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知事提案説明(平成19年 2月定例会)

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平成19年2月県議会定例会 知事提案説明

平成19年2月県議会定例会 知事提案説明

 本日、2月県議会定例会を開会し、提出いたしました諸案件のご審議を願うにあたりまして、新しい年度に向けた県政の運営方針について申し述べますとともに、議案の概要についてご説明申し上げます。

 昨年、7月に、私は滋賀県知事に就任させていただいた際、琵琶湖をはじめとする豊かな自然や歴史文化、県民の皆さんの知恵と努力によって築かれてきた産業基盤など、滋賀県が持つ魅力と素材を生かしながら、この大切な宝を次の世代にしっかりと引き継いでいくこと、そして、滋賀県の未来を可能なものとするため次世代育成型の県政を実現することを、お約束させていただきました。

 このたび提案させていただきました平成19年度当初予算案は、新しい地方自治の形、滋賀県の目指すべき方向を示す出発点となると同時に、県民の皆さんの思いと願いを具体的に実現していくものとなりますだけに、私自身、身を引き締めて、精一杯その編成に取り組ませていただきました。

 この予算を基に、新しい滋賀県がはじまろうとしている、変わろうとしている、そういう変化の予感、「芽」を県民の皆さんとともに、大きく育ててまいりたいと考えております。

 さて、昨年暮れに、ショッキングな数字が発表されました。国立社会保障・人口問題研究所が公表した日本の将来推計人口によりますと、女性が生涯に生む子どもの数が大きく低下することにより、人口減少が加速し、50年後の日本の人口は9,000万人を割り込むと推計されるというものです。また、65歳以上の人口比率は今の2倍の40.5%になる一方、15歳未満の若年人口が8.4%になるなど、子どもの数も大きく減少する社会が予想されています。

 また、今月はじめ、国連の作業部会が6年ぶりに正式に発表した報告書では、地球温暖化が予想以上に進み、21世紀末には地球の気温が最大で6.4度上昇すると指摘しています。そして、その原因が人間の経済活動による温室効果ガスの増加によるものであることを明確にし、各国政府に長期的な温室効果ガス削減対策を促すものとなっています。
 温暖化の影響は、北極の氷が溶けて薄くなったり、台風やハリケーンが大型化するといったことにとどまらず、今年のような暖冬やそれに伴うと考えられる琵琶湖の湖底の溶存酸素の低下といった問題にも現れています。

 人口減少にせよ、地球温暖化にせよ、短期間のうちに状況が一変するということではないので、目にはとまりにくく、実感が伴いにくいのですが、これが20年、30年という長いスパンの間に確実に進行し、やがて取り返しのつかない結果となって現れるのではないかと不安になります。
 今を生きるわれわれは、将来を見通し、そのために今何をなすべきか、何をしてはいけないかを真剣に自らに問いかけ、そして具体的に行動することが重要となってまいります。

 私が申し上げております「もったいない」の考え方は、子や孫が生きる時代、すなわち20年後、30年後、あるいは50年後といった将来の世代に配慮し、人やもの、自然が持つ本来の力を引き出すことであり、まさに今、県政を担う私たちに求められている基本的な考え方だと思っております。

 人の生きる力も、琵琶湖をはじめとする自然の力も、その本来の力を活かさないと「もったいない」という考え方のもとに、未来を拓く滋賀県づくりに全力で取り組んでいきたいと考えます。

 さて、最近の我が国の経済動向についてでございますが、先月22日に発表されました1月の政府月例経済報告によりますと、「景気は、消費に弱さが見られるものの、回復している」との基調判断がなされております。
 先行きにつきましては、企業部門の好調さが持続しており、これが家計部門へ波及し国内民間需要に支えられた景気回復が続くと見込まれる一方で、原油価格の動向が内外経済に与える影響等には留意する必要があるとされております。

 一方、本県経済に目を転じますと、個人消費はおおむね横ばいといった状況ですが、生産動向や住宅投資が高い水準で推移し、これらを背景に雇用情勢は確実に回復しており、全体として「県内景気は、回復傾向が続いている」と認識しております。
 しかしながら、景況感には業種や企業規模によってバラツキが見られ、特に中小企業は、大手に比べると依然厳しい状況に置かれていることに留意する必要があります。

 このような経済状況の中で、昨年秋以来、平成19年度当初予算編成作業を進めて来たわけですが、改めて地方財政を取り巻く状況を振り返ってみますと、大変厳しい状況にあります。いわゆる「三位一体の改革」が、平成18年度でひとまず決着を見、国から地方への3兆円の税源移譲が実現した点は評価できます。しかし、一方で、地方交付税の削減という厳しい現実が残されました。

 そういう意味では、「三位一体の改革」は「未完の改革」にとどまっており、これに続く「分権改革」が、真に地方に活力をもたらすもの、地方の自主・自立を確保するものになるよう、国、地方を挙げて取り組む必要がございます。
 そのような中、昨年12月8日に、「地方分権改革推進法」が成立いたしました。未だ道半ばの分権改革を今一度力強く動かすために、われわれ地方六団体が一丸となって早期の制定を強く求めてきたものであり、次の地方分権改革に向け、着実に一歩を踏み出したものと評価をしております。
 この法律が、真の地方分権改革を実現するための推進力となって、国と地方が対等の立場で協議しながら、国から地方への権限および税財源のさらなる移譲等がなされ、早期に「豊かな自治」が実現することを強く希望するものでございます。

