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知事提案説明(平成15年11月定例会)

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平成15年11月県議会定例会 知事提案説明

平成15年11月県議会定例会 知事提案説明

 本日、議員各位のご参集をいただき、11月県議会定例会を開会し、提出いたしました諸案件のご審議を願うにあたりまして、その概要をご説明申し上げますとともに、当面する諸問題について所信の一端を申し述べたいと存じます。

 まず、平成16年度当初予算の編成方針についてであります。

 いよいよ来年度予算の編成の時期になってまいりましたが、その背景となります経済情勢等についてであります。我が国の経済の動向は、政府の11月の月例経済報告では、アメリカ経済等の回復に伴って生産活動が上向き、企業収益が改善するとともに、輸出が持ち直し基調にあることなどから、基調判断におきまして、景気は持ち直しているとされ、2ヵ月ぶりに上方修正がなされたところであります。
 しかしながら、こうした状況は、輸出の復調を背景としたものであり、最近の急激な円高基調が新たな懸念材料として浮上してきておりますほか、個人消費も「横ばい」と力強さを欠いておりまして、内需主導の持続的な景気回復には、まだ時間を要するものと思われ、厳しい状況が続いているところであります。

 本県の経済におきましても、全体としては、概ね横ばいで推移しておりますものの、生産や個人消費、投資動向などに弱い動きが見られ、また、雇用情勢も、持ち直しの動きが続いておりますが依然として厳しいなど、引き続きまして、厳しい状況にあります。

 このような経済情勢のもとでの予算編成でありますが、国におきましては、引き続いて構造改革に取り組んでいくこととされ、一般歳出等を実質的に平成15年度の水準以下に抑制することを目標に、歳出全般にわたる徹底した見直しを行い、歳出の抑制と予算配分の重点化・効率化を行う、とされております。

 また、地方財政につきましては、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」、いわゆる「骨太の方針第3弾」に沿って、国の歳出の徹底した見直しと歩調をあわせつつ、投資的経費や一般行政経費などの徹底した見直しを行うことにより、地方財政計画の歳出規模を抑制するとともに、地方交付税総額を抑制する、とされているところであります。

 こうした状況と、大変厳しい財政状況のもとで、本県の平成16年度の予算編成につきましては、平成15年度からの3年間を計画期間として策定いたしました「財政構造改革プログラム」の2年目として、まずは、改革プログラムを着実に実行していくことによりまして、財源不足額の縮減に向けて、全庁を挙げて計画的に取り組んでいくことが重要であると考えております。

 また、一方で、このような中にありましても、本県の持続的発展を確固たるものとするために不可欠と判断されます施策や、県民福祉の向上のために真に必要とされる施策など、本県にとって重要な課題につきましては、的確に対応もしていかなければなりません。

 このため、先般、新たに策定いたしました「滋賀県中期計画」の実質的なスタートの年として、この中期計画を基点に、目的志向、成果重視の視点に立った行政運営を進め、施策の再構築と推進を図っていくこと、そしてまた、緊急地震対策等の重要な課題に的確に対応していくことを目指しまして、収入の状況等を見極めながら、限りのある行政資源を効果的・効率的に投入する、メリハリの効いた取り組みを進めていくこととしております。

 依然として厳しい財政状況と限られた財源の中ではありますが、中期計画に掲げます「10の戦略」等を重点的に推進していくことによりまして、「自然と人間がともに輝くモデル創造立県・滋賀」に向けまして、精一杯取り組んでいきたいと考えているところであります。

 また、本県の16年度予算編成に関連いたしましては、三位一体の改革が、国の予算編成の中で、具体的なものとして明らかになってくることとなります。その内容如何によりましては、本県の予算編成に、大きな影響が生じることが想定されるところでありまして、国庫補助負担金の廃止・縮減のみが先行して実施され、税源移譲が先送りされるといったことのない、真の地方分権の実現に向けた取り組みがなされなければなりません。

 このため、全国知事会や近畿ブロック知事会におきまして、「税源なくして削減なし」を基本に、税源移譲を優先して行うことなどを求める緊急提言を行ったところであります。今後とも、改革の具体化の動向に十分留意いたしますとともに、引き続きまして、様々な機会を捉えまして、国に対して、積極的に、また粘り強く、提言や要請を行っていきたいと考えているところであります。

