受理番号:請願第16号
国民皆歯科健診の実現を求める意見書の提出を求めることについて
【請願の趣旨および理由】
現在、日本における歯科健診は、幼児に対しては母子保健法、児童生徒等に対しては学校保健安全法において実施が義務づけられているところである。
一方で、これら以外の者に対しては、健康増進法および高齢者の医療の確保に関する法律に基づき歯科健診が実施されているものの、受診率は低い状況にある。また、労働安全衛生法において、有害な業務に従事する労働者に対する歯科健診の実施が義務づけられているが、対象が限られており十分とは言えない状況である。
口腔の疾患は様々な全身疾患と密接に関わって、特に歯周病と糖尿病との関連については科学的根拠が明らかになっている。人生100年時代を迎える中で健康寿命の延伸を図るためには、「8020運動」の取組をさらに進めるなど、歯を含めた口腔内全体の健康維持が極めて重要である。
国においては、令和4年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2022」に、生涯を通じた歯科健診、いわゆる国民皆歯科健診の具体的な検討に取り組むことが初めて盛り込まれ、さらに令和5年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2023」においては、その取組の推進が掲げられたところである。また、健康日本21においても、歯や口腔の健康についての取組が推進されている。
現在のところ、国民皆歯科健診の実現を求める意見書については、令和4年10月に熊本県議会で提出されたことを端緒として、27都道府県で同趣旨の意見書が提出され、実現に向けた機運が高まっているところである。
このように、国民皆歯科健診への正しい理解を深め、国民皆歯科健診の実現に向けた後押しになるよう、国に対する意見書を提出することを請願する。