受理番号:請願第11号
琵琶湖のカワウ繁殖に伴う漁業被害に対するその駆除対策について
請願要旨
昨今異常な繁殖を続けているカワウは約4、5万羽と推定され、1羽当たり1日の魚類採捕餌は1sとその旺盛な採食性から琵琶湖漁業および河川漁業は多大な被害を受けている。
特に本年度春、鮎苗生産量はかつてない減産となり、その原因の第一はカワウによる食害であると思われる。
当初は、竹生島に営巣を始め集団的に棲息していたカワウが、最近は三重県および岐阜県方面からも飛来して魚類を採餌しており、その被害は増大の一途をたどるものと危惧している。
行動力の広範なカワウはびわ湖および河川漁場にも飛来し、河口並びに河川水域全般にわたり放流した鮎苗をはじめ、遡上した魚族まで根こそぎ採食し、漁業者をはじめ漁業協同組合の運営に大きな影響を与えている。
また、9月から産卵のために河川付近に遡上する親魚がカワウの格好の餌となり、私どもがびわ湖の重要な資源としてその培養に努力と費用を傾注している事業がすべて水の泡となり、せっかくの増産、増殖事業にも失望をいだき漁業後継者も減少する有様で死活的問題になっている。
私どもはこの状況を今日まで無策で傍観してたのではなく財源の貧しい中で関係し町村並びに猟友会等に協力を得て、種々防護並びに駆除を講じてきたが、有効なる成果を得ることができず、漁業者による対策では限度があることを痛感した。
ついては、このようなびわ湖漁業ならびに河川漁業が直面している深刻なカワウ問題についての諸事情を十分にご賢察願い、特に午後4時頃竹生島周辺に帰来する実態を実地踏査いただき、その駆除対策につき特段のご配意を賜りたい。