や新産業の創出、中小企業の育成などに取り組み、活力あふれる県をめざします。
○次の世代に責任を持つ「環境こだわり県」づくり
 琵琶湖の保全・回復、循環型社会の構築、新エネルギーの開発と利用促進の3点を重点に環境政策に取り組みます。
○誰もが安心できる「くらし安心県」づくり
 高齢者・障害者施策や子育て支援を充実し、福祉モデル県をめざします。また、犯罪や事故等のない安全・安心なまちづくりを進めます。
○子どもの瞳輝く「教育熱心県」づくり
 少人数学級や特色ある学校づくりによる学校教育の充実、家庭や地域と連携した体験学習の充実に取り組みます。
○個性きらめく「自治と文化の創造県」づくり
 女性、NPOなどが活躍する地域づくりを進め、湖国から新しい自治と文化を発信します。

知事の所信

政治姿勢

問 今回の選挙結果について、知事はどう考えておられるのか、また、二期目に臨む知事の政治姿勢について伺います。
答 今回の選挙の投票率が38.67%と、これまでで最も低いものとなったことは正直なところ残念でした。県行政に携わる者として、県政運営について県民の皆さんに関心をもっていただく努力が足りなかった、そうしたことが有権者の関心を低くしたのではないかと、真摯に受け止めています。
 県政の運営に当たっては、まず県民の皆さんとの協働を基本に、多くのご意見をお聴きしながら生活者の視点で、世界や未来を見据え、皆さんとともに滋賀の新時代を築いていくことを基本姿勢として臨みたいと思います。


環境

琵琶湖におけるレジャー利用の適正化

問 琵琶湖のレジャー利用に関する条例制定の考え方、目的および規制内容について、また、外来魚のリリース(再放流)禁止の効果について伺います。
答 マナーに任せた対応には限界があるため、レジャー利用は「琵琶湖の自然環境や周辺住民の生活・生業にできる限り負荷がかからないものであること」を基本理念に、琵琶湖における新たなルールとしての条例制定を考えています。条例は、琵琶湖の水質や生態系などの自然環境の保全と騒音などの迷惑行為から住民の生活環境を守ることを目的としています。新たな規制としては、騒音から住民の生活環境を保全するためのプレジャーボートの航行規制水域の指定、琵琶湖の水質に与える影響の大きい環境未対策型の2サイクルエンジンの使用禁止、琵琶湖固有の生態系保全のための外来魚のリリース禁止などを考えています。
 なお、琵琶湖に年間70万人がブラックバス釣りに訪れることから、リリース禁止によって、外来魚を減らす相当の効果を期待しています。


廃棄物対策

問 栗東市や志賀町などでの廃棄物処理施設の問題で、住民参加と情報公開の重要性を指摘する声が多いが、今後の住民との協議の進め方や業者への対応について伺います。
答 廃棄物処理施設の整備・運営に当たっては、地元のご理解とご協力を得るために、情報公開と住民参加の場づくりが重要です。志賀町に関しては、今後、施設の基本計画を策定する施設整備計画委員会において、地元住民代表や公募委員にも参加いただき、十分な時間をかけて、公開の場で議論いただくことにしています。
 また、栗東市の民間事業者による最終処分場の問題では、調査や改善工事の実施等に当たって、事前に住民と行政、事業者が共通理解を得られるよう努め、強アルカリ排水原因物の除去、水処理施設および沈砂池の設置工事の完了などを強く業者に指導していきます。


くらし

淡海ゴールドプラン2000の見直し

問 今年度、「淡海ゴールドプラン2000(高齢者保健福祉計画・介護保険事業支援計画)」の見直しが計画されていますが、どのような視点で行われるのか基本的な考え方について伺います。
答 見直しに当たっては、地域の実情に応じた必要な施設サービスの量の確保を図りつつ、介護保険の在宅重視を基本とした基盤整備の推進、介護サービスの質の確保や介護予防対策の推進、痴呆性高齢者対策などを基本的な考え方としています。
 このうち、介護サービスの質の確保では、特別養護老人ホームにおいて、全室個室・ユニットケアによる整備を進めることにより良好な居住空間の確保を図ることとし、また、痴呆性高齢者対策では、痴呆性高齢者グループホームを中学校区に1カ所整備することを目標に積極的な取り組みを進めていきたいと考えています。