 次に、県版経済振興特別区域制度の推進について申し上げます。

 IT化・グローバル化をはじめとする世界経済の大きな変化を背景といたしまして、我が国の景気の低迷が続く中で、本県経済も厳しい状況に直面しており、雇用の問題を含め、県経済の再生と活性化を図っていくことが急務の課題となっております。

 こうした中にありまして、本年3月に、中・長期的な観点から本県の産業振興の確かな戦略方向を示します「滋賀県産業振興新指針」を策定し、産学官連携体制の構築と創造型・自律型産業構造への転換を基本理念といたしまして、具体的なプロジェクトのひとつとして、県版の経済振興特区制度の創設を掲げているところであります。

 この制度は、特定地域に幅広い特例措置を一体的・重点的に講じまして、「選択と集中」による産業振興策を通じまして、先進的な取り組みによる地域経済の活性化を図りますとともに、その経済効果の波及等によりまして、県全体の経済振興の促進を図っていこうとするものであります。

 本制度の創設に向けましては、本年6月に、有識者により設置いたしました「滋賀県経済振興特区制度調査委員会」におきまして、制度のあり方や枠組み等につきまして、調査・審議を進めてきていただき、去る10月23日に、委員会より提言をいただいたところであります。

 県といたしましては、この提言を受けまして、経済振興特区制度につきまして、市町村、民間事業者、大学、地域住民等が協働し、地域特性を最大限に活かした自発的・主体的な産業振興策をもとといたしまして、幅広い経済振興策を導入する滋賀県独自の制度として、基本となる事項を条例に定めることとし、「滋賀県経済振興特別区域に関する条例要綱案」を取りまとめたところであります。

 この条例要綱案では、経済振興特別区域の設置につきまして、市町村が地域経済の活性化を図るために自発的に設定して県に申請し、県は認定審査会の意見を聞きまして、認定基準に適合すると認めるときは認定を行うこととしております。区域の範囲につきましては、地域の特性を活かし、力強い産業活動の展開を引き出していく事業を実施する区域等としているところであります。また、時限的な制度とすること、取り組みを推進するために、県といたしまして、税制・財政措置、融資、産業基盤整備など幅広い経済振興の特例措置を講ずること、などを盛り込んでおります。

 この条例要綱案につきましては、現在、県民政策コメント制度により県民の皆さんからのご意見等を募集中であり、これを踏まえまして、今後、県の考え方をさらに整理し、来年2月の県議会に新たな条例案として提案させていただくべく、検討を重ねてまいりたいと考えております。

 ところで、私は、11月15日から20日の6日間、三浦県議会議長や県民の皆さんとともに、湖南省を訪問してまいりました。

 今年は、滋賀県と湖南省が友好協定を締結して20周年という節目の年にあたっておりまして、さる10月21日には、湖南省から約180名の方々に滋賀県を訪問いただき、大津市内で記念式典を開催いたしました。また、県民の方々との交流などを深めていただきましたが、今回の訪問におきましては、湖南省吉首市で、植林緑化事業に関連いたしました記念植樹に、訪問団として参加してきたところであります。

 今回訪れました吉首市を中心とした湘西地区では、森林の草地化や荒廃化によりまして水源の涵養機能が低下しており、それが原因の一つとなって洪水が発生し、人々の生活や農業等に大きな被害がもたらされているところであります。

 このため、湖南省では、植林緑化事業に力を入れておられまして、友好県であります滋賀県といたしましても、この事業を応援してまいりますために、滋賀県国際協会が中心となりまして、支援・協力していくこととしております。その一環として、緑化支援金の募金活動を行っておりましたが、県民の皆さんから寄せられました支援金100万円につきまして、今回の記念植樹の場で、贈呈してまいりました。また、県議会の議員各位にご協力をいただいた支援金につきましても、三浦議長から贈呈されたところであります。

 記念植樹の当日は、地元大興村におきまして、少数民族であります苗族のみなさん総出の熱烈な歓迎をいただき、一緒に植樹をいたしてまいりました。また、その様子が、新聞やテレビでも大きく取り上げられるなど、湖南省政府をはじめ地元の皆さんの、植林緑化事業に対する熱意を、強く感じたところであります。