 このように、今後の分権改革の道筋はある程度見えてまいりましたものの、地方にとって来年度の予算編成に直接関わってくる地方財政対策におきましては、昨年7月に策定された、いわゆる「骨太の方針2006」を受ける形で、安定的な財政運営に必要な地方税、地方交付税等の一般財源総額が確保されるかどうかが大きな焦点となりました。

 昨年末に決着した内容を見てみますと、地方財政計画の規模は、6年連続で縮小し、地方交付税と臨時財政対策債を合わせますと、およそ1兆円の減額となるなど、結果的には地方にとって大変厳しい内容となりました。

 また、地方税、地方交付税等の一般財源総額につきましては、税収が一定伸びるという試算のもとに、地方全体のマクロベースでは5,000億円程度、率にして0.9%増加しており、一応は地方に配慮した形にはなっております。しかしながら、本県の場合には、地方交付税が大幅に減少することによりまして、全国ベースの見込みとは逆に、一般財源総額が減少することが見込まれるところとなり、より一層厳しい状況に立ち至りました。

 こうした中で編成いたしました平成19年度一般会計当初予算の総額は、5,073億1千万円となりました。昨年度に比べますと、金額で
23億3千万円、率にして0.5%の増でございます。予算が増額になりますのは、6年ぶりでございますが、決して積極型予算ではありません。
 いわゆる「団塊の世代」の大量退職が始まり、退職手当が前年度に比べて約30億円増加すること、さらに、扶助費や公債費も40億円程度の増加が見込まれており、これらの義務的経費を除きますと、対前年度マイナスとなり、実質的には緊縮型の予算となっております。

 さきほど、地方財政対策の結果を受けて、厳しい財政状況になったと申し上げましたが、もう少し詳しく財源不足の状況について申し上げたいと存じます。
 予算編成に入ります前に見込んでおりました平成19年度の財源不足額は、560億円で、「財政危機回避のための改革プログラム」の最終年度の徹底した努力により280億円まで縮減する予定をしておりました。しかし、今回の地方財政対策を受けまして、地方交付税が予想以上に大きく減少する見通しとなり、最終的な財源不足額は610億円を超える見込みとなりました。これに対して、歳出面で、改革プログラムに掲げる280億円を上回る291億円の削減を図ったものの、依然として残る財源不足額は40億円拡大し、320億円となりました。

 このことが明らかになりましたのは、1月の下旬であり、予算編成も既に終盤の時期にありましたことから、県債の増発や基金の取り崩しなど、歳入面から、この財源不足に対応することといたしました。

 具体的には、県有地の売却で51億円を捻出するほか、県債については、退職手当債55億円を含む100億円を発行することとし、基金につきましても、財政調整基金と県債管理基金を合わせて74億円、土地開発基金80億円をそれぞれ活用するなど、あわせて169億円取り崩すこととし、これらを合わせて320億円の歳入確保で対応したところでございます。

 このように、最終的にはどうにか収支を均衡させることができましたが、予算編成のギリギリ最終段階に至ってからの財源調整は大きな困難を伴うことから、国に対しては、地方が円滑に予算編成を行えるよう地方財政に関する諸情報について、早期に示していただくよう、引き続き強く要望してまいります。そして、本県の平成20年度以降の収支見通しについても、「新しい行政改革の方針」の中で的確に策定し、一層の財政の健全化に全庁挙げて取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、主な歳入について申し上げます。
 まず、県税でありますが、総額で1,790億円と、前年度に比べ、330億円、22.6%の増、三位一体の改革による税源移譲分を除きましても1,590億円、8.9%の増となり、3年連続で前年度当初予算を上回ると見込んでおります。
 税目別に申し上げますと、まず、法人二税は、企業業績が引き続き好調であると見込まれますことから、660億8,000万円を計上いたしております。前年度に比べ、77億8,900万円、13.4%の増を見込んでおります。
 法人二税以外の税につきましては、個人県民税が、税源移譲として200億円見込まれることなどから、493億8,500万円を計上いたしており、前年度に比べて241億9,000万円、96.0%の増とほぼ倍増する見込みです。このほか、景気回復を背景として不動産取得税および地方消費税で増収が見込まれるところでございます。

 一方、地方交付税は、今年度の法人二税の収入が好調であることなどの本県独自の事情によって、前年度に比べ全国平均の4.4%の減を大きく上回る8.7%、92億円の減の963億円となり、これが今回予算編成を一段と厳しいものとした要因の一つでございます。

 また、地方譲与税は、税源移譲分について、前年度までは所得譲与税として交付されていたものが、個人県民税に移譲されたことから、24億9,600万円と、前年度比235億8,900万円、90.4%の減となっております。

 県債につきましては、引き続き投資的経費の重点化、効率化により極力発行の抑制に努力いたしましたが、退職手当の増加に対応するため、その負担につき世代間の公平を図る観点から、退職手当債55億円を計上したことなどから、673億2,700万円となり、前年度に比べ17億
5,700万円、2.7%の増となったところでございます。

 このほか、歳出に見合った分担金及び負担金や使用料等を見込みまして、それぞれ計上いたしております。

 それでは、以下、平成19年度予算に計上いたしました主な施策につきまして、ご説明申し上げます。

 まず、来年度予算の基本的な方向を、“「もったいない」で拓く滋賀の未来”といたしました。自然本来の力や、子ども・若者の自ら育つ力、あるいは滋賀県の豊かな素材を損なうことなく、活かす、すなわち「もったいない」という滋賀県に根付く考え方を梃子にして、滋賀の持つ強みをしっかりと維持・発展させて、未来を可能にする予算にさせていただきたいとの想いを込めさせていただきました。