介護保険

問 介護保険の要介護認定者も市町村長の認定により所得税等の障害者控除に該当するとされています。このことを周知啓発する必要があると考えますが、見解を伺います。
答 要介護認定と身体障害者等の等級認定とはその判定基準が違うことから、市町村では、国の通知に基づき、要介護認定者個人ごとに障害者控除が適用となるかどうか判断されています。県では本来該当する方が適用を受けられるよう要介護度と障害認定の両方の認定制度について市町村担当者会議などを通じて周知を図ったところです。今後も広報紙等による住民への周知について市町村に助言したいと考えています。

第二名神高速道路

問 道路公団の民営化議論に伴い、第二名神高速道路事業の進捗に影響があるのではないかと懸念するが、県としてどう対応されるのか伺います。
答 「道(※)路関係四公団民営化推進委員会」が6月24日に設置され、道路関係四公団に代わる組織のあり方などについて年内に取りまとめが行われ、その意見を踏まえて具体的な路線の取り扱いを、政府として最終的に決定することになっています。
 この重要な時期にあって、県としても一層の取り組み強化を図るため、関係の公共団体、議会および各種団体からなる「第二名神高速道路三重・滋賀建設促進県民協議会」を6月29日に設立し、建設促進を各方面に広く働きかけていくこととしています。

鉄道プロジェクト

問 「東海道新幹線(仮称)びわこ栗東駅」と「琵琶湖環状線」の2つの鉄道プロジェクトについて、それぞれ開業までのスケジュールはどのように考えているのか伺います。
答 「東海道新幹線(仮称)びわこ栗東駅」については、新駅予定地周辺の土地区画整理事業の進捗、県、栗東市および関係市町における事業費負担割合の確定などが平成15年度末までにすべて解決できることになると、平成16年度から工事に着手し、工事期間に約6年を要するため、最も早ければ平成22年春にも開業が見込まれることになります。
 「琵琶湖環状線」については、事業費の福井県との負担割合あるいは県と市町村間の負担割合などの調整が整い、今年中にJR西日本との基本協定の締結ができることになると、実施設計に6ヵ月、工事に約3年余を要するので、平成18年の開業が見込まれることになります。


安全

通学路の安全対策

問 県内の通学路の安全確保は十分であるのか、現状と今後の対策について伺います。また、通学児童生徒の登下校時の安全確保にはどう取り組まれているのか伺います。
答 通学路の安全確保については、平成7〜9年度に全市町村で行った通学路安全点検調査の結果に基づき10年度から改良工事を行っています。12年度末で約54%が完了し、引き続き残る工事を進めています。
 また、県教育委員会では、通学児童生徒の登下校時の安全確保については、市町村教育委員会に対して、交通事故防止と交通安全教育の徹底について指導しているところであり、市町村教育委員会において、通学路および登下校時間の設定、警察や保護者等と連携して行う通学路の安全点検などを実施しています。


教育

教育熱心県

問 知事の「教育熱心県」への思いを伺います。
答 次の時代を担う子どもたちは、私たちの「たから」であり、社会全体で健やかにたくましく育んでいかなければなりません。子ども一人ひとりの個性や能力が活かされ、生き生きと育つことができる社会環境づくりを、学校・家庭・地域・行政が一体となり、
取り組んでいくことが大切だと思います。
 今般、子どもの瞳輝く「教育熱心県」づくりとして、少人数学級の実現や特色ある学校づくり、そして体験学習の充実などを県政の重点課題として掲げ、みんなで熱心に取り組んでいきたいと考えています。

中高一貫教育

問 来年4月開設予定の中(※)高一貫教育校3校において、どのような教育を目指されているのか。また、県立中学校への入学者をどのように決定しようと考えておられるのか伺います。
答 本県の中高一貫教育では、最初の2年間を基礎・基本の定着と学習習慣の確立を図る基礎段階、次の2年間を中学と高校の学習内容の円滑な接続と自立性・主体性の育成を図る充実段階、そして、最後の2年間を興味・関心や進路に応じた学習と個性の伸長を図る発展段階といった6年間の計画的・継続的な教育を目指しています。
 また、入学者の選抜については、学力試験は行わず、作文、面接、および小学校から送付される個人調査報告書等から総合的に把握するとともに抽選も適切に組み合わせて決定したいと考えています。