 そしてまた、20周年という節目の年に、環境という分野で相互に協力できることを、「環境こだわり県」滋賀県として、大変意義深く、また、誇りに感じたところでもあります。

 以下、今議会に提出しております案件の概要についてご説明申し上げます。

 議第161号から議第165号までは、補正予算でありまして、県有施設の管理業務委託について、契約事務の競争性等を確保する観点から、複数年契約に係る債務負担行為を追加しようとするもので、議第161号は一般会計に、議第162号は公営競技事業特別会計に、議第163号から165号までは企業会計に、それぞれ係るものであります。

 次に、条例案件およびその他の案件でありますが、議第166号は、電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律の施行に伴い、電子証明書の発行手数料および失効情報提供手数料について定めようとするものであり、議第167号は、滋賀県知事の権限に属する事務のうち、市町村が処理することとする事務として、電子証明書の発行手数料の徴収事務を追加する等の改正を行おうとするものであります。

 議第168号は、貸金業の規制等に関する法律および建設業法の一部改正に伴い、審査手数料を改定しようとするものであり、議第169号は、食品衛生法の一部改正に伴い、所要の規定の整備を行おうとするものであります。

 議第170号は、国有財産特別措置法の一部改正により、市町村が普通河川の譲与を受けた場合等について、条例の適用を除外しようとするものであり、議第171号は、先の開発許可制度の運用に係る不祥事を踏まえ、開発行政に係る判断をより明確化、透明化するために、開発審査会の所掌事務として、開発行為等の規制に関する重要事項についての調査審議を追加しようとするものであります。

 議第172号は、風致地区内における建築等の規制の基準を定める政令の改正に伴い、許可基準等を改正しようとするものであり、議第173号は、経営基盤強化計画に基づき、東南部上水道供給事業の給水料金の引き下げをしようとするものであります。

 議第175号は、契約の締結について、議第176号は、契約の変更について、議第177号は、損害賠償の額を定めることについて、それぞれ議決を求めようとするものであります。

 議第178号は、市町の廃置分合に係るものであります。
 去る10月24日に、水口町、土山町、甲賀町、甲南町および信楽町の各町長から、合併申請がなされました。
 当地域におきましては、これからの分権時代を担いうる基礎的自治体にふさわしいまちづくりに向け、これまでから地域住民の皆さんとともに、関係各位が一体となって、様々な課題を乗り越えながら、新しい地域の将来像について真剣な議論が展開されてきたところであります。
 また、県といたしましても、当地域を平成13年12月に合併重点支援地域に指定し、県職員の派遣をはじめ、具体的な合併協議に対します助言や情報提供など、支援を行ってまいったところであります。
 こうした中で、関係5町での協議が整い、合併申請がなされましたことから、いわゆる平成の大合併では県内第一号として、平成16年10月1日に、5町が合併し、甲賀市を設置することについて、議決を求めようとするものであります。

 議第179号は、平成16年度に発売する宝くじの総額について議決を求めようとするものであり、議第180号は、専決処分について承認を得ようとするものでありまして、衆議院議員総選挙の執行事務費等の一般会計補正予算に係るものであります。

 次に、議第181号から183号までは、いずれも給与改定に係る条例案件でありまして、議第181号は、去る10月10日に県人事委員会から、職員の給与改定について勧告を受けましたので、行政職の給与を職員1人当たり平均1.05%引き下げ、期末手当を0.25月分引き下げるなどの改正を行おうとするものであります。また、併せまして、来年度におきましても、財政構造改革プログラムに基づき、独自の給与の減額を引き続いて行うとともに、課長補佐級以下の職員の削減率につきまして、さらに0.5%引き下げ、給料表の減額と合わせまして4%の削減を行おうとするものであります。

 議第182号は、国家公務員に準じまして、退職手当を減額改定しようとするものであり、議第183号は、一般職の退職手当の改正に合わせまして、特別職の退職手当を見直し、私をはじめ、副知事、出納長の退職手当の支給割合を引き下げようとするものであります。

 なお、条例案件のうち議第181号につきましては、12月期の手当の支給に係る内容が含まれておりますことから、速やかな議決をお願い申し上げるものであります。

以上、何とぞよろしくご審議を賜りますようお願い申しあげます。
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