 とりわけ、少子化問題や児童虐待等が深刻化する中で、滋賀県らしい子育て支援策に力を入れることが重要でありますことから、近江商人の「三方よし」の考え方にあやかって、「子育て三方よし」に取り組みたいと思います。
 また、琵琶湖が本来持っている自然の豊かさ、すなわち水質や生態系、自然的環境などの豊かさを発揮させていくような琵琶湖の保全・再生施策、県民の安全、安心な暮らしを守る地震防災対策や流域治水対策、さらには地域活力を維持する経済振興施策などに力を入れてまいりたいと考えます。

 以下、滋賀県中期計画体系の5本の柱に沿ってご説明申し上げます。

 まず、第1の柱は、「次の時代につなぐ環境政策」でございます。
 これまでの右肩上がりの経済成長を前提とした大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会経済システムは、地球温暖化の進行や資源の枯渇とその一方での廃棄物の増加といった地球規模での深刻な環境問題を引き起こしています。また、先ほども述べましたように、琵琶湖の自然に対しても不安な要素がございます。
 次の世代に配慮した循環型社会を実現するためには、私たちの価値観や生活のスタイルを見つめ直し、水や自然を大切にしてきた過去の生活の知恵を生かしながら、将来を見据えた環境施策を着実に進めてまいります。

 そこで、まず、琵琶湖の総合保全をはじめとした環境保全型社会の構築についてでございますが、マザーレイク21計画に基づく琵琶湖の総合保全に向けた取り組みを引き続き進めますとともに、昭和30年代の琵琶湖の状態を取り戻すという「再生」という新たな視点を柱に据えながら、琵琶湖・環境科学研究センター、琵琶湖博物館等を中心として、長期的視野からの総合的なメカニズム解明の調査・研究の枠組みづくりに取り組んでまいります。

 さらに、内湖機能の保全・再生等自然再生を推進しますとともに、大量に繁茂した水草の効率的、効果的な除去と有効活用を図ってまいります。

 森林づくりにつきましては、「琵琶湖森林づくり条例」の趣旨を踏まえ、環境林の整備や間伐材の利用促進、里山の環境整備、森林環境学習など、公募による事業も含めまして、総合的に進めてまいります。
 特に、明日の滋賀を担う若い世代に森林の大切さを学ぶ機会を提供するため、小学校4年生を対象に森林環境学習「やまのこ」事業を実施してまいります。これによりまして、フローティングスクールと田んぼの学校と合わせて、湖、山、水田、いわば「うみのこ」「やまのこ」「田んぼのこ」と体系的に自然体験の場ができることとなります。

 次に、美しいふるさと自然・景観・緑の保全と創出についてでございますが、希少種の保護対策や、外来種・有害鳥獣による被害防止対策に総合的に取り組んでまいります。とりわけ、漁業被害や植生被害の大きいカワウにつきましては、計画的に繁殖抑制や駆除を行ってまいります。

 次に、省資源・資源循環型社会の実現についてでございますが、環境・経済・社会がともに持続的に発展する社会を構想するとともに、その実現のために必要な施策について具体的な検討を行ってまいります。
 また、廃棄物の発生を抑制するとともに、発生した廃棄物については再利用など、廃棄物を資源として活用し、循環型社会を構築するための施策を推進してまいります。

 また、自然の力を生かした新エネルギーの開発・導入を推進するため、太陽、バイオマス、小水力などを将来有望なエネルギーと位置づけ、それらを活用する取り組みを戦略的・重点的に進めてまいります。

 廃棄物の適正処理につきましては、不法投棄撲滅のため、IT機器を活用した監視体制の強化などの対策に取り組みますとともに、管理型の産業廃棄物最終処分場でありますクリーンセンター滋賀につきましては、平成19年度中の開業を目指し、整備促進を図ってまいります。

 また、アール・ディエンジニアリング最終処分場問題につきましては、県としての対策実施計画を策定するため、引き続き「RD最終処分場問題対策委員会」において効果的で合理的な対応策を検討いただくとともに、この問題に関与した事業者等の責任を厳しく追及し、必要な対応を求めるなど、RD問題の早期解決に向け、着実に取り組んでまいります。

 第2の柱は、「活力を創造する産業・経済政策」でございます。
 国際的な地域間競争がますます激化し、少子・高齢化や人口減少への対応など、緊急かつ困難な課題に直面する中で、景気が回復傾向を続けている時期にこそ、将来をしっかり見据え、さらに活力ある発展を続けていくため、地域に根ざした力強い産業づくりや、産業の競争力を強化する基盤づくりに努めてまいります。
 また、農業・農村のすばらしい営みを、子や孫に伝えていけるよう、滋賀ならではの農業・農村の振興に努めてまいります。

 そこで、まず、活力に満ちた新しい地域経済の創造についてでございますが、地域の特性を活かした産業活動の展開を目指す県版経済振興特区を進めるとともに、産学官が連携しながら、新事業や新産業が創出される「創造型・自律型の産業構造」への転換を一層促進してまいります。

 また、企業立地の推進につきましては、次世代産業を育成し、本県産業の競争力をさらに強化していくため、研究開発機能を併設した工場もしくは試験研究施設の設置を行う場合、その設備投資額の一部を助成する制度を創設いたします。