少人数学級

問 少人数学級の実現について、知事の所見を伺います。
答 本県ではこれまでも、児童生徒一人ひとりのきめ細かな指導が行えるように、国の基準を超えて教職員の特別配置を行ってきました。今後、さらにきめ細かな指導を推進するためには、学年や学級などの実情に応じ、少人数授業に加えて、少人数学級編成についても検討していくことが必要であると考えて、その導入に当たっては、これまで本県が取り組んできた成果や他府県の例なども十分考慮して、効果的な導入方法を検討していきたいと思います。また、国に対して財源措置を求めながら、今後知恵を絞って、その実現に最大限努力していきたいと考えています。


プロジェクト

びわこ空港

問 国が示した「今後、地方空港については、離島を除いて抑制する。」という方針や本県の厳しい財政状況を踏まえ、国の第8次空港整備計画への対応など、びわこ空港に対する所信を伺います。
答 本県がたくましい経済県となっていくためには、時代の要請に合った交通手段の整備が常に必要であると思います。
 しかしながら、国の考え方や本県の財政事情といった空港整備を取り巻く諸事情は一段と厳しいものがあるので、ここはしばらくの間、具体化に向けて動き出せる状況にはないと考えています。
 国の次期空港整備計画については、計画そのものが未だ流動的な状況にあるようですが、県としては現在「立ち止まっている」状況にあることから、計画に具体的な位置づけを求めることはできないと考えています。
 今後情勢が好転し、具体化ができる時期が到来するまでの間、必要な調査研究を行うとともに、県民の皆さんと議論を重ねていきたいと考えます。


産業

環境こだわり農業

問 環境こだわり農業の現在の取り組み状況について、また、今後どのように推進していかれるのか伺います。
答 昨年、認証制度をスタートさせ、量販店等での販売促進対策と併せて、生産組織の育成など生産振興対策に取り組んでいます。その結果、本年6月現在、水稲を中心に、野菜、果樹など合計247件、656ヘクタールで栽培されるようになりました。 今後、安全で安心な質の高い農産物の生産や、自然環境の保全など農業の持つ多面的機能の確保が大切と考えられ、さらに効果的な生産振興施策や流通販売促進対策を講じ、琵琶湖と共生する滋賀の農業のスタンダードとなるように推進していきます。

米の生産調整

問 国において、米の「生産調整に関する研究会」の中間取りまとめが発表されたが、その内容、スケジュールおよび本県の対応について伺います。
答 研究会では、米政策全般が議論され、生産調整の手法として、米の数量による管理や農家自らの経営判断に基づき選択できる仕組みの構築、助成制度の簡素化などが中間取りまとめの内容となっています。国の説明では、来年度を周知期間とし、平成16年度以降の実施になる見通しとされています。
 県では、関係者を対象とした説明会の開催、農業改良普及員への的確な情報提供により、農家の皆様方に不安と混乱を招かないよう対応していきます。また、新制度において、本県の特色である集落営農を中心とした集団的な取り組みが活かされるよう国に対し訴えていきます。


行政

市町村合併

問 市町村合併に関する協議がすすめられてきた中で、法定協議会の設置に向け進行している地域もあれば離脱を表明した自治体があるなど、県が例示した合併基本パターンとは異なった状況を呈してきましたが、この現状をどう受け止めているのか伺います。
答 一昨年12月に示しました合併のパターンは、県内市町村関係者や住民の皆さんが具体的な議論をしていだだくための素材として提案したものです。現在の県内各地域の取り組みの中にはこの合併パターンと異なる枠組みも含まれていますが、いずれも地域の将来を見据えた真剣な議論の結果であると認識しており、まずはそうした判断を尊重します。同時に、市町村合併は、それぞれの地域の将来や県全体の自治の在り方とも深く関わるものであることから、県としても、調整や助言など広域的な自治体としての役割を果たしていきたいと考えています。

財政状況と財政運営

問 現在の財政状況をどう認識し、来年度はどうなると予測しておられるのか、また、今後の財政運営についてどのような考え方を持っておられるのか伺います。
答 現在、歳入歳出をそれぞれ現行の取り組みや財源措置を前提にしながら試算をしますと、平成15年度は300億円を超える財源不足額が見込まれ、16、17年度においても同程度の財源不足額が見込まれる状況にあります。このため、行政運営の効率化、施策の重点化、社会資本整備の重点化・効率化などに向けた具体的な取り組みの内容や見直し等の見込み額を定めた3年間程度の財政構造改革プログラムをこの秋に策定し、計画的に取り組みを進めていきたいと考えています。

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