 さらに、本県が有する地域資源を掘り起こし、先端技術やデザイン等と融合させ、消費者の感性に訴える新たな製品やサービスを生み出して、地域ブランド力を高め、地域経済の活性化を促進いたします。

 観光産業の振興につきましては、この3月から11月までの間、彦根市で開催される国宝・彦根城築城400年祭を核に、本県のもつ城や城跡などの観光資源を広く全国に発信し、本県への誘客を図ってまいりますほか、本県の歴史や自然等の観光資源や環境をキーワードにした滋賀ならではの観光検定の実施について助成し、来訪者へのおもてなしの心の向上などに努めてまいります。

 また、伝統産業産地における、若手後継者育成への取り組みに対し、産地組合を通して助成を行い、地域資源としての活用の可能性と、その支援体制について検討してまいります。

 次に、滋賀の特性を生かした魅力ある農林水産業の振興についてでございますが、環境こだわり農業をさらに発展させるとともに、各集落が農地や農業用水を大切にしながら、「水質」や「景観」、「生物多様性」といった環境保全の3つの活動に取り組むことを支援してまいります。
 この中で、子どもたちの自主的な参加を奨励するなどの工夫も取り入れながら、自然環境豊かな農村の姿を、まるごと子どもたちの世代につないでいきたいと考えております。

 また、消費者ニーズの多様化や産地間競争の激化に対応し、県産農水産物の優位性を発揮するために、関係者が「売るために作る」という認識と方向性を共有できるような、総合的なマーケティング戦略を推進してまいります。

 畜産関係では、新食肉センターがこの春から操業をスタートすることとなりますが、これにあわせまして、「近江牛」の統一認証システムを普及させることにより、「近江牛」のブランド力を確固たるものにしてまいります。

 また、本年11月10日から11日にかけまして、「第27回全国豊かな海づくり大会〜びわ湖大会〜」を開催いたします。
 琵琶湖は今、水質問題や生態系の変化など深刻な状況にあり、琵琶湖漁業も固有種の減少や従事者の高齢化など、危機的な状況に直面しております。
 この危機的な琵琶湖をどのようにして再生していくのか、減少しつつある水産資源を回復させ、どのように水産業振興を図っていくのか、この大会を通じて、県民の皆さんとともに考え、その再生に向けたきっかけづくりとなるような、未来につながる大会にしたいと考えております。

 次に、時代を先取りする経済活性化基盤の創出についてでございますが、広域的な交流と県内各地域の連携を強化し、滋賀の優位性をさらに高める道路網を形成するため、第2名神高速道路や、国道1号、8号、161号等の直轄国道の整備促進、大津湖南幹線など県管理の幹線道路の重点的、効率的な整備を進めてまいります。

 また、市町村合併や地域の個性あるまちづくりを支援するため、合併支援道路の整備に加え、スマートインターチェンジの手法を活用し、名神高速道路に新たなインターチェンジの整備を推進してまいります。

 第3の柱は、「県民が安心できる暮らし政策」でございます。
 世界に類のない少子高齢社会に向けて、社会保障のあり方が大きく変化する中で、地域医療の確保に全力で取り組み、保健・医療・福祉の連携の中で、人と人が支え合い、誰もが生涯を通じて住み慣れた地域で自立し、安心して暮らせる健康福祉の社会づくりを目指してまいります。
 また、子どもが健やかに育ち、安心して子どもを生み育てることのできる、子育てに夢を持てる社会づくりを目指し、「子育て三方よし」の取り組みを進めてまいります。

 そこで、まず、生涯を通じた健康づくりの推進についてでございますが、現在、策定を進めております本県の食育推進計画をもとに、食育に関する意識の高揚を図り、滋賀県らしい食育を総合的かつ計画的に推進してまいります。

 また、全国平均に比較して高い状況にある乳児死亡率、新生児死亡率等の改善を図るため、周産期保健医療対策の充実に努めてまいります。

 また、若手医師の都会志向、ベテラン医師の開業志向の強まりなどにより、地方の病院を中心に全国的に医師不足となっておりまして、本県におきましても、地域的な偏在、特に小児科・産科等の特定診療科における医師不足が緊急の課題となっております。
 こうしたことから、医師確保支援センターを設置するとともに、地域における医療システム等を研究するための講座の開設、出産・育児等で臨床を離れた女性医師の職場復帰支援、専門研修を行っている医師への研修資金の貸与、医師が働きやすい職場環境づくりの支援など、総合的な医師確保対策に取り組んでまいります。

 次に、子ども・障害者・高齢者がいきいき暮らせる福祉社会づくりについてでございますが、まず、次世代育成支援対策につきましては、乳幼児のいる家庭を訪問し、子育て支援に関する情報提供や、養育環境の把握を行い、育児支援サービスの提供や児童虐待の未然防止につなげてまいります。

 また、児童手当につきましては、法改正に伴い、0歳以上3歳未満の児童に対する乳幼児加算制度を新たに創設し、小学校修了前の児童を養育している方に児童手当を支給することにより、児童の健やかな育成を図るとともに、子育て世帯の経済的負担の軽減を図ってまいります。

 さらに、児童虐待に対応するため、未然防止から、家族の再統合・子どもの自立支援に至るまで、切れ目のない総合的な施策を展開するとともに、市町に対する支援の強化と、子ども家庭相談センターの機能強化を図ってまいります。

 障害者福祉対策につきましては、「障害者が地域で暮らし働ける環境づくり」を進めるため、サービスを利用する障害者の負担に対する激変緩和や、作業所・グループホームなどが安定した運営ができるよう、市町と協力して支援することなどを内容とする「緊急プログラム」の充実を図ってまいります。
 また、居住の場や日中活動の確保・充実に努め、きめ細やかな就労支援を図ってまいります。

 高齢者福祉対策につきましては、団塊の世代の方々が、定年退職を迎えることから、これらの方々が、これまで培ってこられた知識や経験を生かして地域社会の支え手となり活躍していただけるよう、市町や関係団体の皆さんとともに、地域活動支援や起業化支援など、「定年退職者の元気創造プロジェクト」に取り組んでまいります。

 また、認知症に正しい理解を持ち、地域や職場において認知症や家族を支援するサポーター等を育成することのできる人材を養成していくことにより、認知症の人や家族が安心して暮らし続けることができる地域づくりを推進してまいります。

 次に、県民の安全な暮らしの確保についてでございますが、県民の皆さんの防犯意識の高揚を図るとともに、地域における自衛型防犯活動の支援を行い、県民や事業者の皆さん、行政、警察が一体となり、犯罪のない安全なまちづくりに、より一層取り組んでまいります。

 また、犯罪被害者支援にかかる総合窓口を設置し、犯罪被害者への情報提供などを行い、犯罪被害者支援施策を推進いたします。

 さらに、社会環境の変化に対応できる警察基盤を確立するため、警察活動の中枢となる警察本部庁舎の平成20年度完成を目指した継続整備、夜間における警察力強化のための駐在所統合による交番化整備、地域住民に最も身近な生活安全センターである交番の整備などに努めてまいります。

 防災対策につきましては、災害発生時の確実な通信手段となる防災行政無線システムについて、衛星を利用した映像伝送のデジタル化に対応するための改修を行いますほか、地震発生の際の震度情報を伝達する震度情報ネットワークシステムについてサーバーの更新を行うなど、防災情報基盤の安定的な稼働と信頼性の向上を図ります。

 また、「公助」としての行政施策に加え、県民の皆さんとの防災意識の共有を図ることにより「自助」、「共助」の活動へとつないでいくため、防災に関する普及活動にもさらに工夫を加えながら取り組んでまいります。

 災害に強い県土づくりといたしましては、集中豪雨などによる水害や土砂災害に対処するため、道路災害防除や河川改修、砂防事業に取り組むとともに、洪水から県民の皆さんの生命を守ることを第一に、また、住民生活への壊滅的な被害を回避するため、従来の治水対策に加え、河川ごとの特性に応じたハード、ソフトにまたがる多様な超過洪水に対する減災対策の実現に向けた具体的な検討を進めるなど、流域治水対策事業に取り組んでまいります。

 滋賀県の治水対策における流域治水対策の検討におきましては、現在県内で計画し、進められているダムについては、その有効性を踏まえつつ、ダムができあがるまでの間の洪水対策、ならびに、できあがってからの超過洪水等の対策について考え、より一層滋賀県全体の治水安全度を高めていくための調査研究と計画策定を、県民の皆さんと基本的な情報を共有し、県民の皆さんから意見を伺いながら、進めてまいります。

 また、県営治水ダム建設事業につきましては、地域生活や防災上必要な道路工事、基礎的な調査設計等を進めるために必要な予算を計上しております。

 さらに、個人木造住宅の耐震診断、耐震改修に引き続き支援を行うとともに、県産材を活用する耐震改修の補助制度を創設するなど、滋賀県の地域性にも十分配慮しながら、災害への備えのある安全な地域社会づくりを目指してまいります。

 第4の柱は、「人を育てる教育政策」でございます。
 これからの滋賀を担い、新しい時代を切り拓いていくのは、子どもたちです。子どもたちは、まさに滋賀の宝であり、学校、家庭、そして地域や企業をはじめ、社会のみんなで豊かな愛情を注ぎながら、子どもたちそれぞれが本来持っている力を伸ばし、輝かせていかなければなりません。
 自ら学び、育ち、そして社会の中でいきいきと活躍できるよう、教育の充実に向けて、さらに力を入れてまいります。

 そこで、まず、心豊かでたくましい人を育む学校・社会環境づくりについてでございますが、子どもたち一人ひとりにしっかり向き合い、きめ細やかな教育を一層推進していくため、従来の小学校1、2年生と中学校1年生での実施に加え、新たに小学校3年生においても少人数学級編制を実施してまいります。実施に当たりましては、教職員の確保がすぐにはできないところから、来年度は経験者を中心とした臨時講師での対応をお願いしたいと考えております。

 また、学校でのいじめなどによって、子どもたちが自ら生命を絶つという、大変いたましい事件が各地で相次いでおります。こうしたことが本県で起きることがないよう、子どもたち自らによる「いじめをしない、させない」学校づくりに向け、児童会や生徒会の取り組みを支援するとともに、問題が発生したときに学校と連携して適切、迅速に対応する「学校いじめ対策コーディネーター」の配置や、24時間体制の相談電話の設置など、様々な対策を講じてまいります。

 さらに、子どもたちの学校や通学路の安全を守り、地域社会が一体となって、安全・安心の学校、地域づくりを進めるため、各学校のスクールガードの活動を支援してまいります。

 特別支援教育につきましては、平成20年度の再編・開校に向け、(仮称)野洲養護学校と八日市養護学校の整備を進めてまいります。また、通級指導教室の設置や、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥/多動性障害)の児童生徒への対応も進め、それぞれのニーズに的確に対応できるよう、支援体制を強化してまいります。
 さらに、軽度の知的障害のある生徒の社会的、職業的自立を目指して、長浜高等養護学校に続き、平成19年4月に甲南高等養護学校を開校いたします。

 また、今後の滋賀の学校教育のあり方につきまして、本年度設置した「滋賀の教育協議会」において引き続き議論を進めるとともに、新たな中高一貫教育校を、安曇川高校および虎姫高校で平成21年4月に開校できるよう研究してまいります。

 次に、21世紀に活躍する多彩なひとづくりについてでございます。
 滋賀県立大学は、平成18年4月から独立行政法人として新たに再出発したところでありますが、地域の看護力の向上を図るため大学院に人間看護学研究科を設置するとともに、工学部の再編を推進してまいります。

 また、平和祈念館につきましては、本県の財政状況に配慮しつつ、将来の姿も見据えた平和祈念館のあり方について、外部有識者などのご意見をいただきながら検討してまいりますほか、これまで収集した資料などを活用し、学校での平和学習を支援するための方策についても検討してまいります。

 第5の柱は、「地域の自立を進める自治・文化政策」でございます。
 本格的な地方分権の時代を迎え、それぞれの地域が、これまで培われてきたまちづくりを大切にしながら、将来の世代を意識し、未来を可能にする地域づくりを進めることが求められています。
 このため、県民の皆さんやNPOなどとともに、地域が持つ本来の力を活かして、新たな自治・文化の創造に努めます。

 まず、新しい時代にふさわしい地域づくりについてでございますが、少子高齢化といった時代潮流や暮らしを取り巻く課題等に適切に対応し、効果的、戦略的に県政を展開できるよう、平成19年度から22年度までの4年間の県政の基本方向を示す基本構想を策定してまいります。

 また、過疎や高齢化などが課題となっている地域の空き家などを活用し、都市住民の交流居住や移住の促進を図ることにより、集落機能の維持および地域の活性化を目指してまいります。

 国際性豊かな地域づくりについてでございますが、本県の外国人登録者数は約3万人で、県人口の2.15%を占めております。とりわけ南米国籍者を中心とした外国籍住民の増加が顕著で、言葉や文化・習慣などの違いから、地域社会において様々な問題や課題を抱えて生活しています。
 こうしたことから、外国人と日本人が互いに理解を深め、ともに暮らしやすい社会を実現していくため、多文化共生に向けまして、基本的な調査を行うとともに、多面的な支援策を講じてまいります。

 生涯スポーツの振興につきましては、スポーツを通じた健康長寿社会の実現に向け、本年9月に、日本スポーツマスターズ2007びわこ大会を開催いたしますとともに、2008年の全国スポーツ・レクリエーション祭の開催に向けた準備を進めてまいります。

 次に、創造的な自治の構築についてでございますが、市町村合併が進展し、新しい自治の形が各地で生まれ、育ちつつあります。
 これら、旧合併特例法の下で合併した市町の新しいまちづくりに対し、引き続き支援を行ってまいります。
 また、分権型社会を担う基礎自治体の行政体制の整備を目指し、各地域において、将来を見据えた地域のあり方についての主体的な議論が展開されるよう促すとともに、市町の合併に向けた自主的な取り組みを支援してまいります。

 さらに、市町村優先の原則、近接および補完の原理に基づき、県から市町への権限移譲を計画的に推進するとともに、財源面での支援を行ってまいります。

 県政運営については、次世代に向けた活力ある滋賀づくりにしっかりと取り組めるよう、平成19年秋頃までに「新しい行政改革の方針」を策定し、その姿をお示しするとともに、健全財政の実現のために「新しい財政構造改革プログラム」を策定してまいります。

 以上、一般会計に係る主な施策の概要を申し上げましたが、このほか、特別会計は、13会計で1,996億2,324万4千円、企業会計は3会計で308億3,740万円を計上いたしております。

 以上、申し上げましたように、厳しい財政環境の中ではございますが、次の時代を見据え、子や孫にツケを残さないような、また、経済的活力を維持、発展させ、滋賀の未来を可能にするような、次世代育成型の県政を実現するという県民の皆さんとの約束の実現に向けまして、その「芽」をしっかりと出し、育ててまいりたいと考えております。

 次に、当面する諸課題について、2点申し述べさせていただきます。
 一つは、瀬田川洗堰の全閉操作の問題についてでございます。
 先月12日に、淀川水系河川整備基本方針の策定について審議する、社会資本整備審議会河川分科会の河川整備基本方針検討小委員会が開催され、その場で国土交通省から、淀川水系の新しい河川計画の基本理念の一つとして、計画論としては瀬田川洗堰の全閉操作は行わないこととするとの考えが示されました。

 これは明治38年に南郷洗堰が設置されて以来100年にわたって続けられてきた方針を改めようとする、大変画期的な出来事であり、意義深いことと受け止めたところでございます。

 現在はまだ、国土交通省の考え方が示されたという段階ですが、今後、淀川流域の関係者をはじめ幅広い議論を経て合意が得られ、一部の地域の犠牲を前提とせずに流域全体の安全を確保することができる河川整備基本方針が策定されるよう願っております。審議会委員の一人でもある私自身も、滋賀県の百年来の悲願の達成に向けて引き続き力を尽くしてまいりたいと考えております。

 今一つは、東海道新幹線新駅についてでございます。
 私が知事に就任させていただいて以降、半年余りが経過いたしましたが、この間「対話と共感」を基本姿勢として、この問題につきまして県議会において皆さんにご議論いただくとともに、東海道新幹線(仮称)南びわ湖駅設置促進協議会の正・副会長会議において、遅くとも3月末までには結論を出すとの合意の下、虚心坦懐に「凍結を含む幅広い議論」を重ね、その解決に向けて精一杯取り組んでまいりました。

 こうした中で、先月19日に開催された正・副会長会議においては、「大幅なコストダウンの方策について、事務局で検討の上、JR東海へ要請すること」を合意したところでございます。

 私は、現行の新駅の計画につきましては、県の財政状況が非常に厳しいこと、利便性が低く必要性が低いこと、他の請願駅に比べて著しく事業費が高いこと、の3つの課題があることから凍結を主張してきたものであり、この考えは現時点においても変わるものではありません。

 一方、正・副会長会議における関係市長の提案を受けて、栗東市が中心となって大幅なコストダウン案の可能性について検討することまでも否定すべきではないと考えておりました。

 昨日2月14日、JR東海に対しまして、栗東市長に同行して、促進協議会の会長としての立場からコストダウン案の検討についてアドバイスをいただけるよう、要請に伺いました。
 JR東海は、現行の協定がある以上、コストダウン案の検討に関わることはできないとの御返事でしたが、地元としての最終的な結論を出すのは、本年10月末までとの回答となりました。

 県といたしましては、現行の工事協定に基づく工事の進捗が見込めないと考えられますことから、当該工事協定を前提とした新幹線新駅の工事費負担金につきましては19年度予算に計上しないことといたしました。どうぞご理解を賜りますようお願いいたします。

 以下、今議会に提出しております案件の概要についてご説明いたします。

 まず、新規条例を制定するものについてでございます。
 議第18号は、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部改正に伴い、改善命令等を受けた精神科病院の管理者に対し、任意入院者の症状等の報告の徴収に関し必要な事項を定めるため、条例を制定しようとするものでございます。
 議第19号は、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律の規定に基づき設置いたします滋賀県留置施設視察委員会の組織および運営に関し、必要な事項を定めようとするものでございます。
 議第20号は、地方自治法の一部改正により、出納長制度が廃止されたこと等に伴い、また議第21号は、結核を感染症法に位置づけて総合的な対策を実施するため、法律が一部改正されたことに伴い、それぞれ関係条例を整理しようとするものでございます。

 次に、条例改正を行うものについてでございますが、議第22号は、子ども・青少年の育成に関する施策を一元的に推進する体制の整備等を図るため、必要な改正を行おうとするものでございます。
 議第23号、40号および43号は、職員の定数に関するものでございまして、知事の事務部局などの定数を削減するとともに、県立学校等の生徒数の増減や、政令における地方警察職員の定員基準の改正などに対応した職員定数に改めようとするものでございます。
 議第24号は、関係法律の一部改正に伴い、必要な規定整備を行おうとするものであり、議第25号は、防衛庁設置法の一部改正により、「防衛庁長官」が「防衛大臣」に改められたことに伴い、必要な改正を行おうとするものでございます。
 議第26号は、職員の勤務条件について、休息時間を廃止することに伴い、また、議第27号は、特別職等の退職手当の算定の基礎となる勤続期間の月数の計算を改めるため、必要な改正を行おうとするものでございます。
 議第28号は、財政構造改革の一環として実施いたしております独自の給与の減額を引き続き行うため、また、議第29号および41号は、職員の管理職手当の定額化および扶養手当の額の改定等を行うため、必要な改正を行おうとするものでございます。
 議第30号は、地方税法の一部改正等に伴うものでございまして、個人県民税の徴収取扱費の算定方法の変更など、必要な改正を行おうとするものでございます。
 議第31号は、建築基準法の一部改正に伴う構造計算適合性判定に係る手数料を追加するなど、関係法律の一部改正に伴い、また、議第32号は、道路交通法の一部改正により中型自動車免許等に係る運転免許試験等の手数料を追加するとともに、探偵業の業務の適正化に関する法律の規定に基づく届出証明書の交付に係る手数料等を定めるため、それぞれ必要な改正を行おうとするものでございます。
 議第33号、34号および38号は、いずれも県の施設を廃止しようとするものであり、
 議第33号は信楽通勤寮を、議第34号は総合保健専門学校の付属施設である寄宿舎を、議第38号は琵琶湖流域下水道の付帯施設である公園のパークゴルフ場を廃止することに伴い、それぞれ必要な改正を行おうとするものでございます。
 議第35号は、国の農地・水・環境保全向上対策に基づき生産される農産物を、滋賀県環境こだわり農業推進条例に定める環境こだわり農産物として認証するための手続き等の調整を図るため、議第36号は、農業大学校を学校教育法に基づく専修学校として位置づけるため、必要な改正を行おうとするものでございます。
 議第37号は、道路法施行令の一部改正により、道路の占用の許可に係る工作物等として、自転車などを駐車させるための必要な車輪止め装置などが追加されたことに伴い、必要な改正を行おうとするものでございます。
 議第39号は、特定非営利活動促進法の一部改正により、法に規定する財産目録の作成や保存等を、書面に代えて電磁的記録により行うことができるようになったことに伴い、また、議第42号は、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律の規定により、都道府県警察に「留置施設」を設置することとされたことに伴い、必要な改正を行おうとするものでございます。
 次に、その他の案件でございますが、議第44号、45号および46号は契約の締結について、議決を求めようとするものでございます。
 このうち、議第44号の「長命寺川広域河川改修事業東海道新幹線交差部工事」につきましては、鉄道管理者である東海旅客鉄道株式会社に施行委託するものでございます。
 公共調達にあたりましては、一般競争入札が原則でありますことから、マニフェストにおきましても、随意契約は原則ゼロとしておりますが、法令等の規定により、やむを得ない場合の随意契約は認められているところでございます。本工事は鉄道敷地内において実施する河川工事であり、鉄道の安全を確保しつつ、施工するためには、鉄道管理者以外に契約の相手方を選択する余地がなく、競争入札に適さないことから随意契約によらざるを得ないものでございます。
 この工事により現河川の治水上のネック部分を解消し、治水安全度のさらなる向上を図るよう努めてまいります。

 議第47号は財産の譲渡について、議第48号は国の行う土地改良事業に要する経費について、関係市が負担すべき金額を定めることについて、
 議第49号は一級河川の指定の変更について意見を述べることについて、また、議第50号は全国自治宝くじ事務協議会の規約改正について、議第51号は包括外部監査契約の締結について、それぞれ議決を求めようとするものでございます。

 以上、何とぞご審議いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

 最後になりましたが、このたび滋賀県議会議員として20年余にわたり県勢の発展に強く御尽力を賜っております滝一郎議員、上野幸夫議員、橋本正議員、同じく15年余にわたり御尽力を賜っております黒田昭信議員、中村善一郎議員、桐山ヒサ子議員、三浦治雄議員、世古正議員には、県議会から表彰を受けられましたことを心からお喜び申し上げます。
 皆様方におかれましては、多年にわたり、地方自治の伸展、県民福祉の向上に御尽力いただき、この間に県政の発展に尽くされた御功績は誠に大なるものがございます。ここに深く敬意と感謝の意を表すものでございます。
 なお、黒田議員、中村議員、桐山議員、三浦議員、世古議員に対しまして、私からも、本日、表彰をさせていただきましたことを御報告申し上げます。
 何とぞこの上も御自愛いただきまして、県勢のさらなる発展のため格別の御指導とお力添えを賜りますようよろしくお願い申し上げまして、お祝いの言葉とさせていただきます。

 以上、提案説明とさせていただきます。長い時間どうもありがとうございました。

平成19年2月県議会定例会 知事提案説明(3月8日追加)

平成19年2月県議会定例会 知事提案説明(3月8日追加)

 ただいま提出いたしました議案の概要についてご説明申し上げます。

 議第52号の一般会計補正予算につきましては、国の補正予算への対応や、年度内における各事業の執行状況および最終的な財源見通しに基づき所要の調整を行い、総額で50億6,476万円の減額補正をしようとするものでございます。

 まず、歳入についてですが、県税は、国内民間需要に支えられて企業収益が引き続き堅調に推移したことなどから、総額で100億7千万円の増額となりました。その内訳は、法人二税が77億5千万円余、個人県民税が20億8千万円余の増となっております。

 また、地方交付税は、決定状況を踏まえ増額するものであり、県債は、国の補正予算に伴う補正予算債や、退職手当の増加等に伴う退職手当債を計上する一方で、許可予定額等にもとづき、所要の調整をしようとするものでございます。

 次に、歳出についてですが、国の補正予算に係るものとして、災害復旧や災害防止対策、また、障害者自立支援法の円滑な施行を図るための特別対策に要する経費など48億4千万円余を措置することといたしました。なお、このうち障害者自立支援対策に係るものにつきましては、新たに基金を設けることとし、事業者に対する激変緩和や新法への移行等のための緊急的な経過措置を講じていくことといたします。

 これらの国の補正予算関連以外につきましては、医師不足が当分続くと見込まれることから、医師確保に向けて積極的に取り組むため、必要な財源をあらかじめ確保し、事業を円滑に推進していくことができるよう、新たに基金を設置することとし、3億円の基金を積み立てることといたしました。あわせて、周産期医療ネットワークに参加する病院が妊産婦等の緊急受入体制を強化するための設備支援に要する経費を計上いたしております。

 このほか、中小企業関係の貸付金の不用をはじめ、人件費や一般行政経費につきまして、執行残等を精査するなど所要の調整を行いますとともに、今後の福祉や教育施策の充実を図るため、福祉・教育振興基金に10億円を積み立てることといたしております。

 このような歳入、歳出の調整を図った上で、本年度予定しておりました財政調整基金と県債管理基金の取り崩し予定額について、両基金合わせて87億5千万円、また、土地開発基金の取り崩し予定額について30億円、それぞれ圧縮することといたしております。こうした措置によりまして、より一層厳しさを増すことが見込まれる後年度の財政運営に備えてまいりたいと考えております。

 議第53号から67号までは、特別会計および企業会計につきまして、同様に所要の調整を行ったところでございます。

 次に、条例案件およびその他の案件について申し上げます。

 議第68号および69号は、先ほど補正予算で説明いたしましたように、新たな基金の設置に関するものでございまして、議第68号は、障害者自立支援法に基づく制度の円滑な運用を図るために緊急に行うべき事業を実施するため、滋賀県障害者自立支援対策臨時特例基金を、また、議第69号は、県民が安心して医療サービスを受けることができる医療提供体制を整備するため、滋賀県医師確保対策基金を、それぞれ設置しようとするものでございます。

 議第70号から72号までは、県の行う建設事業等に要する経費について関係市町が負担すべき金額を定めることについて、それぞれ議決を求めようとするものでございます。

 以上、何とぞよろしくご審議を賜りますようお願い申し上げます。
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